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コラム

生成 AI を使わない理由の 2 番目は「使い方がわからない」(情報通信白書)

この記事の要点

日本で生成 AI を使ったことがある人は 26.7% で、使わない理由は「必要ない」40.4% に次いで「使い方がわからない」38.6% でした。使ってみたい用途では「条件によっては利用を検討する」が最も多い答えでした。当社が経営者向けに開いた講座では、説明より先に、1 回手を動かして試してもらう組み立てにしました。

総務省の「令和 7 年版 情報通信白書」(2025 年 7 月)の個人の調査では、日本で生成 AI を使ったことがある人は 26.7% でした。使っていない人に理由を尋ねると、「自分の生活や業務に必要ない」が 40.4%、次いで「使い方がわからない」が 38.6% です。

使い方が分からない人が 4 割近くいます。当社が 2024 年に経営者向けに開いた ChatGPT の講座は、説明だけで終わらせず、参加した方が実際に頼んでみる時間(ハンズオン)を交えて組みました。

数字は白書の第Ⅰ部第 1 章第 2 節の図表から取り、図表の番号を添えました。

使ったことがある人は 26.7%、前の年度の約 3 倍

生成 AI を使ったことがある人の割合
日本(2024 年度の調査)
26.7% 前の年度は 9.1%
米国
68.8%
ドイツ
59.2%
中国
81.2%

出所: 総務省「令和 7 年版 情報通信白書」図表Ⅰ-1-2-7

日本は 1 年で 9.1% から 26.7% に増えましたが、ほかの 3 か国とはまだ差があります。

年代で分けると、差はさらにはっきりします(図表Ⅰ-1-2-8)。

年代 使ったことがある
20〜29 歳 44.7%
30〜39 歳 23.8%
40〜49 歳 29.6%
50〜59 歳 19.9%
60〜69 歳 15.5%

中小企業の社長に多い 50 代・60 代では、使ったことがある人は 2 割に届きません。

使わない理由は「必要ない」と「使い方がわからない」がほぼ並ぶ

文章を作る生成 AI を使っていない人に、使わない理由を尋ねた結果です(図表Ⅰ-1-2-9)。

使わない理由 割合
自分の生活や業務に必要ない 40.4%
使い方がわからない 38.6%
魅力的なサービスがない 18.3%
利用環境が整っていない 8.9%
費用が高額である 3.8%
情報漏えい、セキュリティ、安全性に不安がある 3.8%
品質に不安がある 3.7%
従来の文化や習慣を変えられない 1.7%

費用や安全への不安を理由にした人は、それぞれ 4% に届きません。上位の 2 つは、どちらも「自分の仕事のどこに使えるか」にかかわる答えだと読めます。

使ってみたい用途は「条件によっては」が多い

AI の利用の意向を、用途ごとに尋ねた調査もあります(図表Ⅰ-1-2-10)。仕事に近い 2 つの用途を抜き出しました。

用途 既に利用している ぜひ利用してみたい 条件によっては利用を検討する 利用には後ろ向き 利用したくない
調べものをする 12.8% 28.0% 35.0% 10.2% 14.1%
コンテンツの要約・翻訳をする 10.0% 19.8% 38.6% 13.8% 17.8%

どちらも「条件によっては利用を検討する」が最も多い答えです。白書は、どんな条件かまでは尋ねていません。それでも、使うかどうかを決めかねている人が最も多い、という数字です。

リスクの受け止め方の調査(図表Ⅰ-1-2-11)から、仕事で AI を使うときに関係の深い項目を抜き出しました。

リスク 非常にリスクだと感じる どちらかと言えばリスクだと感じる
悪意のあるものによって、AI を犯罪等に利用される可能性 37.6% 26.9%
実在する人物の精巧なフェイク映像や音声などを本物と思ってしまう可能性 32.1% 30.1%
質問に対する AI の回答が事実ではない可能性 30.7% 31.5%
AI 利用の際に入力した情報が第三者に漏れる可能性 28.8% 35.2%
オリジナルに類似したコンテンツが生成される可能性 23.9% 34.3%

回答が事実でない可能性を、どちらかと言えばも含めて 6 割の人がリスクと見ています。使い方を教えるときは、頼み方と同じ重さで、出てきた答えの確かめ方(ファクトチェック)を教える必要があります。

当社の経営者向けの講座では、最初に手を動かしてもらいました

当社は 2024 年 1 月に、経営者向けの非公開の講座を開きました。90 分ほどで、ChatGPT とは何か、生成 AI で何ができるか、使うときに気をつけること、実際に ChatGPT を使ってみる、の順に進めています。

2024 年 1 月の経営者向けの講座の流れ(約 90 分)
  1. 何かChatGPT と生成 AI が何をするものかを話す
  2. できること文章のほか、静止画から動画を作る AI や、自分の分身が話す AI も見せる
  3. 気をつけること使うときに気をつけることを話す
  4. 使ってみる頼み方を変えると答えがどう変わるかを、各自で試す
  5. 話し合う経営者どうしで、自社のどこに使えそうかを話す

手を動かす時間では、ChatGPT への頼み方(プロンプト)を変えると、答えがどう変わるかを試してもらいました。同じことを聞いても、頼み方で答えが変わる。これは、説明を聞くより自分で 1 回やってみる方が早く分かります。最後には、ライティング歴 30 年以上の方に、ChatGPT が書いた文章をその場で添削していただき、人と AI の分担について話していただきました。講座の様子は講座の報告のページに残っています。

2024 年 2 月 19 日には、一般の方向けの講座「いまさら聞けない ChatGPT」を、編集の仕事を長く続けてきた方と 2 人で開きました(受講料 3,000 円・税込、定員 20 名)。講座の案内は講座のページに残っています。

白書の「使い方がわからない」38.6% と、「条件によっては利用を検討する」の多さを見ると、使い方の分からなさは、手を動かす場を用意して埋めにいくものだと考えています。社内で広げるなら、最初の 1 回は、社員がふだん書いている文書や調べものを題材にします。

当社の AI秘書作成研修 では、秘書に任せたい仕事を 1 つ選び、御社の環境で一緒に作ります。手を動かす研修の進め方は、用語集のハンズオンにまとめました。

よくあるご質問

社長の世代は、生成 AI を使っていないのですか?
白書の年代別の数字では、使ったことがある人は 20 代で 44.7% でしたが、50 代は 19.9%、60 代は 15.5% でした。社長の年代ほど、使ったことがある人は少ない傾向です。
「必要ない」と答えた人には、どう伝えればよいですか?
白書の数字だけでは、必要ないと答えた理由までは分かりません。社内で勧めるなら、その人がふだん書いている文書や調べものを題材に 1 回試してもらい、使うかどうかを本人が決められるようにします。
AI の答えが事実と違うことは、どのくらい気にされていますか?
白書のリスクの受け止め方の調査では、「質問に対する AI の回答が事実でない可能性があること」を「非常にリスクだと感じる」と答えた人が 30.7% でした。最も多かったのは、悪意のある人が AI を犯罪に使う可能性(37.6%)です。

出典・参考にした資料

  1. 総務省「令和 7 年版 情報通信白書」
  2. 総務省「令和 7 年版 情報通信白書」データ集

この記事を書いた人

小野 隆士ドットシンク株式会社 代表取締役

システム開発会社の会社員、Web 制作の個人事業主、不動産営業、Web 制作会社の役員を経て、CRM 事業を軸にドットシンク株式会社を起業。自社の営業と事務の仕事に AI を使い、そのやり方を AI研修と AI伴走支援でお客様の会社に持ち込んでいます。デジタル庁 デジタル推進委員(2024 年 7 月任命)。

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