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コラム

SSL 証明書の有効期間が短くなっても、期限切れでサイトを止めない方法

この記事の要点

2026 年 3 月 15 日から、サイトに使う SSL 証明書の有効期間の上限は 200 日になり、段階的に 47 日まで短くなります。年に 1 回、人が手で更新する運用は続けられません。サーバーの自動の更新を使い、更新が止まる原因と、止まったときの知らせの届き先を先に確かめておきます。

2026 年 3 月 15 日から、サイトに使う SSL 証明書 の有効期間の上限は 200 日になりました。これから段階的に短くなり、最後は 47 日になります。年に 1 回、担当の人が手で更新する運用は、もう続けられません。

やることは 2 つです。サーバーの自動の更新を使うこと。そして、自動の更新が止まったときに気づける形にしておくことです。

鍵の付いたノートパソコンのイラスト

2026 年 3 月 15 日から、有効期間の上限は 398 日から 200 日になりました

証明書の期間の上限は、ブラウザを作る会社と、証明書を出す会社が集まる団体(CA/Browser Forum)が決めています。2025 年に決まった予定では、次のように短くなります。

証明書を出した日 有効期間の上限
2026 年 3 月 14 日まで 398 日
2026 年 3 月 15 日から 2027 年 3 月 14 日まで 200 日
2027 年 3 月 15 日から 2029 年 3 月 14 日まで 100 日
2029 年 3 月 15 日以降(予定) 47 日

これは、無料の証明書にも有料の証明書にも同じようにかかる決まりです。47 日になれば、ひと月半ごとに更新が要ります。人が覚えておいて手で作業する前提では、どこかで抜けが出ます。

期限が切れると、警告の画面でお問い合わせのフォームまで届かなくなります

証明書が切れたサイトを開くと、ブラウザは安全でないという警告の画面を出します。警告を越えないと、ページは表示されません。サイトのファイルが消えたわけではなくても、見る人にとってはサイトが止まったのと同じです。

困るのは、切れたことに社内で気づきにくいことです。社内の人がふだんサイトを開くことは少なく、お客様から「開けない」と言われて初めて分かることがあります。

当社のサイトは、サーバー会社の無料の証明書を自動で更新しています

当社のサイトは、共有の レンタルサーバー に置いています。証明書は、そのサーバー会社が用意している無料の証明書です。期間は 90 日で、期限の 30 日前・25 日前・20 日前に、サーバー会社が自動で更新します。自動の更新に失敗したときは、メールで知らせが届きます。

サイトを置くときの当社の決まりは 2 つです。ドメインを追加したら、すぐに証明書を設定すること。そして、http で開いたときに https へ移るかを確かめることです。このサーバーでは、証明書を設定しただけでは https へ移りません。常時 SSL 化 の設定は別に要ります。

自動の更新が回る流れ
  1. 証明書を出すドメインを追加したら、すぐに証明書を設定する
  2. https に寄せるhttp で開いても https に移るよう、別の設定を入れる
  3. 期限の前に更新サーバー会社が、期限の 30 日前から自動で更新する
  4. 失敗を知らせる更新できなかったときは、登録したアドレスに知らせが届く
  5. 人が直す知らせを受けた人が原因を直し、管理画面から更新し直す

当社が使っている共有のレンタルサーバーの無料の証明書の場合

自動の更新が止まる原因は、ドメインの向き先とリダイレクトの設定です

自動の更新にも、止まる場合があります。サーバー会社の案内では、原因は主に 2 つです。

1 つは、ドメインの向き先が、そのサーバーを指していない場合です。ネームサーバー を別の会社に移したり、DNS の設定を書き換えたりすると、こうなることがあります。サーバー会社は、そのドメインを自分のところで使っていると確かめられず、証明書を出せません。

もう 1 つは、ドメインに別の場所へのリダイレクト(転送)を設定している場合です。サイトの引っ越しやキャンペーンで転送を入れたまま、忘れていることがあります。

どちらも、ふだんの表示は問題なく見えます。更新の時期が来て、初めて止まります。

知らせのメールが、誰にも読まれないアドレスに届いていないかを確かめます

自動の更新に失敗したときの知らせは、サーバーを契約したときのアドレスに届きます。そのアドレスが、辞めた担当者や、サイトを作った会社のものだと、知らせは誰にも読まれません。

自分で取った無料の証明書を使っている場合も、注意が要ります。Let's Encrypt は、期限が近いことを知らせるメールを、2025 年 6 月 4 日で終えました。以前はメールで気づけていた運用でも、今は知らせが来ません。

期限切れを防ぐために、1 枚の表にまとめること
  • サイトごとのドメイン名と、ドメインの更新の期限
  • 証明書を出している会社と、今の証明書の期限
  • 自動の更新を使っているか。使っていないなら、誰がいつ更新するか
  • 更新の失敗や期限の知らせが届くアドレスと、それを読む人
  • ドメインの向き先(ネームサーバー)がどこか
  • ドメインにリダイレクト(転送)を設定していないか
  • サーバーとドメインの支払いのカードの期限

最後の項目は、見落としがちです。サーバーやドメインの利用料を自動で払っているカードが切れると、更新の支払いが止まります。証明書の前に、ドメイン そのものを失うことがあります。

WordPress のサイトを引き継いだときも、この表から作ります。管理画面に入れても、証明書とドメインの知らせがどこに届いているかは、管理画面には出ません。期限と知らせの届き先を確かめるだけなら、社内で今日からできます。サイトが不正なアクセスを受けたときの調査と後片付けは、WordPress の被害復旧 でお受けしています。

よくあるご質問

有料の証明書なら、期間は短くなりませんか?
短くなります。有効期間の上限は、無料か有料かではなく、ブラウザの会社と証明書を出す会社で決めた共通の決まりです。有料の証明書でも、2026 年 3 月 15 日以降に出したものは 200 日が上限です。
証明書が切れると、どうなりますか?
サイトを開いた人のブラウザに、安全でないという警告の画面が出ます。警告を越えないと、ページもお問い合わせのフォームも見られません。サイトそのものは消えていなくても、見る人にとっては止まったのと同じです。
自動で更新されているかは、どこで確かめられますか?
ブラウザのアドレス欄の鍵の印から、証明書の有効期限を見られます。サーバー会社の管理画面でも、証明書ごとに期限や更新の状態を確かめられることが多いです。期限が 30 日を切っても延びていなければ、自動の更新が止まっていると考えて調べます。
サーバーを移すときは、どうすればよいですか?
ネームサーバーを切り替える前に、移り先で証明書を用意できるかを確かめます。当社が使っている共有のレンタルサーバーには、切り替えの前に、移る前のサーバーで認証して無料の証明書を設定する方法が用意されています。

出典・参考にした資料

  1. CA/Browser Forum「Baseline Requirements」6.3.2(証明書の有効期間の上限)
  2. CA/Browser Forum「Ballot SC081v3」
  3. Let's Encrypt「Ending Support for Expiration Notification Emails」
  4. Let's Encrypt「FAQ」(証明書の有効期間)
  5. エックスサーバー「無料独自SSL設定」(証明書の自動更新)

この記事を書いた人

小野 隆士ドットシンク株式会社 代表取締役

システム開発会社の会社員、Web 制作の個人事業主、不動産営業、Web 制作会社の役員を経て、CRM 事業を軸にドットシンク株式会社を起業。自社の営業と事務の仕事に AI を使い、そのやり方を AI研修と AI伴走支援でお客様の会社に持ち込んでいます。デジタル庁 デジタル推進委員(2024 年 7 月任命)。

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