ネットワークの工事は、終わった日に何を受け取るかで、その後の管理のしやすさが決まります。受け取るのは 5 つです。直したあとの構成図、機器ごとの設定の情報、管理画面のアカウント、配線の行き先の一覧、工事の前と後に測った速さの記録です。
受け取ったら、その場でつないで確かめます。来客用の Wi-Fi から社内のパソコンが見えないか。会議室で途中で切れないか。不具合が出たときの連絡先と、対応してもらえる期間も確かめます。
引き渡しの日に受け取るもの
- 直したあとの構成図(機器の名前・置き場所・つながり)
- 配線の行き先の一覧と、配線に貼ったラベル
- 機器ごとの設定の情報(書き出したファイル)
- 管理画面に入るためのアカウントと、その渡し方
- 機器の型番・製造番号・保守の期限・ライセンスの期限の一覧
- 工事の前と後に、各場所で測った速さの記録
- 不具合が出たときの連絡先と、対応してもらえる期間
いちばん後回しにされやすいのは、管理画面のアカウントです。業者だけが入れる状態のまま引き渡されると、設定を変えるにも、ファームウェアを上げるにも、毎回業者を呼ぶことになります。業者が替われば、誰も入れない機器が残ります。アカウントは会社の手元に置き、置き場所はパスワードを置く場所と同じ決まりにします。
構成図 と 配線のラベル は、名前がそろっていることが大事です。図の上の「2F-事務所-03」と、現場の線のラベルが同じなら、止まったときに線をたどれます。
受け取ったら、その場でつないで確かめます
書類を受け取るだけでなく、その場で実際につないで確かめます。業者に立ち会ってもらえば、問題が見つかったときにその場で直せます。
| 確かめること | 確かめ方 |
|---|---|
| 各場所で、つながって速さが出るか | 会議室や奥の部屋で、有線と Wi-Fi の速さを測り、工事の前の記録と比べる |
| 来客用の Wi-Fi から社内が見えないか | 来客用につないで、社内のパソコン・共有フォルダ・複合機が見えないかを試す |
| 防御機器を通っているか | 社内の通信が、防御機器を通る位置につながっているかを構成図と見比べる |
| 管理画面に入れるか | 受け取ったアカウントで、会社のパソコンから入ってみる |
| 機器をまとめて見る画面 | 入れた場合は、つながっている機器が画面に全部出ているか |
管理の画面の使い方は、引き渡しのときに説明してもらいます。機器をまとめて管理する仕組み を入れた場合は、どの機器が止まったら、画面でどう見えるかまで聞いておきます。
引き渡しのあとの対応の期間と、連絡先を確かめます
工事が終わってから、しばらくして不具合が出ることがあります。無償で対応してもらえる期間と、連絡先と、連絡してから来てもらえるまでの目安を、引き渡しの前に確かめます。期間が過ぎたあとの保守を頼むなら、その契約も別に決めます。
検収 は、ここまで確かめてから行います。請求の時期が「工事が終わった月の末日締め」のように決まっている場合も、確かめ終わってから検収の書類に印を押す順番にします。
- 受け取る構成図・設定の情報・アカウント・期限の一覧・速さの記録を受け取る
- つないで確かめる各場所の速さ、来客用の Wi-Fi、防御機器のつながりを、立ち会いのもとで試す
- 使い方を聞く管理画面の見方と、止まったときの見え方を説明してもらう
- 期間を確かめる無償で対応してもらえる期間と、連絡先を確かめる
- 検収する確かめ終わってから、検収の書類に印を押す
見積もりの段階で、引き渡すものを書いてもらいます
引き渡しの日に「それは含まれていません」と言われないように、受け取るものは見積もりの段階で書いてもらいます。見積書に「工事一式」としか書かれていないときは、次の項目が含まれているかを聞きます。
| 聞くこと | 含まれていないと困ること |
|---|---|
| 直したあとの構成図を渡すか | 止まったときに、どこを見ればよいか分からない |
| 配線にラベルを付けるか | 図があっても、現場の線を見分けられない |
| 設定を書き出したファイルを渡すか | 機器が壊れたとき、元の設定に戻せない |
| 管理画面のアカウントを会社に渡すか | 設定を変えるたびに、業者を呼ぶことになる |
| 工事の前と後で速さを測るか | 直ったかどうかを、数字で確かめられない |
| 引き渡しのあとに、無償で対応する期間 | 不具合が出たときに、費用の話から始まる |
受け取ったあと、社内でしておくこと
受け取ったものは、置き場所を決めて保管します。構成図と設定のファイルは、パスワードと同じ扱いの場所に置きます。設定のファイルには、パスワードが含まれることがあるからです。
機器の型番・保守の期限・ライセンスの期限は、会社の期限の一覧に書き足します。工事の担当の業者と、その連絡先も書いておきます。数年後に機器を入れ替えるとき、誰が何をしたかが分かれば、調べ直す手間が減ります。
当社のネットワーク見える化で、引き渡しのときにお渡ししているもの
当社の ネットワーク見える化 では、引き渡しのときに、次のものをお渡しします。現状のネットワーク図、気になる点の一覧、直したあとの構成図と設定の情報です。配線には行き先のラベルを付けます。工事の前と後で、各場所の通信速度を測って記録します。来客用の Wi-Fi から社内のパソコンや共有フォルダが見えないことは、引き渡しの前に実際につないで確かめます。引き渡しの後 1 か月の不具合にも対応します。
工場のように、機械のネットワークを事務所と分ける場合の考え方は、工場のモデルケース にまとめています。どの業者に頼む場合も、引き渡しの日に受け取るものを、見積もりを頼む前に伝えておきます。そうすると、受け取るものの食い違いが減ります。



