お客様の担当の方が替わるときは、これまでの経緯と成果を、後任の方が 1 回で読める記録にまとめて渡します。後任の方は、支援が始まった理由も、毎月の打ち合わせで何を決めてきたかも知りません。そのままにしておくと、続けるかどうかを、費用だけを見て判断されることになります。
2026 年 3 月 31 日、2 年続いた支援で、この引き継ぎをしました。お相手は、中小企業の IT の相談を受ける窓口を運営している団体様です。担当の方が 4 月に別の部署へ移られ、後任の方が 2 名つくことになりました。
支援は、Web サイトの保守の相談から始まりました
2024 年 6 月、担当の方から、団体の Web サイトの保守の相談をいただいたのが始まりです。サイトの不具合を直すうちに、「この窓口として何を達成したいか、そのためにサイトをどう使うか」という話に広がりました。
それからは、月に 1 回、対面で打ち合わせを続けてきました。目標を決め、記事やページを作り、催しを一緒に開き、結果を振り返る、の繰り返しです。毎月の打ち合わせは、定例会と呼ばれます。
引き継ぎの打ち合わせは、前任の方に経緯を話していただく形にしました
3 月 31 日の打ち合わせには、前任の方、後任の 2 名、私の 4 人が集まりました。議題は次の順にしています。
- 2 年間の成果始めたときと今を、同じ物差しで並べた表を見る
- 経緯前任の方から、当社と始めた理由と、話が広がった経緯を話していただく
- 進め方月 1 回の打ち合わせの場所と進め方を共有する
- 今年度今年度の結果を確かめる
- 来年度来年度の目標と、力を入れることを決める
- 次にすること最初の打ち合わせの日、連絡の道具、費用と契約の確認を決める
経緯を前任の方に話していただいたのは、同じ話でも、当社が話すより後任の方に伝わるからです。当社が話せば、どうしても続けてほしい側の説明に聞こえます。
成果の表は、2024 年 6 月と 2026 年 3 月を、同じ物差しで並べました。相談の件数、そのうち商談につながった件数と割合、会員の数、サイトの記事の数、AI の検索への対応です。物差しをそろえたのは、後任の方が、ご自分で前と今を比べられるようにするためです。数字はお客様のものなので、ここには載せません。
費用と契約の条件は、後任の方との最初の打ち合わせで決め直すことにしました
打ち合わせでは、支援を続ける方針で合意しました。後任のお 2 人も、事前に話し合ったうえで、続けたいと考えてくださっていました。
一方で、費用と契約の条件は、その場では決めませんでした。3 月末までの費用は、お支払いが済んでいました。4 月からの分は、後任の方との最初の打ち合わせ(キックオフ)で確かめることにしました。担当の方が替わるときは、続けていただく場合でも、条件を新しい担当の方と決め直す機会です。
次にすることは、担当と期限を付けて決めました(ネクストアクション)。
| 次にすること | 担当 | 期限 |
|---|---|---|
| 最初の打ち合わせを開く | 全員 | 4 月 24 日 |
| 後任の方を連絡のチャットに招く | 当社 | 最初の打ち合わせのとき |
| 4 月からの費用と契約の条件を確かめる | 当社と後任の方 | 最初の打ち合わせのとき |
| 相談の受付のフォームの項目を見直す | 当社と後任の方 | 最初の打ち合わせのあと |
| 4 月中に、提案の募集の記事を 3 本出す | 当社 | 4 月中 |
翌日、後任の方に、2 年分の支援の記録をお送りしました
4 月 1 日に、後任のお 2 人へメールで「支援実績レポート」をお送りしました。題は「支援実績レポート並びに今後のご支援のご提案」です。引き継ぎの記録であり、同時に、これからの支援の提案でもあるからです。
- 支援の経緯(どんな相談から始まり、どう広がったか)
- 2 年間の成果(始めたときと今を、同じ物差しで並べた表)
- 年度ごとにした主なこと
- 打ち合わせの進め方(頻度、場所、誰が出るか)
- サービスの中身と費用
- 次の年度の方針(目標と、力を入れること)
- 次にすること(日付と担当)
メールの本文は短くしました。書いたのは、次の順です。
- 引き継ぎの時間をいただいたお礼
- 前任の方と 2 年間取り組んだ内容を、記録にまとめたこと
- 記録に書いてあること(経緯、実績、費用、来年度の方針)
- 最初の打ち合わせでお会いするのを楽しみにしていること
記録の「したこと」の節は、年度ごとの表にしました
記録の 3 つ目の節は、年度ごとに、いつ何をしたかの表にしました。1 年目は、今の様子の分析と 5 年の道筋づくりから始めました。そのあと、相談の聞き取りの質を上げるシート、職員の方向けの動画、案内のページ、会員向けの仕組みと続きます。2 年目は、サービスの中身の取り決めと見積もりのご提示から始めました。年度の目標づくり、中間の振り返り、催しの開催、年度末の着地の確かめと続きます。
月ごとに並べたのは、後任の方が、ある月に何があったかを、前任の方に聞かずに追えるようにするためです。催しのように大きな出来事には、来場した方の数や、そこから生まれた引き合いの数も書きました。
「サービスの中身と費用」の節には、月々の費用の 2 つと、頼むたびに費用がかかる仕事の一覧を載せました。金額は、どちらも税別です。打ち合わせの進め方の節には、頻度、1 回の長さ、場所、連絡の道具を書いています。連絡の道具は、それまでのメッセンジャー中心から、業務のチャットに移すことにしました。
後任の方が知らないのは、数字より「なぜ」です
成果の数字は、表を見れば分かります。後任の方が知らないのは、なぜこの支援を始めたのか、なぜこの進め方なのか、のほうです。そこが伝わっていないと、数字が良くても、費用の見直しの候補に挙がりかねません。
そのため記録の最初の節は、成果ではなく経緯にしました。どんな相談から始まり、どこで話が広がったか。月 1 回の打ち合わせを、どこで、誰と、どう進めてきたか。後任の方が、前任の方に聞かなくても分かるように書いています。
成果を測る物差しは、KPI として、毎年の初めに目標を決めてきたものです。担当の方が替わっても、同じ物差しで続けて見られるように、記録には来年度の目標も同じ物差しで書きました。
月々の支援で、毎月数字を報告する形は、当社の AI伴走支援でも同じです。Web サイトの閲覧と問い合わせの記録を集めて見る仕組みは、AI顧客管理マーケティングシステム構築として用意しています。



