名刺を交換した日のお礼のあとは、約束したものを翌日までに送り、話に出た困りごとに関わる情報を 1 つだけ送ります。1 週間たったら、次の打ち合わせを持ちかける理由があるかで、次の一歩を決めます。名刺は、交換した日がいちばん相手の記憶に残っていて、日がたつほど、こちらの印象は薄くなるからです。
当日のお礼の書き方は、お礼メールの記事にあります。ここでは、その翌日から 7 日目までを扱います。
当社は 2023 年 8 月に一人で会社を始めたときから、名刺と顧客の記録をためる場所として、顧客管理の仕組み(CRM)を使ってきました。経緯は名刺の管理を CRM に移した記録にあります。
1 週間を、日ごとに分けて考えます
名刺を交換してからの 1 週間でする、フォローアップの段取りです。
- 当日名刺を登録し、どこで会い、何を話したかを 1 行書く。お礼を送る
- 翌日まで話の中で約束したもの(資料、見積もり、人の紹介)を送る
- 2〜3 日目名刺の読み取りと、相手の会社の社名・部署を確かめ、記録を直す
- 3〜5 日目話に出た困りごとに関わる情報を 1 つだけ送る
- 7 日目次の打ち合わせを持ちかける理由があるかを決める
日ごとに分けておくのは、思い出したときに連絡する形だと、忙しい週ほど抜けるからです。当社も、Zoho の導入事例の取材を受けたころは、名刺に結び付けた作業の予定や、電話の履歴を残す機能を、まだ使い切れていないと話していました。道具の機能に頼る前に、何日目に何をするかを決めておけば、次の一歩が抜けにくくなります。
当日の登録で、話したことを 1 行だけ書いておきます
名刺の情報は、交換した日のうちに登録します。そのときに、名刺に書いていないことを 1 行足します。この 1 行が、1 週間後の判断の材料になります。
- どこで会ったか(会の名前と日付)
- 相手の方が話した困りごと(相手の言葉のまま)
- こちらが約束したこと(何を、いつまでに)
- 相手の方から頼まれたこと
- 次に連絡してよいか(相手の方がそう言ったか)
当社は、名刺を取り込むとき、交流会などの会ごとに CRM のキャンペーンを作り、その会で交換した名刺を結び付けています。たとえば「12 月例会」というキャンペーンにまとめておけば、あとで「あの会で会った方」として探せます。どの方といつ会ったかが、履歴として残ります。
2〜3 日目は、名刺の読み取りと社名を確かめる日です
名刺を機械で読み取ると、文字の読み違いが残ることがあります。当社が使っていたカードスキャナーも読み取りの誤りが多く、読み取った内容を AI(ChatGPT)に読ませて直していました。直したあとの社名や名前も、お客様に届くメールに入れる前に、いただいた名刺と照らします。
社名は、相手の会社のサイトに加えて、国税庁の法人番号公表サイトでも確かめられます。登録されている社名と、本店の所在地が分かります(法人番号)。名刺に書かれた社名が、屋号やグループの呼び名のこともあるからです。商談の前に、相手の会社を AI に調べさせて確かめる手順は、下調べの記事にあります。
同じ方の名刺を、別の会で 2 度受け取ることもあります。記録が重なったときにまとめる決まりは、名刺の記録の重なりの記事にあります。
3〜5 日目に送る情報は、売り込みではなく話の続きです
3〜5 日目に送るのは、話に出た困りごとに関わる情報を 1 つだけです。たとえば、相手の方が「事務所の Wi-Fi がよく切れる」と話していたなら、その原因の調べ方の記事を 1 つ送ります。自社の商品の案内を何本も並べるのとは違います。
送るかどうかは、当日に書いた 1 行で決めます。困りごとを伺っていなければ、送るものもありません。そのときは、無理に作らず、7 日目の判断に進みます。
7 日目に、次の一歩を決めます
1 週間たったら、相手の方とのこの先を決めます。決め方は、次の表のとおりです。
| 当日の 1 行に書いてあったこと | 次の一歩 |
|---|---|
| 相手の方から、相談したいと言われた | 打ち合わせの日の候補を 2〜3 つ送る |
| 困りごとを伺っていて、手伝えることがある | 1 度だけ、短く打ち合わせを持ちかける |
| 困りごとを伺っていない | 記録を残し、追いかけない |
| 定期の便りを送ってよいと言われた | メールマガジンの宛先に入れる |
「追いかけない」は、何もしないこととは違います。会の名前と 1 行の記録が残っていれば、半年後に相手の方から連絡が来たときに、どこで何を話したかから始められます。
送ってよい相手か、送るときに何を書くかは、法律で確かめます
広告や宣伝のメールは、原則として、受け取ることに同意した相手にしか送れません(特定電子メール法)。総務省の資料では、名刺などの書面でメールアドレスを知らせてくれた相手は、同意がなくても送れる例外に挙がっています。名刺の相手に送る場合も、送り手の名前や、受け取りを断る連絡先などを表示します。断られたあとは、送れません。
個人情報保護法の側からも、委員会のよくある質問(Q4-16)が、名刺交換の相手に自社の広告や宣伝のメールを送れるかに答えています。会社の人であることを明らかにして名刺を交換したなら、送られてくることを相手も予測できるので、利用目的が明らかな場合にあたる、という答えです。あわせて、特定電子メール法などほかの法律も守る必要がある、と書かれています。詳しい決まりは、営業リストと法律の記事にあります。
しない方がよいのは、理由のない「その後いかがですか」です
1 週間の段取りの中で、しない方がよいこともあります。
送る
- 約束した資料や見積もり
- 話に出た困りごとに関わる情報 1 つ
- 相談したいと言われたときの、日の候補
送らない
- 理由のない「その後いかがですか」
- 同じ案内の繰り返し
- 社名や部署を確かめていない宛名のメール
とくに最後の 1 つは、名刺の社名や部署を写し間違えたまま送ると、それだけで印象が下がります。2〜3 日目に確かめる日を置いているのは、そのためです。
名刺の読み取りからハガキを送るまでを顧客管理の仕組みでつないだ例は、事例のページにあります。名刺へのお礼と月 2 回のメールマガジンを当社が代わりに送る形が、営業外注化です。展示会の名刺へのお礼を代わりに送る場合の想定は、モデルケースに載せています。



