業務の仕組みを公開する日は、作る途中で使った「試しのもの」を片付ける日でもあります。試しのデータに入っている最初のパスワードは、本番では使いません。試しのアカウントは本番から外します。試しのデータのメールアドレスは、実在しない例のアドレスにします。
そのうえで、http から https に移るか、ログインできるか、古い管理者のアドレスで入れないかを、実際に開いて確かめます。2026 年 7 月 17 日に、当社が作った e ラーニングの仕組みを公開した日も、この順番で進めました。
試しのデータの最初のパスワードは、本番では使いません
仕組みを作る途中では、動きを確かめるために、試しのデータを入れます。管理者や利用者のアカウントも、その中に最初から入っています。そのパスワードは、作る人のあいだで共有されています。
この日は、試しのデータの管理者のパスワードを、本番では使わない決まりにしました。本番に入れたあと、管理者のパスワードを乱数で作り直し、チャットや資料には書かずに、使う本人に個別に渡しています。管理者のアドレスも、試しのデータに入っていた見本のアドレスから、当社が管理するアドレスに変えました。変えたあと、古いアドレスではログインできないことも、実際に試して確かめています。
初期パスワード が問題になるのは、ルーターやカメラだけではありません。作る途中の仕組みも同じです。
試しのアカウントを外し、見本が要るなら会社のアドレスで作り直します
試しのデータには、動きを見るための利用者のアカウントも入っていました。これは本番では使わないので、使えない状態にしました。そのうえで、説明のための見本の利用者のアカウントを、当社が管理するドメインのアドレスで作り直しています。
公開に合わせて、試しのデータ に使うメールアドレスも見直しました。実在する会社のドメインのアドレスを試しのデータに使うと、何かの拍子に、その会社に知らせのメールが届いてしまうことがあります。そこで、例に使うために取っておかれている example.com のアドレスに置き換えました。example.com は、インターネットの決まり(RFC 2606)で、例のために使うドメインとされています。
作る途中
- 試しのデータに、覚えやすい初期パスワードの管理者がいる
- 動きを見るための利用者のアカウントがある
- 試しのデータのメールアドレスに、実在する会社のドメインが入っていることがある
公開した日
- 管理者のパスワードを乱数で作り直し、本人に個別に渡す
- 試しの利用者を外し、見本が要るなら会社のアドレスで作り直す
- 試しのデータのアドレスを、例のための example.com にする
- 古い管理者のアドレスでログインできないことを確かめる
本番の設定のファイルは、仕組みの本体とは別に置きます
本番の仕組みには、データベースのパスワードなどを書いた設定のファイルがあります。このファイルは、仕組みのプログラムと一緒に管理せず、本番のサーバーに別に置きました。サーバーの持ち主のアカウントしか読めない権限にしています。
仕組みの本体は、インターネットに公開するフォルダの外に置き、公開するフォルダには入口だけを置く作りです。共有のレンタルサーバーでこの作りにする理由は、共有のレンタルサーバーの記事 に書きました。
公開した日に、実際に開いて確かめたこと
画面を見るだけでなく、データが書き込まれる操作まで試します。この日に確かめたのは、次の 6 つです。
| 確かめたこと | 結果 |
|---|---|
| https のアドレスで開く | 表示された(200) |
| http のアドレスで開く | https のアドレスに移った(301) |
| ログインの画面から管理者でログインする | 管理の画面に移った |
| 管理の画面を開く | 表示された |
| 利用者を 1 人登録する | データベースに入ったことを確かめ、試したあとに外した |
| サーバーと仕組みのエラーの記録 | エラーなし |
数字は、サーバーが返す結果の番号(HTTP ステータスコード)です。http から https への転送は、常時 SSL 化 の設定が効いているかを見るためのものです。
- 試しのデータの初期パスワードを、本番で使っていないか
- 管理者のパスワードを乱数で作り直し、本人に個別に渡したか
- 試しの利用者のアカウントを外したか
- 試しのデータのアドレスが、実在する会社のものになっていないか
- 設定のファイルを、公開する場所の外に、持ち主だけが読める形で置いたか
- http から https に移るか
- ログインと、データが書き込まれる操作を試したか
- エラーの記録が空か
公開したあとの 1 週間に、見ておくこと
公開の日に確かめても、使い始めてから分かることがあります。最初の 1 週間は、次の点を見ます。
- エラーの記録が増えていないか
- 管理者の一覧に、作った覚えのないアカウントがないか
- ログインに何度も失敗している記録がないか
- 利用者からの「入れない」「表示がおかしい」という連絡
試しのアカウントを外し忘れていたことも、この時期に見つかりやすくなります。
当社の AI顧客管理マーケティングシステム構築 で、仕組みを御社のサーバーに入れる形でも、公開の前に確かめます。毎分の自動処理が動くことを確かめてから、お引き渡しします。公開の日は、作った仕組みと、作る途中のものを分ける日です。



