会社のドメインを切らさないためには、ドメインごとに、登録者(名義)、有効期限と更新のしかた、支払いのカード、知らせが届くアドレス、設定を管理している場所を、1 枚の台帳に書いておきます。期限が切れると、そのドメインのサイトとメールが止まります。手放した名前がほかの人に取られると、同じメールアドレスでなりすましのメールを送られるおそれもあります。
期限が切れたあとの流れは、ドメインの種類ごとに決まっています
.com のような gTLD は、ICANN の決まり(Expired Registration Recovery Policy)で、期限の前後の知らせと猶予が決められています。
- 約 1 か月前登録している事業者から、登録者に期限の知らせが届く
- 約 1 週間前もう 1 回、知らせが届く
- 期限が切れる5 日以内に、更新の方法を書いた知らせがもう 1 回届く
- 止まる事業者がドメインの向き先を止める。サイトもメールも届かなくなる
- 削除のあと 30 日取り戻せる猶予。過ぎると、やがてほかの人が取れるようになる
事業者は、期限が切れたあといつでも削除できます。向き先を止める期間や手数料は、事業者の決まりも確かめます。
知らせは、登録者のアドレスに届きます。そのアドレスを誰も読んでいなければ、知らせは 3 回とも素通りします。
JP ドメインは、JPRS の決まりで、登録した日の 1 年後の月末が有効期限になり、廃止の申請が無ければ 1 年ずつ自動で更新されます。ただ、更新の手続きと料金の支払いは、ドメインを管理している事業者(指定事業者)を通して行います。JPRS も、事業者の更新の期限を過ぎて「意図せずドメイン名が廃止」になる場合を書いています。
| 種類 | 廃止されたあと | 取り戻せる期間 |
|---|---|---|
| example.jp のような汎用の JP ドメイン | 1 か月のあいだ「廃止されている」状態になり、そのあと削除される | 廃止された月の 1 日から 20 日まで |
| example.co.jp のような会社向けの JP ドメイン | 6 か月のあいだ「廃止されている」状態になり、そのあと削除される | 最初の月の 1 日から 20 日まで |
取り戻すには、管理している事業者を通して登録回復を申請します。JPRS は、手数料が要ることが多く、扱いや受付の期間は事業者ごとに違う、と書いています。
手放した名前は、ほかの人が取れるようになります
JPRS は「ドメイン名の廃止に関する注意」で、廃止したドメインに起きうることを挙げています。
- ほかのサイトからのリンクや検索の評価が残るため、関係のない人に取られ、詐欺のサイトなどに使われることがある
- 同じメールアドレスを作られ、素性を偽ったメールに使われることがある
- そのアドレスで登録していたほかのサービス(SNS のアカウントなど)のパスワードを初期化され、乗っ取られることがある
取られたあとで、使うのを止めさせることは、商標の侵害などが無いかぎりできない、とも書いています。だから、使わなくなったドメインもすぐには手放しません。ログインに使っていたアドレスを先に別のアドレスへ変え、取引先に知らせてから、手放す日を決めます。Search Console のヘルプも、ドメインを引っ越した後、古いドメインの料金を少なくとも 1 年は払い続けるよう勧めています。URL が変わるときの転送の決め方は、301 の転送の記事 に書いています。
台帳には、名義と支払いと知らせの届き先を書きます
| 書く欄 | 書く中身 | 欄が要る理由 |
|---|---|---|
| ドメイン名と使い道 | サイト、メール、サブドメインごとの用途 | 止まったときに、何が使えなくなるかが分かる |
| 登録者(名義) | 会社の名前になっているか | 名義の人や会社のものとして扱われる |
| 管理している事業者とログイン | 事業者の名前、管理画面のアカウントの持ち主 | 更新も設定の変更も、ここからしかできない |
| 有効期限と更新のしかた | 期限の日、自動か手で更新するか | 手で更新するなら、誰がいつするかを決める |
| 支払い | カードの名義と期限、請求書の宛先 | カードの期限切れで、自動の更新が止まる |
| 知らせの届き先 | 期限や更新の知らせが届くアドレスと、それを読む人 | 辞めた人のアドレスに届いていると、気づけない |
| 設定の場所 | DNS を書いているネームサーバー、メールの届け先(MX レコード) | 引っ越しや業者の交代のときに、写すものが分かる |
2026 年 8 月、結婚相談所のお客様のサイトづくりでは、当社がドメインを取る手続きを代わりに行いました。そのドメインのメールは Gmail で送り受けできるようにし、次の打ち合わせでスマートフォンにも設定することにしています。サイトを作るサービスの有料のプランは、公開のときに、お客様のクレジットカードを登録していただく段取りにしました。
代わりに取ってもらうときも、登録者はお客様の会社やお店にし、更新の知らせが届くアドレスも、お客様が読むアドレスにします。ドメイン は、登録の名義の人や会社のものとして扱われるからです。
サブドメインも 1 行ずつ書き、使わなくなったら設定ごと消します
当社も 2026 年 4 月に、業務の仕組みのために新しいドメインを 1 つ取り、使い道ごとに、ドメインそのものと 4 つのサブドメインに分けて、名前と使い道を表にしました。名前は、見て使い道が分かるものにしています。説明やよくある質問の置き場所は、最初の案の docs から help に変えました。
サブドメインは、外のサービスを使うために作ることもあります。期間限定のキャンペーンのページを外のサービスで公開するときに、サービスの側が指定する向き先を DNS に書く場合です。JPRS は、そのサービスをやめたあとも向き先の設定が残っていると(ダングリングレコード)、ほかの人にそのサブドメインを乗っ取られることがある、としています。サービスを解約するときは、DNS に書いた向き先も一緒に消します。
台帳を開くのは、更新の 1 か月前と、人や業者が替わるときです
- 更新の期限の 1 か月前(.com などの最初の知らせが届くころ)
- 支払いのカードを作り直したとき
- 知らせの届き先の人が辞めるとき、担当が替わるとき
- サイトやメールの業者を替えるとき
- 外のサービスを始めたとき、やめたとき(サブドメインの向き先)
- ドメインを使わなくなったとき(手放す前に、ログインのアドレスを変える)
業者を替えるときは、今の事業者から認証コード(AuthCode)を出してもらうところで時間がかかりがちです。順番は 制作会社からサイト・メール・ドメインを引き取る記事 に、SSL 証明書の期限と並べて控える方法は SSL 証明書の自動の更新の記事 に書いています。パソコンや機器のサポートの期限と同じ表にまとめたいときは、サポートが終わる日を 1 枚の表にまとめる記事 が使えます。



