1 回の打ち合わせで出た話から提案を漏らさず拾うには、議事録の欄を 1 つずつ提案に置き換えます。使う欄は、宿題・決まったこと・課題の 3 つです。2026 年 5 月、プレス加工の会社様との打ち合わせの議事録を AI に読ませ、提案を 10 件拾いました。期限を言われた宿題を最優先にしました。前に出した提案書と重なるものは作り直しに回し、見積もりが要る 5 件を一式にまとめています。
この会社様とは、作業の指示や品質の記録を社内の業務のアプリに移す仕事を続けていました。5 月の打ち合わせで出た話は、7 つの分野にわたりました。材料の管理、アプリのログイン、営業と金型の仕事への AI、品質の規格の取得です。電力の計測とネットワーク、補助金の見積もり、品番の台帳の整備の話も出ています。
議事録は、元の文章にない日時を AI に埋めさせずに保存しました
5 月 13 日に、私が手元の議事録の文章を貼り付け、AI にお客様のフォルダへ保存させました。元の文章には日時と場所が書かれていませんでした。AI はそこを「記録の中に書かれていない」と書いて、空けたままにしました。出席者も、「発言の内容から推した」と注記して残しています。
ここを埋めさせないのは、議事録があとで見積もりや提案書の根拠になるからです。推した日付が議事録に残ると、何か月か後には事実のように読まれます。
拾った 10 件には、議事録の欄に合わせて 3 段の優先度を付けました
AI には、議事録の宿題・決まったこと・課題の欄から提案を拾わせ、次の基準で優先度を付けさせました。
| 優先度 | 基準 |
|---|---|
| 最優先 | 宿題の中で、「来週を目安に」「早急に」と期限を言われたもの |
| 優先 | 決まったことの中で、個別の見積もりを頼まれたもの。補助金の申請に要るもの |
| 継続 | 中長期で、並走しながら形を決めていくもの |
期限を言われた 4 件が、最優先に入りました。
| # | 提案 | 優先度 | 出し方 |
|---|---|---|---|
| 1 | 材料の伝票を撮って読み取り、作業指示の番号とつなぐ材料の管理のシステム | 最優先 | 見積もり |
| 2 | 補助金の申請に使う見積もり | 最優先 | 見積もり |
| 3 | 品質の規格の取得と運用、業務のアプリの改善、ネットワークの整備をまとめた月々の支援 | 優先 | 見積もり |
| 4 | 毎週の定例の打ち合わせに加わる月々の支援 | 優先 | 見積もり |
| 5 | 業務のアプリの不具合の直しと、画面の改善 | 最優先 | 支援の中で |
| 6 | 品番の台帳の整備の手伝い | 優先 | 支援の中で |
| 7 | 営業と金型の仕事への AI の手伝い | 継続 | 次回以降 |
| 8 | 経営の判断に関わる件(内容は伏せます) | 最優先 | 支援の中で |
| 9 | 電力の計測から二酸化炭素の排出量を出し、環境の規格につなぐ | 継続 | 次回以降 |
| 10 | ネットワークとセキュリティの見直し | 優先 | 見積もり |
この基準で並べると、こちらが大事だと思う順ではなく、お客様が口にした期限の順になります。次の打ち合わせで「頼んだものがまだ来ていない」という話になりにくい並びです。
前に出した提案書と突き合わせ、3 件は新しく作らずに作り直しました
この会社様には、4 月から 5 月にかけて、すでに 5 つの提案書と見積書をお出ししていました。電力の計測の提案書が 2 つの版、品質の規格の取得を手伝う提案書、材料の在庫のアプリの見積書と提案書です。
AI に、拾った 10 件とこの 5 つを突き合わせる表を作らせました。その結果、3 件は前の提案書を作り直す形にしました。材料の管理(1)は、在庫のアプリの提案書が土台です。月々の支援(3)は規格の取得の提案書、電力の計測(9)は前の電力の提案書を土台にしました。前にお出しした提案書を土台にして、議事録で増えた要件を書き足しています。在庫のアプリの要件を作る前に確かめた話は、鋼材の在庫のアプリの要件を読んで確かめた記録にあります。
見積もりが要るのは 10 件のうち 5 件でした
10 件すべてに見積書を付けたわけではありません。不具合の直し(5)、台帳の整備(6)、経営の判断に関わる件(8)は、月々の支援の中で進めます。見積もりは分けませんでした。営業と金型への AI(7)と環境の規格(9)は、見積もりをまだ出していません。形を決めるには、次の打ち合わせ以降の話し合いが要るからです。
残った 5 件の見積もりを、1 つの一式にまとめました。ネットワークの見直し(10)は、調べて図にし、直したあとの形を設計するところまでの見積もりです。機器を入れる工事は別に見積もると書き添えました。今の当社のサービスでは、ネットワーク見える化にあたる内容です。
- 材料の管理のシステムと補助金の申請用の見積もりは、同じ範囲の 2 つの形なので、両方は契約できない
- 2 つの月々の支援(3 と 4)は中身が重なるので、両方の契約はおすすめしない
- ネットワークの見直しは、調べて設計するところまで。機器と工事は別の見積もり
- 最小・おすすめ・広げた形の 3 つの組み合わせの例
2026 年 5 月 13 日にまとめた見積もりの一式から
同じものを 2 つの形で見積もると、並べて見たときに別のものに見えることがあります。両方を契約しないよう、見積もりの中にはっきり書いておきます。補助金を使う形と使わない形の書き分けは、補助金を使う前提の提案書の記事に書きました。
打ち合わせで出す順番も、一覧と一緒に決めました
10 件を一度に決めていただくことはしません。次の打ち合わせでは、次の順にお見せすることにしました。
- 全体の道筋10 件の優先度と期限を 1 枚の図で見せる
- 期限の近い 2 件材料の管理と、補助金の申請用の見積もり
- 次の見積もり2 つの月々の支援と、ネットワークの見直し
- 支援の中で先に不具合の直し、台帳の整備、経営の判断に関わる件
- 次回以降営業と金型への AI、環境の規格
1 枚目の全体の道筋は、10 件の優先度と期限を 1 枚に並べたロードマップの形にしました。このあと足した金型の管理のアプリの提案は、4 つの段階に分けて進める(段階導入)形で見積もっています。
決まっていないことは 8 つ、次の打ち合わせで伺う一覧にしました
議事録から拾えたのは、提案だけではありません。決まっていないことも 8 つありました。
- 規格の取得の目標の月
- 社内の監査と、経営者による見直しの順番
- まだ台帳にない品番の洗い出し方
- 経験の浅い方にも進み具合が分かる画面の出し方
- 材料の管理を補助金の対象に入れるか
- 電力を計る現場のパソコンをどこに置くか
- ネットワークを調べる範囲
- 経営の判断に関わる件の方針
これを、次の打ち合わせで伺う一覧にしました。
4 日後、お客様が書いた計画書を受け取り、提案を 2 件足しました
5 月 17 日、お客様から 2 つの文書をいただきました。金型の部門で AI をどう使っていくかの計画書と、金型の管理のアプリの仕様書です。どちらも、お客様が自分で書いたものです。
提案の一覧には 2 件を足し、見積もりの一式も作り直しました。足すときに決めたのは、お客様の計画書を書き換えないことです。当社が受け持つのは、計画を進める段取りと、社内の方に技術を移すこと、補助金の申請の手伝いです。計画の中身は、書いた方のものとして扱いました。足した提案と前の月々の支援で会議の時間が重なる部分は、両方を契約したときに月々の金額を下げる、と見積もりに書いています。
議事録を読んで提案を拾い、前の提案書と突き合わせる作業は、毎回同じ手順です。当社の AI伴走支援では、こうした決まった手順の作業を、月に 1 つずつ AI に任せる形にしていきます。



