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コラム

5 年近く更新していなかった WordPress を、最新の版に上げた記録

この記事の要点

2026 年 2 月、2021 年 3 月の版のまま止まっていた WordPress を 6.9.1 に上げ、PHP を 7.4 から 8.3 に、MySQL を 5.7 から 8.0 に、プラグイン 19 件を最新にしました。上げた後、テーマ(見た目の部品)の 2 つのファイルで一覧のページが崩れ、直しています。お問い合わせフォームは、送って届くところまで確かめました。

2026 年 2 月、5 年近く更新されていなかった WordPress のサイトを、最新の版に上げました。本体は 2021 年 3 月に出た版のまま、PHP は 7.4、データベースの MySQL は 5.7 でした。これを、本体は 6.9.1、PHP は 8.3、MySQL は 8.0 に上げ、プラグイン 19 件も最新にしています。

上げた後に表示を確かめると、一覧のページが 2 つ崩れていました。原因は、サイトのために作られたテーマの 2 つのファイルです。直したうえで、お問い合わせフォームから実際に送って、届くところまで確かめました。この月から、毎月の保守をお受けしています。

上げる前と、上げた後

上げる前

  • WordPress 本体: 2021 年 3 月の版(5.7)
  • PHP: 7.4(2022 年 11 月にサポートが終わった版)
  • MySQL: 5.7
  • プラグイン 19 件が古い版のまま

上げた後

  • WordPress 本体: 6.9.1(2026 年 2 月 3 日に出た版)
  • PHP: 8.3
  • MySQL: 8.0
  • プラグイン 19 件を最新の版に
  • 崩れたテーマの 2 つのファイルを修正

本体は 2021 年の版、PHP はサポートの終わった 7.4 のままでした

最初の作業は、今の状態を確かめることでした。管理画面に入れるアカウントを確かめ、本体・PHP・データベース・プラグインの版を控えます。

本体は 5.7 で、2021 年 3 月 9 日に出た版です。そこから 5 年近く、大きな版の更新をしていなかったことになります。

もっと気になったのは PHP でした。PHP は、WordPress を動かしているプログラムの言葉です。7.4 は、2022 年 11 月 28 日にサポートが終わっています。WordPress の公式の推奨の環境のページも、7.4 でも動くとしたうえで、サポートの終わった版はサイトを脆弱性にさらすおそれがあると書いています。脆弱性 が見つかっても、もう直した版が出ない、ということです。

本体・PHP・データベース・プラグイン 19 件を、1 回の作業で上げました

上げたのは 4 つです。

対象 上げる前 上げた後
WordPress 本体 5.7 6.9.1
PHP 7.4 8.3
データベース(MySQL) 5.7 8.0
プラグイン 19 件が古い版 19 件とも最新の版

プラグインの開きは、とくに大きいものでした。19 件のうち、主なものの版を役目ごとに並べます。

プラグインの役目 上げる前 上げた後
お問い合わせフォームを作る 5.4 6.1.5
フォームに、条件で項目を出し分ける 2.4.15 2.6.8
記事に入力の項目を足す 5.9.5 6.7.0
画像を軽くする 6.0.3 8.3.1
表示を速くする(キャッシュ) 1.7.2 3.0.3
ログインを守る 1.5.2 1.7.9

画像を軽くするプラグインと、表示を速くするプラグインは、大きな版を 2 つまたいでいます。19 件の中には、サイトを作るときに動作を確かめたり、テーマを試したりするための道具のプラグインも入っていました。公開した後に使わないプラグインは、止めておくだけでなく、消すことも考えます。入っている限り、更新を見続ける対象が増えるからです。

WordPress の公式の手順は、大きな版を 2 つより多くまたぐときは、段階を踏んで上げることも考えるよう書いています。動いている状態のバックアップを必ず残し、いつでも戻れるようにしておくことも求めています。この件では、本体・PHP・データベース・プラグインを 1 回の作業でまとめて上げ、上げた後に表示とフォームを確かめました。

上げた後、テーマの 2 つのファイルで一覧のページが崩れました

環境を新しくしたことで、2 つのページに不具合が出ました。どちらも、記事や情報を一覧にして並べるページです。原因は、テーマ の中の、一覧を表示する 2 つのファイルでした。

WordPress の本体と、更新が続いているプラグインは、配る側が新しい PHP に合わせて直してくれます。サイトのために作られたテーマは違います。作った会社が直さない限り、作った当時の書き方のまま残ります。古いサイトを新しい環境に移したときに壊れやすいのは、この部分です。

この 2 つのファイルは、当社が中のプログラムを読み、新しい環境で動くように直しました。

最後に、お問い合わせフォームから実際に送って、届くところまで確かめました

表示が直っても、フォームが届かなければ、サイトの役目を果たしません。フォームのプラグインと、迷惑な送信を止めるプラグインは、どちらも今回の更新で版が大きく変わっています。

そこで、お問い合わせフォームに実際に入力して送り、受け取る側のメールに届くところまで確かめました。画面に「送信しました」と出ても、裏でメールが送られていないことがあるからです。

長く止まっていたサイトを引き継いだら、触る前に版とアカウントを控えます

何年も更新が止まっていたサイトを引き継いだら、触る前に、次の項目を控えます。

止まっていた WordPress を引き継いだら、触る前に控えること
  • 管理画面に入れるアカウントと、その中の管理者の一覧
  • WordPress 本体の版
  • PHP の版と、サーバーで選べる PHP の版
  • データベース(MySQL・MariaDB)の版
  • プラグインの一覧と、それぞれの版。止めたまま残っているものも含める
  • テーマが配布のものか、サイトのために作られたものか
  • お問い合わせフォームの送り先のメールアドレス
  • サーバーに残っているバックアップと、その日付

控えた版を見れば、どれだけ止まっていたかが分かります。PHP の版が古すぎると、サーバー側で PHP を上げないと、本体もプラグインも新しくできないことがあります。

管理者の一覧に、見覚えのないアカウントが並んでいたら、更新の前に止まります。それは更新の話ではなく、不正なアクセスを受けたかどうかを調べる話になるからです。入られた後の調査と後片付けは、WordPress の被害復旧 でお受けしています。

よくあるご質問

何年も前の版から、一度に最新まで上げても大丈夫ですか?
WordPress の公式の手順は、大きな版を 2 つより多くまたぐときは、段階を踏んで上げることも考えるよう書いています。どちらの進め方でも、動いている状態のバックアップを残しておくことが前提です。この件では 1 回の作業でまとめて上げ、上げた後に壊れたテーマの 2 か所を直しました。
更新が止まっているかどうかは、どこで分かりますか?
管理画面の「ダッシュボード」の「更新」で、本体とプラグインに新しい版があるかが分かります。PHP の版は、「ツール」の「サイトヘルス」の「情報」で見られます。PHP の版が古いと、本体やプラグインを上げられないことがあります。
テーマが壊れたら、作った会社に直してもらうしかありませんか?
サイトのために作ったテーマは、作った会社でなくても、中のプログラムを読めば直せます。この件の 2 か所も、当社が直しました。作った会社と連絡が取れるなら、どう作ったかを聞けると早く済みます。
更新の作業中、サイトは止まりますか?
本体やプラグインを入れ替えている間の短い時間は、メンテナンス中の表示になることがあります。サイトを見る人が少ない時間に作業すると、影響を小さくできます。

出典・参考にした資料

  1. WordPress.org「Releases」(版ごとの公開日)
  2. WordPress.org「Requirements」
  3. WordPress Developer Resources「Upgrading WordPress」
  4. PHP「Unsupported Branches」

この記事を書いた人

小野 隆士ドットシンク株式会社 代表取締役

システム開発会社の会社員、Web 制作の個人事業主、不動産営業、Web 制作会社の役員を経て、CRM 事業を軸にドットシンク株式会社を起業。自社の営業と事務の仕事に AI を使い、そのやり方を AI研修と AI伴走支援でお客様の会社に持ち込んでいます。デジタル庁 デジタル推進委員(2024 年 7 月任命)。

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