問い合わせの電話では、最初に 5 つのことを聞きます。どなたか、何に困っているか、いつまでに、今どうしているか、何で知ったか、です。この 5 つがそろえば、誰が折り返しても、話の続きから始められます。
小さな会社では、問い合わせの電話を、営業の担当でない人が受けることも多くあります。当社では、会社の電話をクラウドの電話のサービスで受け、営業時間(平日 9 時から 18 時)の着信は私の携帯電話に転送しています。打ち合わせや移動の途中で出られないことが多く、2026 年 4 月からは、すべての着信をメールで知らせる形にしました。仕組みは着信の通知の記事に書いています。
電話は、その場で話が終わらず、折り返しになることがあります。だから 5 つの最初は、折り返すための情報にしています。
最初に聞く 5 つは、この順番です
- どなたか(会社名、お名前、折り返す電話番号と、つながりやすい時間)
- 何に困っているか(相手の言葉のまま書き留める)
- いつまでに何とかしたいか(そのきっかけ)
- 今はどうしているか(使っている道具、誰がしているか)
- 何で当社を知ったか(紹介、検索、催しなど)
1 つ目は、話の途中で電話が切れても折り返せるように、最初に伺います。つながりやすい時間まで聞いておくと、折り返したのにつながらない、ということが減ります。
2 つ目は、相手の言葉のまま書き留めます。「パソコンが遅い」と言われたのを「ネットワークの不調」と書き換えると、相手の困りごとからずれていきます。言い換えや原因の見当は、あとで担当が考えます。
3 つ目の「いつまでに」と、その理由は、急ぎかどうかを分けるために聞きます。「来月の展示会までに」のように、期限にはきっかけがあることが多いです。
4 つ目の「今どうしているか」は、提案の前提になります。紙なのか、表計算なのか、別の会社のソフトなのか。誰がしているかも聞きます。
5 つ目の「何で知ったか」は、紹介なら、紹介してくださった方へのお礼の連絡につながります。検索なら、どのページを見たかを聞くきっかけになります。
金額と納期は、範囲が分からないうちは答えません
電話では、「だいたいいくらですか」「いつできますか」と聞かれることがよくあります。決まった料金のものなら、その料金を答えます。中身によって変わるものは、その場で数字を言いません。
範囲の分からないうちに口にした数字は、あとから変えにくいからです。相手の方は、その数字を覚えて社内に伝えます。正式な見積もりで数字が変わると、値上げのように受け取られます。
その場で答えること
- 決まった料金のもの
- 営業時間と、折り返す時間の目安
- 次に何をするか(見積もり、打ち合わせ)
その場で答えないこと
- 範囲の分からない仕事の金額
- 作業の日数や納期
- できるかどうかの約束(確かめる前)
答えない代わりに、折り返す日を約束します。「伺った内容で、明日の夕方までに目安をお知らせします」のように、いつ、何を返すかを言います。約束した日には、目安が出せなくても、出せない理由と次の日を連絡します。
書くより話したい方には、話していただく時間をこちらから取ります
問い合わせに限らず、メールより電話で話したい、という方もいらっしゃいます。2026 年 6 月、顧客の台帳を作る相談をしていたリフォームの会社様の社長は、昔のお客様の記録の Excel を送ったあとで、中身を電話で説明したいとおっしゃいました。
そこで、都合のよい時間を教えていただければ、私から折り返してお話を伺う、と決めました。同じことを、メールにも書く段取りにしています。
この日の電話は、決まったことと次にすることを、担当と期限つきで記録に残しました。Excel を送っていただくこと、届いたら私が折り返して説明を伺うこと、次の打ち合わせの日時と場所です。電話は、切った時点で何が決まったかがあいまいになりやすいので、記録の最後に「次にすること」の欄を作っています。
切ったら、聞いた言葉のまま記録に残し、その日のうちにメールで確かめます
電話を切ったら、すぐに記録に残します。お客様ごとの記録(CRM があればそこに)に、次の項目を書きます。
| 書く項目 | 書き方 |
|---|---|
| 日時と受けた人 | 誰が、いつ受けたか |
| 5 つの答え | 相手の言葉のまま。分からなかったところは「未確認」 |
| こちらが約束したこと | 何を、いつまでに返すか |
| 次にすること | 誰が、いつまでに |
| 確かめのメール | 送った日時 |
その日のうちに、確かめのメールを送ります。伺ったことを 3〜4 行にまとめ、折り返しの約束と、次にすることを書きます。電話の聞き間違いがあれば、このメールを読んだ相手の方が教えてくださいます。
紙のメモだけでは、担当が替わったときや、休んだときに残りません。個人の携帯電話の電話帳も同じです。電話や Web のフォームで届いた問い合わせを 1 件 1 行で並べる一覧の作り方は、問い合わせの一覧の記事にあります。
伺った連絡先を何に使うかも、決まりを確かめておきます
電話で伺ったお名前や電話番号は、個人情報です。個人情報保護法の第 21 条は、個人情報を取得したら、前もって利用目的を公表している場合を除き、利用目的を本人に知らせるか、公表することを求めています。取得の状況から利用目的が明らかな場合は、例外です。
個人情報保護委員会のよくある質問(Q4-17)は、申込みの中身の確認や結果の連絡に使う場合を、利用目的が明らかな例に挙げています。一方で、新しいサービスの案内に使うことは、明らかとは言えない場合がある、と注意しています。問い合わせに答えるためだけに使うなら、この例外にあたると考えられます。あとで案内を送るなら、その使い道をプライバシーポリシーなどで公表しておきます。
同じよくある質問(Q1-38)は、仕事で使う携帯電話の電話帳に名前と番号を登録していれば、会社の個人情報の台帳(個人情報データベース等)にあたると答えています。携帯の電話帳も会社の台帳と同じように扱うのなら、最初から会社の記録に残す方が、管理しやすくなります。
誰が受けても同じに聞けるよう、台本を 1 枚にして電話の横に置きます
受ける人によって聞くことが違うと、折り返す担当が、同じことを聞き直すことになります。最初に聞く 5 つと、その場で答えないことを 1 枚の紙にして、電話の横に置いておきます。話す順番を書いたこうした 1 枚は、トークスクリプトと呼ばれます。
電話を受けてから担当に渡すまでの最初の対応は、一次対応とも呼ばれます。聞いた内容を次の打ち合わせにつなげる項目の並べ方は、用語集のヒアリングシートにあります。少人数で問い合わせに応じる形は、インサイドセールスにまとめています。
電話やフォームで届いた問い合わせを、1 人ずつの記録にためる仕組みは、当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築として用意しています。電話や打ち合わせの記録も、閲覧や申込みの記録と同じカルテに時系列で残せます。



