一斉メールの仕組みを作る前に決めることは 5 つあります。どのアドレスから送るか、宛先のリストをどこから作るか、配信停止の人をどう外すか、届かなかったアドレスをどう扱うか、送る前に何を確かめるかです。このうち配信停止は、一度でも漏れると法律の決まりに反するので、人の注意に頼らず、仕組みで外す形にします。
2026 年 4 月 10 日に、私は社内で「メール配信システムを構築したい。」と頼みました。個別の営業メールと一斉配信の両方を送れて、顧客の記録とつながり、開封とクリックを数えられるものです。4 月 13 日までに、設計書と画面の見本を作りました。送る仕組みは、この時点ではまだ作っていません。この記事は、その設計で決めたことと、設計を点検し直して直した所の記録です。
決めたことの一覧
| 決めること | 当社の設計 |
|---|---|
| 送り元のアドレス | 個別のメールは担当者のアドレス、一斉配信は会社の共通のアドレス |
| 宛先のリスト | 顧客の記録から条件で選ぶ。外から受け取った一覧は CSV で取り込む |
| 配信停止 | どのメールにも停止のリンクを自動で入れる。停止した人は、リストを作るときに自動で外す |
| 届かなかったアドレス | 二度と届かないものと、一時的に届かなかったものを分ける |
| 送る前の確認 | 自分のアドレスへのテスト送信と、送り手の会社名・住所の設定の確認 |
| 数えるもの | 開封、クリック、届かなかった数、配信停止の数 |
個別のメールと一斉配信は、送り元のアドレスを分けました
商談中の相手に送る 1 通と、配信リストに送る案内は、同じメールの画面から送れても、性格が違います。送り元を分けておくと、一斉配信への返信や配信停止の連絡は会社の共通の窓口に届き、担当者の受信箱に散らばりません。
個別のメール
- 担当者のアドレスから送る
- 宛先は、商談や問い合わせの相手を 1 人ずつ選ぶ
- 文面は 1 通ずつ書く。ひな形と AI の下書きは使える
- 送ったメールは、その商談の記録に残る
一斉配信
- 会社の共通のアドレスから送る
- 宛先は、条件で選んだ配信リスト
- ひな形に、会社名やお名前を差し込んで送る
- 開封・クリック・配信停止を、配信ごとに数える
個別のメールには AI で下書きを作る機能も設計に入れましたが、送るのは人です。宛先を選び、送るボタンを押すまでを、AI には任せません。
宛先のリストは、顧客の記録と CSV の取り込みから作ります
宛先は、顧客の記録から業種・地域・最後に連絡した日・配信停止の状態などの条件で選び、選んだ時点の件数を画面に出す設計にしました。展示会などで集めた一覧は、CSV で取り込みます。取り込むときは、列ごとに「会社名」「お名前」「メールアドレス」のどれに当たるかを選びます。
一覧に入れてよい相手かどうかは、取り込む前に人が確かめます。広告や宣伝のメールは、原則として同意を得た相手にしか送れません。総務省の資料では、同意を受けた時期と方法などの記録を、アドレスごとに残すことになっています。ウェブのフォームで同意を得たときは、アドレスの一覧と、そのとき画面に出していた決まった文面を残す形でもよいとされています。保存は、最後にメールを送った日から 1 か月です。決まりの全体は、用語集の特定電子メール法にまとめています。
配信停止は、どの配信にも自動で効くようにしました
配信停止の扱いは、次の流れにしました。
- リンクどのメールの末尾にも、配信停止のリンクを自動で入れる
- 受け付けリンクが押されるか、配信のサービスから迷惑メールの報告が届いたら、その人を停止の一覧に入れる
- 除外次に配信リストを作るとき、停止の一覧の人を自動で外す
- 記録停止した日時と理由(本人の操作・迷惑メールの報告・届かない)を残す
人の手で停止を解除することもできますが、確認の画面を必ず通す設計にしました。総務省の資料では、受信を断る連絡を受けたあとは、広告や宣伝のメールを送ることが禁じられています。断る連絡を受けた記録は、あとで争いにならないよう残しておくよう勧められています。
広告や宣伝のメールには、載せることが決まっている項目もあります。送り手の名前や名称、受信を断れることとその連絡先、送り手の住所、苦情や問い合わせを受ける連絡先などです。設計では、会社名と住所を設定の画面に登録し、どのメールにも末尾に自動で入れる形にしました。
Gmail の送信者のガイドラインは、2024 年 2 月 1 日から、大量に送る送信者に新しい決まりを求めています。Gmail のアドレスに 1 日 5,000 件を超えて送るなら、ワンクリックで登録を解除できる仕組みが要ります。迷惑メールとして報告される率は、どの送信者も 0.3% 未満に保つよう求められています。当社の設計は 5,000 件以上の一斉配信を前提にしていたので、Gmail のアドレスにまとめて送る日は、この決まりに当たります。
届かなかったアドレスは、2 種類に分けました
宛先のアドレスが無いなどで届かなかったメールをバウンスメールと呼びます。最初の設計では、届かなかったアドレスに同じ印を 1 つ付けるだけでした。
設計を点検し直したところ、この形では、もう存在しないアドレスにも送り続けてしまうことが分かりました。届かないアドレスに送り続けると、配信のサービスでの送り手の評判が下がり、ほかの宛先にも届きにくくなります。そこで、二度と届かないものは、その時点で配信停止と同じ扱いにしました。受信箱がいっぱいなどで一時的に届かなかったものは、3 回続いたら同じ扱いにします。
点検で直した所は、ほかに 3 つありました
| 見つかったこと | 起きること | 直した形 |
|---|---|---|
| 5,000 件を、途中で止まることのある処理で一度に送る設計だった | 途中で止まると、送った分と送っていない分が分からなくなり、二重に送るか、送り漏れが出る | 少しずつ送り、送り終えた位置を記録する。止まったら、その位置から送り直す |
| 一斉配信を一時停止したあと、再開する手順が決まっていなかった | 再開の仕方が人によって変わる | 再開の手順を決め、再開する前に、配信停止の人をもう一度外す |
| 送り手の会社名と住所が空でも、送れる設計だった | 表示の決まりを守れないメールが出る | 空のときは、送信できないようにする |
どれも、送り始めてからでは直すのに手間がかかる所なので、作り始める前の 4 月 13 日に設計書を直しました。
送る前に確かめること
- 自分のアドレスにテスト送信し、パソコンとスマートフォンで表示を見た
- 会社名・住所・配信停止のリンクが、末尾に入っている
- 宛先の件数が、選んだ条件から考えておかしくない
- 配信停止の人と、届かないアドレスが外れている
- 差し込みのお名前や会社名が空の人に、おかしな宛名で届かない
- 件名だけを読んで、何のメールか分かる
- 送る日時と、送り元のアドレスが合っている
送った後は、開封とクリックの数より先に、配信停止と届かなかった数を見ます。配信停止が急に増えた回は、宛先の選び方か、送る間隔か、件名のどれかが読み手に合っていなかったと考えて、次の配信の前に見直します。メールの開封の数え方は、用語集の開封率にあります。メールマガジンの決まりはメールマガジンの項目にまとめています。フォームと見込み客の記録、メールの配信を 1 つのサイトの中に置く仕組みは、当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築で作っています。



