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コラム

月々の支援の契約を、基本契約と個別契約の 2 枚に分けて結んだ記録

この記事の要点

月々の支援の契約では、秘密の守り方や権利の帰属など共通の決まりを基本契約に書きます。仕事の範囲・時間の上限・期間・支払いの時期は、個別契約に書きます。仕事が変われば、個別契約だけを結び直せます。2026 年 4 月に契約を読み返すと、個別契約の期間が切れたあとも仕事が続いていました。

月々の支援の契約は、2 枚に分けて結びます。秘密の守り方や権利の帰属のように、どの仕事にも共通する決まりは基本契約に書きます。仕事の範囲、時間の上限、期間、支払いの時期は、仕事ごとの個別契約に書きます。仕事の中身が変わったら、個別契約だけを結び直せます。

2025 年に、研修とコーチングの会社様と、この形で契約を結びました。2026 年 4 月 12 日、その契約書と請求書を全部読み返して、一覧にまとめました。この記事では、2 枚の分け方と、読み返して見つけた抜けを書きます。

秘密保持の契約から始め、案をお互いに出し合って 3 日で結びました

結ぶまでの順番は、次のとおりです。

契約を結ぶまでの順番(2025 年)
  1. 4 月 2 日秘密保持契約を結ぶ。社内の資料を見せていただく前に
  2. 4 月 24 日当社から、基本契約と個別契約の案を出す
  3. 4 月 26 日お客様から、両方の案をいただく
  4. 4 月 27 日両方の案を見比べて直し、基本契約と個別契約を結ぶ
  5. 7 月 28 日仕事の中身が変わり、個別契約をもう 1 枚結ぶ

最初に結んだのは、秘密保持契約です。仕事の範囲を決めるには、社内の資料や数字を見せていただく必要があります。資料を受け取る前に、扱い方を決めておきました。

基本契約と個別契約の案は、当社が出した 2 日後に、お客様からもいただきました。お客様の側にも、使い慣れた形があります。両方を見比べて直し、その翌日に結んでいます。

基本契約には、仕事が変わっても同じ決まりを書きました

業務委託基本契約に書いたのは、次のような決まりです。

項目 書いたこと
期間 1 年。終わりの 2 か月前までに申し出がなければ、1 年ずつ延びる(自動更新)
支払い 個別契約に書いたとおりにする
成果物の権利 お客様のものにする
秘密の範囲 書面で秘密と示したもの、口頭で伝えて 10 日以内に書面で範囲を示したもの、個人の情報
ほかの会社への再委託 前もって書面で了承をいただいた場合だけ
解約 違反を直すよう求めて 10 日たっても直らないとき。倒産のおそれなどがあるときはすぐに。書面で期間を置いて申し出れば、理由なく解約もできる

権利をどちらのものにするかは、仕事によって話し合いになる項目です。この件の基本契約では、成果物の権利をすべてお客様のものにしています。

個別契約には、範囲・時間の上限・期間・支払いを書きました

個別契約は、仕事の中身ごとに結びます。この件では、2025 年に 2 枚結びました。

項目 1 枚目(4 月、業務の改善) 2 枚目(7 月、仕組みの運用の支え)
仕事の中身 月 2 回のオンラインの打ち合わせと、改善の作業 分からないことへの回答、仕組みの設定、記事の更新、アンケートの分析
打ち合わせ 月 2 回、1 回 90 分まで 書いていない
作業の上限 月 16 時間 月 16 時間
上限を超えたとき 1 時間ごとに追加の費用 1 時間ごとに追加の費用
回答までの日数 書いていない 4 営業日以内
最初の期間 約 2 か月 約 3 か月
続けるときの単位 3 か月ごと 3 か月ごと
支払い 期間の分を、始めるときに前払い 期間の分を、始めるときに前払い

作業の上限を時間で書いたのは、相談の量が月によって変わるからです。上限を決めずに「月々の支援」とだけ書くと、どこまでが約束なのかが、お客様にも当社にも分かりません。

民法では、仕事の完成を約束する契約を請負、事務を任せる契約を準委任と呼び分けています。月々の支援は、出来上がりを約束するのではなく、時間の上限を決めて相談と作業を受ける形で書きました。どちらにあたるかは契約の中身で決まるので、結ぶ前に、何を約束するのかを書面で確かめておきます(準委任契約)。

読み返すと、2 枚目の期間が切れたあとも仕事が続いていました

2026 年 4 月 12 日、契約書のフォルダと請求書のフォルダを全部読み返し、一覧にまとめました。読み返して分かったのは、2 枚目の個別契約の期間が 2025 年 10 月末で終わっていたことです。

その後も、アンケートの分析や報告書づくりの仕事は続いていました。ところが、11 月からの個別契約の書面は、見つかりませんでした。口頭で続けることに合意していたのかもしれません。それでも、範囲と費用の根拠が書面に残っていない状態でした。

個別契約の期間の終わりに確かめること
  • 期間の終わりの日を、案件の一覧に書いておく
  • 終わりの 1 か月前に、続けるかどうかを伺う
  • 続けるなら、範囲と上限が今の仕事に合っているかを見直す
  • 次の個別契約を、期間が切れる前に結ぶ
  • 請求の時期が、個別契約の支払いの書き方と合っているかを見る

基本契約には、自動で延びる決まりを書いていました。一方で個別契約には「3 か月ごと」という単位だけで、延びるときの手続きは書いていませんでした。2 枚に分けるなら、2 枚目の期間の終わりも、別に追いかける必要があります。

一覧には「11 月からの契約の書類があるか、毎月の請求を出しているか」を、確かめることとして残しました。

契約の形は、仕事が変わるたびに見直す前提にします

基本契約と個別契約に分けておくと、仕事が変わったときに結び直すのは、1 枚で済みます。この件でも、7 月に仕事の中身が変わったとき、基本契約はそのままで、個別契約だけを足しました。

当社の AI伴走支援も、月 2 回の打ち合わせと、月 10 時間までの設定作業を月々の料金で受ける形です。含まれるものと含まれないものは、サービスのページに書いています。

よくあるご質問

基本契約と個別契約は、なぜ分けるのですか?
秘密の守り方や解約のしかたのような共通の決まりは、仕事が変わっても同じだからです。基本契約に 1 度書いておけば、仕事が変わったときは、範囲と費用を書いた個別契約だけを結び直せます。
契約書の案は、どちらが作りますか?
どちらでもかまいません。この件では、当社が案を出した 2 日後に、お客様からも案をいただきました。両方を見比べて直し、その翌日に結んでいます。
月々の支援の費用は、いつ払うのですか?
この件の個別契約では、期間の分を、仕事を始めるときに前払いでいただく形にしました。お振り込みは、契約を結んだ月の翌月末までです。
個別契約の期間が切れたら、どうなりますか?
次の個別契約を結ぶまで、仕事の範囲と費用の根拠が書面に残りません。この件では、期間が切れたあとも仕事が続いていて、2026 年 4 月に契約を読み返したときに気づきました。期間の終わりより前に、次の個別契約を出しておくのが安全です。

出典・参考にした資料

  1. e-Gov 法令検索「民法」(第 632 条 請負、第 643 条 委任、第 656 条 準委任)

この記事を書いた人

小野 隆士ドットシンク株式会社 代表取締役

システム開発会社の会社員、Web 制作の個人事業主、不動産営業、Web 制作会社の役員を経て、CRM 事業を軸にドットシンク株式会社を起業。自社の営業と事務の仕事に AI を使い、そのやり方を AI研修と AI伴走支援でお客様の会社に持ち込んでいます。デジタル庁 デジタル推進委員(2024 年 7 月任命)。

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