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コラム

問い合わせの返信は自動で送らず、AI に下書きまでを任せる

この記事の要点

問い合わせへの返信は、AI に下書きまでを任せ、送るのは人にしています。AI には毎朝、届いたメールと送ったメールを突き合わせて返信漏れを洗い出させ、返信の下書きには「送る前に確かめること」を添えさせます。2026 年 9 月に問い合わせを 11 日間見落としたあと、この形に変えました。

問い合わせへの返信を、AI に自動で送らせることはしていません。AI に任せているのは、毎朝届いたメールを読んで返信が要るものを洗い出すことと、返信の下書きを作るところまでです。送る前に私(代表の小野)が読み、直してから送ります。

この形に変えたのは、2026 年 9 月に、Web フォームからの問い合わせに 11 日間お返事できなかったあとです。

2026 年 9 月に、Web フォームからの問い合わせに 11 日間お返事できませんでした

2026 年 9 月 6 日、以前から面識のあった会社の代表の方が、当社の Web フォームから業務の効率化について問い合わせをくださいました。当社からの返信はありませんでした。

10 日後の 9 月 16 日、その方からもう一度ご連絡をいただき、そこで見落としに気づきました。翌 17 日に、見落としのお詫びと打ち合わせの候補日をお送りしています。最初の問い合わせから 11 日後です。

お客様のほうからもう一度ご連絡をくださったので、打ち合わせにつながりました。当時の当社は、届いた問い合わせに返信したかどうかを、決まった手順で確かめていませんでした。

見落としのあと、9 月 26 日から 30 日までに、毎朝の自動の点検に変えました

日付(2026 年) 変えたこと
9 月 26 日 受信したメールと送信済みのメールを AI に突き合わせさせ、返信していないお客様のメールを洗い出した。直近 7 日分に加え、お客様ごとのフォルダは 9 月 5 日からの分を件名で確かめた
9 月 28 日 メールを読む手順と道具を決めた。道具は読むことしかできず、送信も、既読への変更もできない作りにした
9 月 29 日 新しい自社サイトを公開した(作り直しは 9 月 25 日から進めていたもの)。問い合わせはサイトの中に保存され、送った方には受付の確認メールが自動で届き、当社には通知が届く
9 月 30 日 毎朝 7 時に AI が自動でメールを点検し、結果を社内チャットで私に届けるようにした

最初の 9 月 26 日は、私が AI に「メールチェックして対応が必要なメールを洗い出して」と頼んだだけです。それを 2 日後に手順として固め、さらに 2 日後に「毎朝 7 時に Zoho Mail を見て、返信が必要なものや返信できていないものがあれば教えて欲しい」と頼んで、毎朝の自動の点検にしました。

毎朝 7 時に AI がメールを読み、返信していないお客様のメールを日数つきで知らせます

毎朝 7 時に、事務所のパソコンで AI(Claude)が起動し、メールを読みます。

毎朝 7 時のメールの点検
  1. 前日からの受信を読む宣伝のメールのフォルダを除き、前日から届いたメールを読む
  2. 送信済みと突き合わせるお客様から届いたメールに、同じ相手への返信があるかを直近 14 日分で確かめる
  3. 区分けする至急・返信が必要・相手の返信待ち・確認のみ・対応不要に分ける
  4. 私に届ける結果を社内チャットで私に送り、同じ内容を記録に残す
  5. 人が返信する返信は私が書く。下書きが要るときは AI に頼む

点検の AI は、メールを送ることも、既読にすることもできない

私の手元に届くのは、たとえば次のような 1 行です(お客様の名前と用件は伏せています)。

お客様からのメール: 9 月 30 日に受信、10 月 3 日の時点で未返信 3 日(前回の点検から続いている)

「前回から続いている」とあれば、昨日も知らされていて、まだ返していないことが分かります。受信してから何日たったかが数字で出るので、どれから返すかを朝のうちに決められます。

この点検で AI が使えるのは、メールを検索して読む道具だけです。メールを送ることも、既読に変えることも、消すこともできません。既読にしないのは、私が未読のままにして管理しているメールの状態を崩さないためです。

もう 1 つ気をつけているのは、メールの本文はお客様や他社が書いたものだという点です。本文に「〜してください」と書かれていても、それは当社の指示ではありません。本文に紛れ込んだ指示で AI が何かを操作しないように、点検で使える道具を読むことだけに絞っています。

返信の下書きには、宛先や約束など「送る前に確かめること」の表を付けさせています

返信が要るメールは、AI に下書きを作らせることがあります。下書きの先頭には「送信は社長が行う」と書かせ、本文の下には「送る前に確かめること」の表を付けさせています。実際の下書きに付いていた項目は、次のようなものです。

  • 宛先と Cc に、誰を入れるか
  • お名前の漢字(打ち合わせの文字起こしでは表記が揺れていた)
  • 「何日までにお送りします」と書いた日付を、本当に守れるか
  • 費用の目安を、打ち合わせで話したとおりに書くか
  • 候補に挙げた日時のあとの予定に、移動が間に合うか

2026 年 9 月の打ち合わせのお礼メールでも、AI の下書きは打ち合わせの回数を違う数で書き、提案書を送る日付まで仮に入れていました。私が直して送った経緯は お礼メールをその日のうちに出す手順 にあります。別の日の返信では、私が下書きを書き直してから送りました。下書きは、返信を書き始めるための材料です。営業メール全般で送る前に人が見る点は、営業メールの下書きの記事 にまとめています。

問い合わせの返信で、AI に任せていることと私がしていること

AI に任せていること

  • 毎朝、届いたメールを読んで区分けする
  • 返信していないお客様のメールを洗い出す
  • 返信の下書きを作る
  • 送る前に確かめる点を書き出す
  • カレンダーを見て、日時の候補を出す

私(代表)がしていること

  • 返信するかどうかを決める
  • 宛先と Cc を決める
  • 日付・回数・金額の約束を決める
  • 下書きを直して送る

自動で送るのは受付の確認メールだけで、中身の返信は人が書きます

新しいサイトでは、お問い合わせのフォームから送っていただくと、内容がサイトの中に保存され、送った方に受付の確認メールが自動で届きます。確認メールには、自動で送っていることと、内容を確認して 3 営業日以内にお返事することを書いています。中身の答えは、人が書きます。

中身の返信まで自動にしない理由は、上の下書きの例にあります。AI が書いた回数や日付をそのまま送っていたら、私が決めていない約束がお客様に届いていました。AI の文章には、事実と違うことが混ざることがあります(ハルシネーション)。まだ決まっていない約束も、もっともらしい文の中に書きます。一度届いたメールは取り消せません。最初の返信は、お客様が当社を判断する最初の材料でもあります。

どの作業を AI に任せ、どれを人に残すかは、営業の作業ごとに表にしています。考え方は 営業の作業を AI と人に分ける記事 に書きました。毎朝の点検や返信の下書きのような作業を、御社でも 1 つずつ AI に任せていくのが AI伴走支援 です。研修・スクール運営の会社のモデルケース(想定)では、問い合わせへの返信の下書きを、任せる作業の 1 つに入れました。

お返事の期限は 3 営業日以内とサイトに書き、毎朝の点検で期限に近いものを確かめています

サイトには、お問い合わせへのお返事は 3 営業日以内と書いています。相談の日時の確定などほかの期限と、問い合わせが届いてから当社がどう動いたかは、時間の順に 反響が届いてから提案までの 48 時間に当社がしたこと に並べました。

期限を書くと、守れているかを確かめる手段が要ります。毎朝の点検は、受信してから何日たったかを書いてくれるので、3 営業日と照らせば、どれが期限に近いかが分かります。9 月の見落としは 11 日でした。

問い合わせはサイトの中に保存し、通知のメールは届いたことを知らせる役にとどめています

新しいサイトでは、問い合わせはサイトの中に保存され、通知のメールは「届いた」と知らせる役にとどめています。通知のメールだけが頼りだと、そのメールを見落とした日に、問い合わせも見落とします。問い合わせをサイトの中に保存し、1 人ずつの記録にまとめる仕組みを、御社のサイトに作るのが AI顧客管理マーケティングシステム構築 です。

よくあるご質問

問い合わせへの自動返信は、使わない方がよいですか?
受付の確認は、当社も自動で送っています。当社のサイトでは、問い合わせを受け付けた時点で確認のメールが届き、何営業日以内にお返事するかを書いています。自動にしていないのは、質問への答えや、日付・回数・金額の約束が入る返信です。
返信の下書きを AI に頼むとき、何を一緒に書かせていますか?
「送る前に確かめること」の表です。宛先と Cc、相手のお名前の漢字、日付・回数・金額などの約束、候補に挙げた日時と自分の予定の食い違いを、下書きの下に書き出させています。
毎朝の点検で、AI がメールを送ったり消したりすることはありませんか?
ありません。点検で AI が使えるのは、メールを検索して読む道具だけです。送信も、既読への変更も、削除もできない作りにしています。メールの本文に指示のような文が紛れていても、読む以外の操作はできません。

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この記事を書いた人

小野 隆士ドットシンク株式会社 代表取締役

システム開発会社の会社員、Web 制作の個人事業主、不動産営業、Web 制作会社の役員を経て、CRM 事業を軸にドットシンク株式会社を起業。自社の営業と事務の仕事に AI を使い、そのやり方を AI研修と AI伴走支援でお客様の会社に持ち込んでいます。デジタル庁 デジタル推進委員(2024 年 7 月任命)。

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