「君を使う時にトークン数を少なくするにはどうすりゃいい?一回聞いたことをトークン数を少なくする形で記憶するには?ベクターデータベースとかいるん?」。2026 年 4 月 20 日、私は AI(Claude Code)にこう聞きました。返ってきた答えは、特別な仕組みを足すことではなく、AI に覚えさせたメモの棚卸しでした。4 日後には、毎回読ませている決まりのファイルも、364 行から 127 行に減らしています。
AI に毎回読ませる社内の決まりは、短いほど、会話のたびに読む量が減ります。中身が見渡せるので、決まりどうしの食い違いにも気づけます。この記事では、何を残し、何をどこに移したかと、決まりを足す前に確かめるようにした 5 つの問いを書きます。
毎回読ませる決まりは、会話のたびに読み直されます
Claude Code では、CLAUDE.md という決まりのファイルを、会話を始めるたびに読み込みます(CLAUDE.md)。ChatGPT のカスタム指示や、Claude のプロジェクトに書く指示も、同じように毎回読まれる決まりです。
毎回読まれる文章は、AI が一度に読んでおける量(コンテキストウィンドウ)の一部を、毎回使います。量はトークンで数えるので、決まりのファイルが長いほど、仕事の中身に使える分が減ります。私の質問は、この読む量を減らしたい、というものでした。
364 行のうち、毎回要るものは一部でした
当時の決まりのファイルには、会社の概要、正本とするファイルの一覧、お客様ごとの案件のフォルダの一覧、エージェントの役割の表、画面を作るときのデザインの決まりまでが入っていました。案件のフォルダの一覧は、お客様が増えるたびに長くなります。画面を作らない日の会話でも、デザインの決まりを毎回読んでいました。
- 見直す前
- 364行
- 2026 年 4 月 24 日の見直しの後
- 127行
出所: 当社の作業の記録(決まりのファイルの変更の記録)
移したものと、移した先は次のとおりです。
| 移したもの | 移した先 | 読ませるとき |
|---|---|---|
| 会社の概要 | 会社の情報のファイル | 会社の情報が要る作業のとき |
| 正本とするファイルの一覧 | 正本の一覧のファイル | どのファイルを正とするか迷ったとき |
| 案件のフォルダの一覧 | 案件の索引のファイル | 案件を探すとき |
| 記録の取り方(git)の決まり | 決まりのフォルダの 1 ファイル | 作業を記録するとき |
| 画面を作るときのデザインの決まり | スキル(作業ごとの手順のまとまり) | 画面やページを作るとき |
残したのは、どの会話でも要る決まりです。業務の文書は日本語で書くこと、記録の正本はどこか、鍵や認証の情報をファイルに書かないこと、人の承認が要る操作、どの資料をいつ読むかの方針、などです。毎回は読まず、作業のときにだけ読ませる決まりのまとまりは、Claude のスキルとして置いています。
短くしたら、食い違っていた決まりが見つかりました
364 行のファイルには、作業の記録を共有の保管場所へ送る(push する)ことについて、2 つの決まりが入っていました。ある節には、作業を記録したら毎回必ず送る、と書かれ、別の節には、送るのは指示があったときだけ、と書かれていたのです。長いファイルの離れた場所に書かれていたので、どちらも残ったままでした。見直しでは、送るのは私が指示したときだけ、に 1 つにしました。
もう 1 つ外したのが、ファイルへの書き込みは、指示の記録 1 件でも専門の役の AI(サブエージェント)を通す、という決まりです。1 つのファイルを直すような軽い作業まで任せると、受け渡しに時間がかかります。軽い作業はそのまま進め、大きな調べものや長い文章のときだけ任せる形に改めました。
決まりを足す前に、5 つを確かめます
見直しのあと、決まりのファイルの最後に、足す前に確かめる 5 つの問いを書き加えました。満たさない内容は、別のファイルに置きます。
- 毎回の会話で、必ず要る内容か
- 足しても、200 行未満に収まるか
- 決まりのフォルダ、作業ごとの手順、資料のどれかに分けられないか
- 特定の作業のときにしか使わない内容ではないか
- 今ある決まりと食い違っていないか
ChatGPT のカスタム指示や、Claude のプロジェクトの指示でも、同じ問いが使えます。たとえば、お客様の一覧や料金表を毎回の指示に書くより、プロジェクトに資料として入れておき、要るときに読ませる方が、指示は短く保てます。
覚えさせたメモも、増えたら棚卸しします
決まりのファイルとは別に、当社は社長の指摘や決めたことを、AI のメモ(AI のメモリー)として 1 件ずつ残しています。4 月 20 日の時点で、メモの索引は 50 件を超えていました。同じことを書いたメモ、古くなったメモ、細かく分けすぎたメモが混ざっていました。
棚卸しは、AI にまとめる案と消す案を差分で出させ、私が見て承認してから整理する手順にしました。消してよいかを AI だけで決めさせないためです。
私が聞いたベクターデータベースは、たくさんの資料の中から、意味の近い文を探すための仕組みです(ベクターデータベース)。決まりを覚えさせるためには、要りませんでした。社内の資料に答えさせたいときは、質問に合う資料を探して AI に渡す仕組み(RAG)を使います。
AI に頼んだ言葉を記録に残す決まりは頼んだ言葉を記録に残す記事に、社員に向けた決まりを短くまとめる方法は社内の AI の決まりを A4 1 枚にまとめる記事に書きました。御社の AI に毎回読ませる決まりを、仕事に合わせて一緒に書く場合は、AI伴走支援の中で進めます。



