社員が使う AI の利用料は、使う人の数と、契約の形と、払い方の 3 つで決まります。当社がこれまで行ってきた研修では、研修の前に、使う人ごとに個人向けの有料プランを月払いで契約していただき、足りなければ上のプランに替える進め方をおすすめしてきました。古い資料をまとめて AI に読ませる最初の月は、いつもより使う量が増えることも、先にお伝えしてきました。
2026 年 8 月、建設会社様で AI研修を行う前の打ち合わせで、AI の契約について相談を受けました。研修では、社内に長年ためてきた案件の資料を AI に読ませ、過去の案件を探して答える仕組みを試作します(建設会社様の事例)。誰が、どの契約を、どう払うかを、研修の前に決めておく必要がありました。
利用料を決めるのは、人数と契約の形と払い方です
このとき決めたことを、表にまとめます。
| 決めること | 選べる形 | 当社がおすすめしたこと | 理由 |
|---|---|---|---|
| 誰に契約を持たせるか | 全員、使う人だけ | 研修に出る人ごとに 1 契約 | 研修で使う機能は有料のプランにしか無く、1 人ずつ手を動かすため |
| 契約の形 | 個人向けの有料プラン、会社でまとめて契約するプラン | 個人向けの有料プラン(Pro)から始める | すぐに始められ、研修のあとで替えられる |
| 払い方 | 月払い、年払い | 月払い | AI の道具は、各社の優劣が 1 年もたたずに入れ替わる |
個人向けの有料プランは、打ち合わせの時点で月 3,000 円程度でした。料金は変わることがあるので、申込みの画面に出る金額で確かめていただくよう、事前の案内に書いています。これまでの AI研修の料金にも、この利用料は入っていませんでした。今の AI基礎研修 は、私が画面で操作して見せる形のため、参加する方の契約は要りません。
年払いの方が安くても、まずは月払いで始めます
Anthropic の案内でも、年払いは 1 年分をまとめて払う代わりに、割り引いた料金になります。それでも当社が月払いをおすすめするのは、AI の道具の入れ替わりが早いからです。今いちばん合う道具が、半年後も同じとは限りません。
月払い
- 1 か月ごとに続けるかを決められる
- 合わなければ、翌月にほかの道具や上のプランへ替えられる
- 年払いより、1 か月あたりは高くなる
年払い
- 1 か月あたりは割安になる
- 1 年分をまとめて払う
- 途中でほかの道具に替えると、残りの分が無駄になりやすい
使い方が固まり、同じ道具を 1 年使うと決められたら、そこで年払いに替えます。最初の数か月を試す期間と考えれば、月払いの方が、合わなかったときの無駄が出にくくなります。
有料のプランにも、使える量の上限があります
有料のプランでも、使える量には上限があります。Anthropic の案内では、Pro の上限は会話の長さや添えたファイルの大きさで変わり、5 時間ごとに元に戻ります。別に、1 週間ごとの上限もあります。より多く使いたい人には、Max という上のプランがあります。
研修の前の打ち合わせでは、上限についても先にお伝えしました。最初に長年の案件の資料をまとめて AI に読ませると、月 3,000 円程度のプランでは、上限に当たるかもしれません。その分は、最初の 1 回だけかかる準備の費用と考えていただくようお話ししました。上限に当たったときの対処も、研修の中で説明することにしました。
- 研修の前参加する人ごとに、個人向けの有料プランを月払いで契約する
- 研修資料をまとめて読ませる。上限に当たったときの対処を確かめる
- 最初の月資料を読ませる量が多く、上限に当たりやすい
- 2 か月目以降毎月どのくらい上限に当たるかを見る
- 見直すいつも足りない人だけ上のプランに替える。使わない人は解約する
人ごとに契約しても、AI に読ませる決まりは 1 か所に置きます
契約は人ごとでも、AI の使い方まで人ごとにばらばらにしないようにしました。この会社様には、AI に読ませる設定のファイルを社内の共有のフォルダに 1 つ置き、全員がそこを読ませる形をおすすめしました。それぞれのパソコンで別々の AI を使うと、AI が覚えたことや指示が人ごとに分かれ、同じ質問でも答えがそろわないからです。
利用料の見積もりと一緒に、こうした「全員で同じ設定を使う」形も決めておくと、契約を人ごとに増やしても、会社としての使い方は 1 つにまとまります。毎回 AI に読ませる決まりを短く保つ方法は、決まりのファイルを短くした記事に書きました。
仕組みから AI を呼ぶ使い方は、別の料金です
Anthropic の案内では、Pro のプランには、ほかの仕組みから AI を呼び出す使い方(API)の料金は入っていません。API は、使った量に応じて払う別の料金です(従量課金)。たとえば、毎晩決まった時刻に、届いた問い合わせを AI に分類させるような仕組みを作るなら、人が画面で使う契約とは別に、API の料金を見込みます。量は、AI に読ませる文と書かせる文の長さ(トークン)で決まるので、1 回あたりの量と回数から見積もります。
業務で社内の資料やお客様の情報を AI に入れて使い続けるなら、入力した内容が学習に使われない法人向けのプランも比べます。当社の AI伴走支援では、入力した内容を学習に使わない法人向けのプランを使っていただき、その利用料は御社の負担としています。契約の前に確かめる項目は、AI の選び方と契約の記事にまとめました。
- AI を毎日使う人と、ときどき使う人を分けたか
- 研修や試作のために、一時的に契約する人はいるか
- 最初に大量の資料を読ませる予定があるか
- 払い方は月払いか。年払いに替える時期を決めたか
- 上限に当たったときに、誰が、どう判断するか
- 人が画面で使う契約とは別に、仕組みから AI を呼ぶ(API)予定があるか
- 会社の名義の契約か、社員個人の名義の契約か



