顧客管理のソフトを乗り換えるときは、今のソフトの契約の更新日を期限にして、それまでに「やめられる状態」を作ります。更新すれば、次の契約の期間の費用がかかるからです。乗り換えの手順と段階は、最初の提案から書いておきます。
2026 年 6 月 11 日に、この形の提案の概要をお出ししました。ご相談は、木材の輸入と内装の建材を扱う会社様からでした。「今の顧客管理のソフトをやめて、営業が使える顧客管理が欲しい」というご相談です。今のソフトは、海外製の顧客管理のソフト(HubSpot)でした。
乗り換えは、取り出す・移す・並べて使う・解約する、の 4 つの手順です
最初の提案の概要に書いた手順は、次の 4 つです。
- 取り出す今のソフトから、お客様・会社・商談のデータを取り出す
- 整えて移す重なりや古い記録を整えてから、新しい仕組みに取り込む
- 並べて使うしばらくは両方を使い、運用が落ち着いたことを確かめる
- 解約する今のソフトの契約の更新に合わせて解約する
データを移すことは、データ移行と呼ばれます。取り出せる形と範囲は、今のソフトの契約や設定で変わるので、取り出す前に確かめます。表の形で取り出せれば、CSV の形で新しい仕組みに取り込めます。
「並べて使う」期間(並行稼働)を置くのは、乗り換えの途中で、データが失われたり、仕事が止まったりしないためです。新しい仕組みで日々の仕事が回ると確かめてから、今のソフトを解約します。
最初の段階のねらいは、更新日までに「やめられる状態」を作ることです
乗り換えは、一度に全部を作りません。提案の概要では、3 つの段階に分けました。
| 段階 | 中身 | ねらい |
|---|---|---|
| 1 | お客様と案件の管理、問い合わせとサンプルの依頼の管理、データの移行 | 今のソフトの契約の更新までに、やめられる状態を作る |
| 2 | 営業の活動の記録、広告とメールマガジンの効果が分かる画面 | 営業が使うことと、効果が見えることを形にする |
| 3 | メールマガジンのつなぎの拡充、通販の店とのつなぎ | 打ち合わせでのご要望に合わせて範囲を決める |
1 段目に入れたのは、今のソフトでしていることを、新しい仕組みで続けるのに要るものだけです。営業の活動の記録や広告の効果の画面は、やめられる状態を作ったあとの 2 段目にしました。2 段目まで終えてから解約しようとすると、更新日に間に合わず、両方の費用を払う期間が延びます。
乗り換えの前に、更新日とやめたい理由を伺います
提案の概要の最後には、正式な提案の前に伺いたいことを並べました。
- 今のソフトの契約の中身と、更新の時期
- 出している広告の種類と、見えるようにしたい数字
- メールマガジンの配信に使っている道具
- 通販の店のお客様の情報の扱い
- お客様を管理する単位(会社ごとか、物件や案件ごとか)
- ご希望の時期と、予算の目安
1 つ目の更新の時期が、乗り換えの期限を決めます。5 つ目の管理の単位は、データを移すときの作りを決めます。会社ごとに管理するか、物件ごとに管理するかで、取り出したデータの並べ方が変わるからです。
もう 1 つ、提案の前に必ず伺いたいのが、今のソフトをやめたい理由です。費用なのか、営業の方が入力しないのか、機能を使いこなせないのか。理由によって、新しい仕組みで大事にすることが変わります。初回の打ち合わせで伺えなかったことと、次に伺う質問は、初回の相談の記事にまとめました。
問い合わせとサンプルの依頼は、送ったあとの連絡まで 1 つの流れにしました
この会社様には、サンプルの依頼や資料の請求の問い合わせが日々届いていました。提案の概要では、Web のフォームや電話から届く問い合わせを 1 か所に集める形にしました。「受付、サンプルや資料の発送、その後のご連絡」を、段階で管理します。
乗り換えの 1 段目にこれを入れたのは、今の業務を止めずに移すためです。問い合わせの記録が新しい仕組みに移っていなければ、今のソフトはやめられません。
安全の面では、ログイン、社員ごとの権限、通信の暗号化、定期的な控えの保存を書きました。補助金を使える可能性にも触れましたが、対象や時期は、最新の公募の内容を確かめてからご案内すると書いています。
新しい仕組みでは、営業の方が毎日使えることを、いちばんの条件にします
ご相談の言葉は「営業が使える顧客管理」でした。今のソフトが使われなくなった理由が入力の手間なら、乗り換えても、同じことが起きます。
提案の概要では、営業の方が使えるようにするための作りを 4 つ書きました。
- 説明書を読まないと使えない機能は作らない
- 入力は選ぶ形にし、文章を書かなくても記録が残るようにする
- 外出先からスマートフォンで見て、記録できるようにする
- 要る項目は画面が順に確かめ、入れ忘れが起きないようにする
商談の記録は、画面の質問に選んで答えていく形にし、外出先から 1 件 30 秒以内で入れられることを目標にしました。サンプルを送ったあと、一定の期間連絡していないお客様は、自動で知らせる形も書いています。
乗り換えは、ソフトの比べ合いより、やめ方の段取りで決まります
乗り換えの相談では、どのソフトにするかの比べ合いに目が行きがちです。けれど困りやすいのは、データの取り出し、二重の入力の期間、更新日に間に合わないこと、の方です。だから最初の提案には、乗り換えの先より先に、やめ方の手順を書きました。道具を比べる資料に「今のまま」の案も並べた例は、LINE の配信ツールと顧客管理を比べた記事にあります。
担当者ごとに分かれていた顧客の記録をまとめた例は、不動産仲介の会社様の事例にあります。問い合わせから見込み客を記録し、メールで連絡を続ける仕組みは、当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築として用意しています。



