提案書を出した次の打ち合わせの前には、準備のメモを 1 枚作ります。欄は 8 つです。その回の位置づけと決めたいことから始め、出そうな心配への答えとお願いする宿題を書き、終わったあとの動きで締めます。
2026 年 6 月 15 日、専門学校様とのネットワークの打ち合わせの前に作ったメモが残っています。6 月 9 日に改善の提案書をお出しし、学内のネットワークの今の様子を調べる仕事の見積もりもお渡しした、その次の回です。メモには、調べる仕事に入るかを決めていただく、と書いてありました。ところが、その日に何が決まったかを書いた議事録は作っていませんでした。
準備メモには 8 つの欄を置きました
| 欄 | 書くこと | 6 月 15 日のメモでは |
|---|---|---|
| この回の位置づけ | 前の回からの流れの中で、この回が何をする回か | 提案書を出した次の回。調べる仕事に入るかを決め、メールの整備の聞き取りを進める |
| 決めたいこと | この回の終わりに決まっていてほしいこと | 5 つ。そのうち 1 つを、その日の山場とした |
| こちらから出す確認 | 議題ごとに、こちらから伺うこと | 調べる建物の範囲、調べる日の候補、当日の立ち会いと鍵 |
| 出そうな心配と答え | 相手から出そうな心配と、答えの方針 | 3 つ(調べる仕事の費用、終わり方、日数) |
| お願いする宿題 | 相手の手元にしかない情報 | 古いアカウントの請求先、登録したときの担当の方、つながっている電話番号 |
| 深追いしない話題 | 出てもよいが、この回では広げない話 | 学びの仕組みや留学生向けの資料づくりなど、将来の話 |
| 持ち物 | 当日に手元に置くもの | 見積書と提案書の控え、アカウントを戻す手順、ドメインを調べたメモ、候補日の予定表 |
| 終わったあとの動き | 決まったら、すぐ何をするか | 調べる仕事に入るなら、日を決め、課題の管理表を作って進み具合を追い始める |
打ち合わせの議題の一覧は、アジェンダとも呼ばれます。準備メモは、その議題ごとに、こちらの段取りまで書き込んだものです。
決めたいことは 5 つにし、その日の山場を 1 つ決めました
6 月 15 日のメモの「決めたいこと」は、次の 5 つでした。
- 学内のネットワークの今の様子を調べる仕事に入るか
- 調べる日と、誰が行くか
- 教職員と学生へのメールの整備の前提(アカウントをいくつ配るか、今の使い方)
- 学校のドメインと古いアカウントの問題を、1 つ前に進める
- 次の次の打ち合わせの日
メモには、4 つ目がこの日の山場だと書いていました。以前の担当の方が作った Google のアカウントに入れず、消すことも、新しく作り直すこともできない状態でした。メールの整備は、この問題が片付かないと始められません。その日のうちに解決しなくても、試す手を 1 つ進めることを、この回のいちばんの目標に置きました。
山場を 1 つに決めておくと、ほかの議題が押したときに、どれを次回に回すかを迷わずに済みます。
出そうな心配には、答えの方針を先に書いておきます
提案書と見積もりをお渡しした次の回には、お金と時間の心配が出ます。メモには、出そうな心配と、それへの答えの方針を表にしていました。
| 出そうな心配 | 答えの方針 |
|---|---|
| 調べる仕事の費用は、何に対するものか | どこに何がつながっているかの図(ネットワーク構成図)を作り、課題を整理し、直す方針と次の工事の見積もりの前提をそろえるまで。これが無いと、次の工事の見積もりが正確に出せない |
| 調べるだけで終わらないか | 調べる仕事のゴールは、次に何をどこまでやるかを決める材料をそろえること。画面で見えるようにするかどうかも、調べたあとに一緒に決める |
| 何日かかり、どれだけ立ち会いが要るか | 最初の建物は 4 日かかった。ほかの建物も 1〜2 日では収まらないかもしれない。技術の担当が 1 人で動ける部分は 1 人で進め、費用を抑える |
答えの方針は、そのまま読み上げる台本ではありません。前の建物で 4 日かかった、という当社の記録を手元に置いておくためのものです。
相手の手元にしかない手がかりは、宿題としてお願いします
古いアカウントの問題は、当社が外から調べるだけでは進みませんでした。手がかりは、学校の手元にある書類と記憶の中にあります。メモの「お願いする宿題」には、次の 3 つを書いていました。
- 古いアカウントやドメインの費用を、どこに払っているか
- 申し込んだときの担当の方と、申込みの書類があるか
- 古いアカウントにつながっていそうな電話番号や、予備のメールアドレス
宿題は、決まったこととあわせて、誰がいつまでに何をするかの形で残します(ネクストアクション)。こちらの宿題も、同じ一覧に並べます。
深追いしない話題も、メモに書いておきます
学校様との話は、ネットワークの先にも広がります。授業の前に動画で学ぶ形の仕組みや、いくつもの言葉で答えるチャットの話です。留学生向けの資料を AI で作ることや、留学生の管理の仕組みの話も出ます。
メモには、これらの将来の話は会話の中で少しずつ出すにとどめ、深追いしない、と書いていました。この回のいちばんの目的は、調べる仕事に入るかを決めていただくことです。将来の話を広げると、決めていただきたいことの時間が減ります。
準備のメモはあっても、当日の結果の記録が残っていませんでした
メモには、決めたいことも、答えの方針も、終わったあとの動きも書いてありました。ところが、その日の打ち合わせで何が決まったかを書いた議事録は、作っていませんでした。
気づいたのは 7 月の末です。案件の課題を表にまとめていて、6 月 15 日の打ち合わせ以降の記録が無いと分かりました。調べる仕事に入ると決まった日も、その日に決まったことも、会話の中にしか残っていませんでした。
調べる仕事そのものは、6 月 15・16 日と 23・24 日に現地で行い、7 月の初めに報告を終えていました。その日付は、7 月 28 日の社内の打ち合わせの議事録で、ようやく記録に残りました。
残っていた
- 打ち合わせの前の準備メモ
- 決めたい 5 つのこと
- 出そうな心配への答えの方針
- お願いする宿題と持ち物
残っていなかった
- その日に決まったこと
- 調べる仕事に入ると決まった日
- お願いした宿題の答え
- 調べる仕事を現地で行った日
準備に手をかけた打ち合わせほど、終わったあとに安心して、記録を後回しにしやすいのかもしれません。準備メモの下に、その日の結果を書く欄を最初から作っておくべきでした。決めたい 5 つのことの横に、「決まった・持ち越し」を書く欄があれば、打ち合わせのすぐあとに埋められます。
7 月 28 日の社内の打ち合わせからは、録音を文字起こしして議事録にしています。
AI に任せたのは、前の記録を読んでメモの形に整えるところです
準備メモは、5 月の聞き取りの議事録と、6 月 9 日の提案の打ち合わせの議事録をもとに作りました。前の記録を読んで、欄ごとに書き出すところは AI に任せられます。どの議題を山場に置くか、どの話題を深追いしないかは、学校様とのこれまでのやり取りを知っている人が決めます。
最初の打ち合わせで伺うことの一覧は、初回の相談で用意した 19 の質問に書きました。この学校様のネットワークを調べて直した記録は、事例のページにあります。ネットワークを調べて図にし、直すところまでの仕事は、当社のネットワーク見える化です。



