撮影のように、当日にお客様の手が要る仕事の見積書には、金額のほかに、準備していただくことを時期つきで書きます。撮影の日に人がそろわない、片付いていない、という理由で撮れなければ、その日の段取りが全部やり直しになるからです。
制御盤を作る会社様から、会社のサイトの写真を撮り直したいというご相談をいただきました。見積書の日付は 2026 年 9 月 12 日です。撮り直す写真の候補の一覧と一緒に、9 月 14 日にお送りしました。この見積書は、金額の表より、準備していただくことと、撮り直して変わる点の方が長くなっています。
見積もりの前に、固定のページの写真を全部数えました
会社案内などの固定のページに載っている写真は、38 点でした。そのうち、撮り直す写真を 28 点に決めています。人物が 16 点、建物の外観・製品・手元が 12 点です。
ブログやお知らせの記事の写真は、撮り直しの対象から外しました。2021 年から 2024 年の活動の記録で、そのときの出来事を撮り直すことはできないからです。ロゴや図版、文字を画像にしたものも、写真ではないので外しています。
撮る写真は、1 点ずつ「撮影の香盤表」に並べました。香盤表は、撮影や舞台の世界で使われる段取りの表です。どのページのどの枠に入る写真か、何を写すか、何時ごろに撮るかを一覧にしました。
お客様には、撮るかどうかを 1 行ずつ選べる確認の表(Excel)もお渡ししました。左の端で「不要」を選ぶと、その行が灰色になる作りです。撮る写真を絞るかどうかは、この表を返していただいて決めます。
撮り直して変わる点は、今の写真と撮り直したあとの 2 列で書きました
撮り直しは、今の写真の何が困るかが見えないと、頼む理由が分かりにくい仕事です。そこで見積書には、今の写真と撮り直したあとを 2 列に並べた 6 行の表を付けました。この表があると、金額を読む前に、何のためのお金かが分かります。
撮り直す写真を選ぶときは、次の点を見ます。
- 撮った時期が古く、写っている人や様子が今と違わないか
- 画像が小さく、細かい画面で粗く見えないか
- 本文の中身と、写っている場面が合っているか
- 同じ写真を、別の欄でも使い回していないか
- 車や私物など、写したくない物が写り込んでいないか
- 写真の代わりに、地図の画面などの写しを使っていないか
- 写っている方に、サイトに載せることの同意をいただけるか
撮り直したあとの写真の大きさも、見積書に書きました。納める写真は長辺 2400px 以上、画面いっぱいに使う写真や背景の写真は 3840px 以上です。サイトの枠は、横長・縦長・正方形と形が違うので、枠ごとの縦横の比に合わせて切り出します。
準備していただくことは、7 つを時期つきで書きました
撮影の日に向けて、お客様に準備していただくことは次の 7 つです(お客様側の作業)。
- 写真をサイトに載せることについての、社員の方の同意(撮影の前まで)
- 社員の方全員が手を止められる時間(全員の集合写真 2 カットのため。撮影の時間割の中の 22 分)
- 代表の方のお時間(撮影の時間割の中の 8 分)
- 会社の取り組みを示す掲示物が残っているかの確認(撮影の前まで)
- 出荷の前の完成した製品の確保(出荷の予定との調整。撮影の日)
- 工場・事務所・外観の片付け(私物、車、要らない掲示物を動かす。撮影の日)
- 画面や図面に映すデータの選定(公開してよいもの。撮影の日)
社員の方の同意を 1 つ目にしたのは、人物の写真では、ここが欠けると載せられないからです。全員が手を止める時間と、代表の方の時間は、撮影の時間割の中の何時何分からかまで書きました。製品の確保は、出荷の予定と重なると撮れないので、お客様の側で調整していただく項目です。
7 つ目の「画面や図面に映すデータ」は、見落とされやすい項目です。作業の場面を撮ると、パソコンの画面や図面が写ります。そこに取引先の名前や、公開したくない図面が映っていれば、写真ごと使えなくなります。
見積もりの行は 3 つにし、進行の管理を別の行にしました
行ごとの中身は、次のとおりです。
| 行 | 中身 |
|---|---|
| 撮影と仕上げ | 28 カットの撮影、写真の選定、色の補正、枠ごとの比に合わせた切り出し |
| サイトの写真の差し替え | 固定のページ 28 点の差し替え、作業の前の控えの取得、パソコン・タブレット・スマートフォンでの表示の確認 |
| 進行の管理 | 写真の棚卸し、香盤表と確認の表づくり、撮影の日の進行、差し替えたあとの確認 |
撮影の仕事には、カメラを構えている時間のほかに、前後の段取りがあります。38 点の棚卸しも、香盤表も、当日の進行も、写真 1 点ごとの値段には表れません。そこで、段取りの手間を進行管理費として、別の行に出しました。何にお金がかかっているかが、行で分かるようにするためです。
28 カットまでは、絞っていただいても金額を変えない形にしました
見積書には「28 カットまで一括」と書き、カット数を絞っていただいても金額は変わらないことを添えました。撮影の日の段取りや当日の進行の手間は、カットを減らしても大きくは変わりません。
金額が変わらなければ、お客様は「この写真は要らない」と、気兼ねなく外せます。外した分は、撮影の日の時間の余裕になります。
含まないものと、追加の費用がかからない場合も書きました
含まないものには、次を並べました。
- ブログ・お知らせの記事の写真の撮り直し
- ロゴや図版、文字の画像の作り直し
- サイトのデザインの変更、ページの新しい作成、文章の書き換え
- 掲示物の新しい作成と、撮影用の小道具の借り入れ
一方で、追加の費用がかからない場合も書いています。雨で延びたときは、日程を決め直すだけで費用はかかりません。全員の集合写真を近くの河原で撮る場合は、往復の 30 分ほど終わりの時間が延びますが、これも追加の費用はかかりません。
見積書で「かからないこと」を書いておくと、当日の判断が早くなります。外で撮るか、雨なら延ばすかを、その場で費用の心配をせずに決められます。含むものと含まないものの決め方は、用語集の対応範囲にもまとめています。
支払い・写真の保管・写真を使える範囲も見積書に書きました
お支払いは、差し替えを終えて確かめていただいたあとに、一度に請求する形です。請求書を出した翌月の末までにお支払いいただきます。確かめていただく(検収の)時期と支払いの時期をそろえる考え方は、支払いの時期と検収の記事に書きました。
撮影したデータは、撮影から 1 年間、当社で保管します。撮った写真は、会社様のサイトのほか、提案の資料や印刷物にも使える範囲にし、期間や媒体の制限は付けていません。作ったものを誰がどこまで使えるかは、あとで行き違いになりやすいので、見積もりの段階で書いておきます(成果物の権利)。
- 撮る写真を決める確認の表を返していただき、撮る写真を確定する
- 撮影人物と、外観・製品・手元を撮る
- 選んで仕上げる撮影から 1 週間で、選んで色を整え、確認用のデータを出す
- 確かめていただく3 営業日で、差し替える写真を決めていただく
- 差し替える確認から 1 週間で、サイトの写真を差し替えて表示を確かめる
見積書の有効期限は、発行日から 30 日としました。当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築の料金には、写真の撮影は含めていません。撮影が要るときは、この見積書のように、別に見積もってお出しします。



