Web の問い合わせが月に何十件も届くなら、返事の仕方を整える前に、受けたあとの一覧を作ります。1 件 1 行で、受けた日、どこから来たか、担当、今の状態、次に連絡する日、結果を書きます。一覧があれば、返事が漏れたものを見つけられ、どの入口から取引が生まれたかを数えられます。
2026 年 7 月 31 日に、中古の産業機械の販売とレンタルをしている会社を訪ね、今後の支援について打ち合わせをしました。その中で、Web からの問い合わせが月に 70 件ほど来ている、という話になりました。受けたあとの一覧が無く、件数や状況が見えていないそうです。社内のやり取りを Microsoft Teams にまとめることも考えていて、問い合わせが来たら Teams に自動で知らせる方法も話に出ました。この日は今後の検討のテーマとして共有したところで終わっています。この記事は、そのときに話したことを、ほかの会社でも使える手順にまとめたものです。
一覧が無いと見えないこと
問い合わせは、届いた時点ではメールの受信箱に 1 通ずつ並ぶだけです。受信箱のままでは、次のことが分かりません。
- 誰が返事をする担当で、もう返事をしたのか
- 見積もりを出したまま、次の連絡を待っているものがどれか
- 月に何件のうち、何件が取引になったのか
- 取引になった問い合わせが、Web・電話・紹介のどこから来たのか
担当者の頭の中にはあっても、会社として数えられません。担当者が休んだ日や、辞めたあとに困ります。
1 行に書く項目
| 列 | 書くこと | 何に使うか |
|---|---|---|
| 受けた日時 | 問い合わせが届いた日時 | 返事までにかかった日数を数える |
| 経路 | Web のフォーム / 電話 / メール / 紹介 / 展示会 | 入口ごとの件数と、取引になった数を比べる |
| 会社名・お名前・連絡先 | フォームに書かれたとおり | 返事をする。あとで同じ会社の 2 件目と気づく |
| 用件 | 見積もり / 在庫の確認 / 修理・点検 / その他 など、会社に合わせて決める | 誰に回すかを決める |
| 担当 | 返事をする人の名前 | 誰も持っていない問い合わせを見つける |
| 状態 | 下の 5 つから選ぶ | 止まっている問い合わせを見つける |
| 次に連絡する日 | 次に電話やメールをする日 | 忘れないようにする |
| 結果と理由 | 取引になった / 見送り、と見送りの理由 | 断られた理由がたまると、直す所が分かる |
用件の分け方は、会社の仕事に合わせて決めます。上の例は、機械の販売とレンタルの会社を思い浮かべて書いたものです。
当社でも、社内の業務システムに、Web からの問い合わせと相談を 1 件ずつ管理する画面を 2026 年 6 月 25 日に足しました。1 件ごとに状態と担当を決め、対応のメモを書き足していく作りです。
状態は 5 つ前後に絞ります
- 新規届いたが、まだ担当が決まっていない
- 対応中担当が決まり、返事や確認をしている
- 見積もり中見積もりを出し、相手の返事を待っている
- 取引になった注文や契約につながった
- 見送り取引にならなかった。理由を書いて閉じる
状態を細かく分けるほど、どれに当てはまるかで迷い、更新されなくなります。迷ったら「対応中」にして、メモに詳しく書きます。見送りにするときは、理由を一言でも残します。価格、時期、在庫、返事が遅かった、のように理由がたまると、次に直す所が見えてきます。
チャットへの通知と、一覧の使い分け
問い合わせが来たら Teams などのチャットに知らせる方法は、気づくのを早くするのに役立ちます。ただ、チャットの中で返事の相談を始めると、対応の記録がチャットと一覧に分かれます。
チャットへの通知
- 問い合わせが届いたことを、すぐに全員に知らせる
- 「誰か見てください」の合図に使う
- 流れていくので、あとから探しにくい
問い合わせの一覧
- 1 件 1 行で、担当・状態・次に連絡する日を残す
- 対応のメモは、ここに書く
- 月ごと・経路ごとに数えられる
通知は「届いた」と知らせるだけにし、担当を決めたら一覧に名前を書く、という決まりにします。決まりが無いと、チャットで「見ます」と書いた人が担当なのか、一覧に名前のある人が担当なのかが分からなくなります。
フォームから一覧に自動で入る形にすれば、書き写す手間と書き間違いがなくなります。Web のフォームの中身が、そのまま 1 行になるからです。手で書き写す場合は、受けた日に書くと決めます。
週に 1 回、一覧を見ます
- 担当が空の問い合わせが無い
- 次に連絡する日が過ぎたものが無い
- 見積もり中のまま、長く止まっているものが無い
- 見送りに、理由が書いてある
- 経路ごとの件数と、取引になった数を数えた
最後の項目を続けると、入口ごとに、問い合わせのうち取引になった割合が分かります。この割合は、営業の KPI としても使えます。月に 70 件の問い合わせのうち、どの経路のものが取引につながっているかが分かれば、サイトのどのページやフォームに手をかけるかを決められます。一覧は、そのまま顧客管理(CRM)の入口にもなります。取引になった会社は、一覧から顧客の記録に移します。
届いた問い合わせが自動で 1 件 1 行になる形は、当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築で作っています。フォームと一覧が 1 つの仕組みにまとまります。問い合わせを見込み客として扱う考え方は、用語集のリードと SFA の項目にあります。



