新しく作ったサイトを本番のサーバーへ移すときは、ドメインの向き先を切り替える前に、表示を確かめます。使うのは、確かめる人のパソコンにある hosts ファイル です。ここに 2 行を足すと、そのパソコンだけが、新しいサーバーのサイトを開けるようになります。
表示・フォーム・リンクを確かめてから向き先を切り替え、確かめ終わったら 2 行を消します。当社が 2026 年 4 月に WordPress のサイトを移したときも、この手順で進めました。その前に、思わぬところで 1 日止まったことも書いておきます。
2026 年 4 月、テストの環境で作った WordPress を、お客様のサーバーへ移しました
お客様のサイトは、当社のテストの環境で WordPress を使って作っていました。公開するのは、お客様が契約しているレンタルサーバーです。
| 日 | したこと |
|---|---|
| 4 月 1 日 | お客様のサーバーの管理画面に入ろうとすると、確認コードを求められた。コードはお客様に届くため、電話をしたがつながらず、SMS でコードを教えていただくようお願いした |
| 4 月 2 日 | お客様のサーバーにサイトを置き終えた。お客様に、パソコンの hosts ファイルに 2 行を足して表示を確かめていただくようお願いした |
止まったのは、サイトの作業そのものではなく、サーバーに入るところでした。
サーバーの管理画面に入る確認コードは、お客様の手元に届きます
レンタルサーバーの管理画面には、パスワードのほかに、メールや SMS で届く確認コードを求めるものがあります。二要素認証 と呼ばれる仕組みで、パスワードが漏れても他人に入られにくくするためのものです。
確認コードは、契約した人のメールアドレスや電話に届きます。作業を頼まれた当社のところには届きません。お客様が会議中や外出中だと、コードを受け取れるまで作業が止まります。4 月 1 日は、まさにそうなりました。
サーバーで作業する日は、前もって次のことをお客様と決めておくと、ここで止まりません。
- 作業の日時と、その時間に確認コードを受け取れる方
- コードを伝えていただく方法(電話か、チャットか)
- 作業が終わったら、パスワードを変えるかどうか
確認コードの仕組みそのものは、外さない方がよい仕組みです。止まらないように、段取りの側で合わせます。
向き先を切り替える前に、hosts ファイルで新しいサーバーのサイトを開きます
ドメインの名前でサイトを開くと、パソコンはまず DNS に問い合わせて、どのサーバーを見ればよいかを調べます。向き先を切り替えるまでは、古いサーバーが返ってきます。
hosts ファイルは、その問い合わせより先に読まれる、パソコンの中の一覧です。ここに「このドメインは、この IP アドレス のサーバー」と書けば、そのパソコンだけが新しいサーバーを見ます。書くのは、wwwあり と wwwなし の 2 行です。
ふつうのパソコン
- DNS に問い合わせて、向き先を調べる
- 古いサーバーのサイトが表示される
- お客様や取引先は、切り替えまで今のサイトを見る
hosts ファイルに 2 行を書いたパソコン
- hosts ファイルを先に読む
- 新しいサーバーのサイトが表示される
- 確かめる人だけが、公開前のサイトを見られる
当社が使っているレンタルサーバーには、切り替えの前に表示を確かめるための専用の URL を出す機能もあります。ただ、WordPress のように、決まったアドレスでリンクを作るプログラムもあります。サーバー会社の案内では、そうしたサイトは、その URL では正しく確かめられないことがあります。その場合は hosts ファイルを使うよう案内されています。WordPress のサイトでは、最初から hosts ファイルを使います。
| 確かめ方 | 向いているサイト | 気をつけること |
|---|---|---|
| サーバー会社の確認用の URL | HTML だけで作ったサイト | WordPress などでは、リンクや転送のせいで正しく見えないことがある |
| hosts ファイル | WordPress など、プログラムで動くサイト | 書き換えたパソコンでしか見えない。確かめ終わったら消す |
確かめるのは、表示・フォーム・リンク・証明書の 4 つです
- トップと主なページが、崩れずに表示されるか
- 画像が欠けていないか
- お問い合わせのフォームから送って、届くか
- ページの中のリンクが、テストの環境のアドレスのまま残っていないか
- WordPress の管理画面に、新しいサーバーで入れるか
- https で開いたときに、証明書の警告が出ないか
WordPress は、サイトのアドレスを設定の中に持っています。テストの環境から移すと、ページの中のリンクや画像のアドレスが、テストの環境のまま残ることがあります。hosts ファイルで開いたとき、リンクを押してテストの環境に飛ばないかを見ます。
https の証明書も、切り替えの前に用意できます。当社が使っているレンタルサーバーには、向き先を切り替える前に、無料の SSL 証明書 を設定する方法があります。4 月 2 日にお客様にお願いしたのも、https のアドレスで開いて確かめていただく形でした。
確かめ終わったら hosts ファイルの 2 行を消し、それから向き先を切り替えます
表示を確かめたら、ネームサーバー や DNS の設定を切り替えます。切り替えが世界中に行き渡るまでには時間がかかるため、しばらくは古いサイトを見る人と新しいサイトを見る人が混ざります。
hosts ファイルの 2 行は、確かめ終わったら消します。残したままにすると、そのパソコンだけが、書いた IP アドレスを見続けます。あとでサーバーを移したときに、そのパソコンだけ古いサーバーを見ている、という迷子が起きます。
WordPress のサイトを移したあと、管理者の一覧に見覚えのない人を見つけたら、そこからは調査の話になります。WordPress の被害復旧 でお受けしています。



