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コラム

会社のドメインの更新を忘れないための台帳と、切れたときに起きること

この記事の要点

ドメインごとに、登録者(名義)、有効期限と更新のしかた、支払いのカード、知らせが届くアドレス、設定を管理している場所を、1 枚の台帳に書いておきます。切れるとサイトとメールが止まります。手放した名前がほかの人に取られると、同じアドレスでなりすましのメールを送られるおそれがあります。

会社のドメインを切らさないためには、ドメインごとに、登録者(名義)、有効期限と更新のしかた、支払いのカード、知らせが届くアドレス、設定を管理している場所を、1 枚の台帳に書いておきます。期限が切れると、そのドメインのサイトとメールが止まります。手放した名前がほかの人に取られると、同じメールアドレスでなりすましのメールを送られるおそれもあります。

期限が切れたあとの流れは、ドメインの種類ごとに決まっています

.com のような gTLD は、ICANN の決まり(Expired Registration Recovery Policy)で、期限の前後の知らせと猶予が決められています。

.com などのドメインで、期限の前後に起きること(ICANN の決まり)
  1. 約 1 か月前登録している事業者から、登録者に期限の知らせが届く
  2. 約 1 週間前もう 1 回、知らせが届く
  3. 期限が切れる5 日以内に、更新の方法を書いた知らせがもう 1 回届く
  4. 止まる事業者がドメインの向き先を止める。サイトもメールも届かなくなる
  5. 削除のあと 30 日取り戻せる猶予。過ぎると、やがてほかの人が取れるようになる

事業者は、期限が切れたあといつでも削除できます。向き先を止める期間や手数料は、事業者の決まりも確かめます。

知らせは、登録者のアドレスに届きます。そのアドレスを誰も読んでいなければ、知らせは 3 回とも素通りします。

JP ドメインは、JPRS の決まりで、登録した日の 1 年後の月末が有効期限になり、廃止の申請が無ければ 1 年ずつ自動で更新されます。ただ、更新の手続きと料金の支払いは、ドメインを管理している事業者(指定事業者)を通して行います。JPRS も、事業者の更新の期限を過ぎて「意図せずドメイン名が廃止」になる場合を書いています。

種類 廃止されたあと 取り戻せる期間
example.jp のような汎用の JP ドメイン 1 か月のあいだ「廃止されている」状態になり、そのあと削除される 廃止された月の 1 日から 20 日まで
example.co.jp のような会社向けの JP ドメイン 6 か月のあいだ「廃止されている」状態になり、そのあと削除される 最初の月の 1 日から 20 日まで

取り戻すには、管理している事業者を通して登録回復を申請します。JPRS は、手数料が要ることが多く、扱いや受付の期間は事業者ごとに違う、と書いています。

手放した名前は、ほかの人が取れるようになります

JPRS は「ドメイン名の廃止に関する注意」で、廃止したドメインに起きうることを挙げています。

  • ほかのサイトからのリンクや検索の評価が残るため、関係のない人に取られ、詐欺のサイトなどに使われることがある
  • 同じメールアドレスを作られ、素性を偽ったメールに使われることがある
  • そのアドレスで登録していたほかのサービス(SNS のアカウントなど)のパスワードを初期化され、乗っ取られることがある

取られたあとで、使うのを止めさせることは、商標の侵害などが無いかぎりできない、とも書いています。だから、使わなくなったドメインもすぐには手放しません。ログインに使っていたアドレスを先に別のアドレスへ変え、取引先に知らせてから、手放す日を決めます。Search Console のヘルプも、ドメインを引っ越した後、古いドメインの料金を少なくとも 1 年は払い続けるよう勧めています。URL が変わるときの転送の決め方は、301 の転送の記事 に書いています。

台帳には、名義と支払いと知らせの届き先を書きます

書く欄 書く中身 欄が要る理由
ドメイン名と使い道 サイト、メール、サブドメインごとの用途 止まったときに、何が使えなくなるかが分かる
登録者(名義) 会社の名前になっているか 名義の人や会社のものとして扱われる
管理している事業者とログイン 事業者の名前、管理画面のアカウントの持ち主 更新も設定の変更も、ここからしかできない
有効期限と更新のしかた 期限の日、自動か手で更新するか 手で更新するなら、誰がいつするかを決める
支払い カードの名義と期限、請求書の宛先 カードの期限切れで、自動の更新が止まる
知らせの届き先 期限や更新の知らせが届くアドレスと、それを読む人 辞めた人のアドレスに届いていると、気づけない
設定の場所 DNS を書いているネームサーバー、メールの届け先(MX レコード) 引っ越しや業者の交代のときに、写すものが分かる

2026 年 8 月、結婚相談所のお客様のサイトづくりでは、当社がドメインを取る手続きを代わりに行いました。そのドメインのメールは Gmail で送り受けできるようにし、次の打ち合わせでスマートフォンにも設定することにしています。サイトを作るサービスの有料のプランは、公開のときに、お客様のクレジットカードを登録していただく段取りにしました。

代わりに取ってもらうときも、登録者はお客様の会社やお店にし、更新の知らせが届くアドレスも、お客様が読むアドレスにします。ドメイン は、登録の名義の人や会社のものとして扱われるからです。

サブドメインも 1 行ずつ書き、使わなくなったら設定ごと消します

当社も 2026 年 4 月に、業務の仕組みのために新しいドメインを 1 つ取り、使い道ごとに、ドメインそのものと 4 つのサブドメインに分けて、名前と使い道を表にしました。名前は、見て使い道が分かるものにしています。説明やよくある質問の置き場所は、最初の案の docs から help に変えました。

サブドメインは、外のサービスを使うために作ることもあります。期間限定のキャンペーンのページを外のサービスで公開するときに、サービスの側が指定する向き先を DNS に書く場合です。JPRS は、そのサービスをやめたあとも向き先の設定が残っていると(ダングリングレコード)、ほかの人にそのサブドメインを乗っ取られることがある、としています。サービスを解約するときは、DNS に書いた向き先も一緒に消します。

台帳を開くのは、更新の 1 か月前と、人や業者が替わるときです

台帳を開く日
  • 更新の期限の 1 か月前(.com などの最初の知らせが届くころ)
  • 支払いのカードを作り直したとき
  • 知らせの届き先の人が辞めるとき、担当が替わるとき
  • サイトやメールの業者を替えるとき
  • 外のサービスを始めたとき、やめたとき(サブドメインの向き先)
  • ドメインを使わなくなったとき(手放す前に、ログインのアドレスを変える)

業者を替えるときは、今の事業者から認証コード(AuthCode)を出してもらうところで時間がかかりがちです。順番は 制作会社からサイト・メール・ドメインを引き取る記事 に、SSL 証明書の期限と並べて控える方法は SSL 証明書の自動の更新の記事 に書いています。パソコンや機器のサポートの期限と同じ表にまとめたいときは、サポートが終わる日を 1 枚の表にまとめる記事 が使えます。

よくあるご質問

更新を自動にしておけば、期限が切れることはありませんか?
自動の更新でも止まることがあります。登録してあるクレジットカードの期限が切れていた、知らせが誰も読まないアドレスに届いていた、といった場合です。台帳には、更新のしかたと一緒に、支払いのカードの期限と知らせの届き先を書いておきます。
サイトを作った会社の名前で登録されているドメインは、どうすればよいですか?
登録者を自社に変えてもらうよう頼みます。管理する事業者ごと移すときは、今の事業者が発行する認証コード(AuthCode)が要ります。引き取る順番は、制作会社からサイト・メール・ドメインを引き取る記事に書いています。
使わなくなったドメインを手放す前に、何をしておきますか?
すぐには手放さず、そのドメインのメールアドレスでログインしているサービスを洗い出して、別のアドレスに変えます。JPRS は、手放した名前がほかの人に取られ、同じメールアドレスでなりすましに使われたり、そのアドレスで登録したサービスのパスワードを初期化されたりするおそれを挙げています。取引先にも知らせ、引っ越した後も少なくとも 1 年は更新を続けます。
期限が切れてしまったら、取り戻せますか?
期間内なら取り戻せることがあります。JP ドメインは、廃止から 20 日以内なら、管理している事業者を通して登録回復を申請できます(手数料がかかることが多く、扱いは事業者ごとに違います)。.com などは、期限が切れたあとの一定の期間と、削除のあとの 30 日の猶予があります。まず、管理している事業者に連絡します。

出典・参考にした資料

  1. JPRS「ドメイン名の廃止に関する注意」
  2. JPRS「JPドメイン名のライフサイクル」
  3. ICANN「Expired Registration Recovery Policy」
  4. JPRS 用語辞典「dangling records(ダングリングレコード)」
  5. Search Console ヘルプ「アドレス変更ツール」

この記事を書いた人

小野 隆士ドットシンク株式会社 代表取締役

システム開発会社の会社員、Web 制作の個人事業主、不動産営業、Web 制作会社の役員を経て、CRM 事業を軸にドットシンク株式会社を起業。自社の営業と事務の仕事に AI を使い、そのやり方を AI研修と AI伴走支援でお客様の会社に持ち込んでいます。デジタル庁 デジタル推進委員(2024 年 7 月任命)。

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