資料ダウンロードの案内の言葉は、資料を読んでから書きます。あたりまえのようですが、当社は一度これを外しました。2026 年 3 月に、名古屋で経営者向けの相談を仕事にしている会社のサイトの、資料ダウンロードの案内を直したときのことです。最初の案は、サイトの文章だけを材料に書き、資料のページ数を 12 と書いていました。届いた資料は 20 ページでした。
この記事では、元の案内、資料を読む前に書いた案、資料を読んでから直した案を順に並べます。案内に何を書けば読む人が資料を開くかと、書く前に資料のどこを確かめるかが分かります。
元の案内は、誰向けの何の資料かが分かりませんでした
サイトには、資料ダウンロードの案内の画像(バナー)が置かれていました。右側に代表の方の写真があり、左側の文字は次の 3 つでした。
| 部品 | 元の言葉 | 足りなかったこと |
|---|---|---|
| 見出し | ホワイトペーパーダウンロード | 何の資料かが分からない |
| 説明 | 会社が動き出すための秘訣を無料公開します。 | 誰に向けた資料か、読むと何が分かるかが書いていない |
| ボタン | ダウンロードはこちら | どの資料にも付けられる言葉で、押す理由にならない |
「ホワイトペーパー」という言葉だけでは、何の資料かが分かりません。見出しには、資料の中身を表す言葉を使います。言葉の意味は、用語集のホワイトペーパーにあります。
最初の案は、資料を読む前にサイトの文章から書きました
3 月 22 日の時点で、当社の手元にあったのはサイトの文章だけでした。サイトに書かれたお客様の困りごと、サービスの中身、代表の方の経歴から、案内の言葉を 4 つの型で書きました。
| 型 | 見出しの立て方 | ボタンの言葉の例 |
|---|---|---|
| 書いた人の経験を前に出す | 書いた人の経歴と、資料の中身を 1 文で | 資料を読む |
| 困りごとをそのまま見出しにする | 読む人が会議で口にしていそうな悩みを、そのまま見出しに | 3 つの原因を確かめる |
| 今のやり方を続けたときのことを書く | 施策を足し続けると何が起きるか | 判断の基準を確かめる |
| 読んだあとにできることを書く | 読むと、次の会議で何を決めればよいかが分かる | 次の会議の議題を決める |
勧めたのは、困りごとをそのまま見出しにする型です。読んだあとにできることを書く型は、比べる候補にしました。どちらも、ボタンの言葉を「押すと何が手に入るか」に替えています。
補足の小さな文字には、「全 12 ページ」「読むのにかかる時間は約 8 分」「相談の案内は最後のページに 1 枚だけ」と書きました。どれも、資料を読まずに書いた数字と約束です。
資料を読むと、ページの数も中身の呼び方も違っていました
同じ日に、資料の PDF を読みました。日付は 3 月 19 日で、全 20 ページでした。
読む前に書いた案
- 全 12 ページ
- 読むのにかかる時間は約 8 分
- 原因は 3 つの「詰まり」
- 中身はサイトのコラムと同じ話
資料に書いてあったこと
- 全 20 ページ
- 読むのにかかる時間は、確かめていない
- 3 つの「停滞の型」として書かれていた
- 3 社の実例と、表紙に社員の側から社長への一言があった
ページ数は、ボタンの横に書くと読む人がそのまま信じる数字です。案内と資料の数字が違えば、読む人はほかの言葉も疑ってかかります。読むのにかかる時間は、確かめた記録が無いので、直した案から外しました。
いちばん大きかったのは、資料の表紙の言葉です。社員の側から社長に向けた一言が、表紙に大きく書かれていました。表紙は、書き手がいちばん目立たせた言葉です。直した案では、この一言を見出しに使う形を勧めました。
直した案では、見出し・説明・ボタンを資料の言葉でそろえました
| 部品 | 直した案で書いたこと |
|---|---|
| 見出し | 表紙の一言を、案内の見出しにも使う |
| 説明 | 停滞の原因は人ではなく仕組みにある、という資料の主張と、3 社の実例から整理したこと |
| ボタン | 無料で読む(全 20 ページ) |
資料の呼び方(「停滞の型」)を、案内の言葉でも同じにしました。案内と資料で言葉が変わると、案内で読んだことが資料のどこにあるかを探しにくくなります。直した案は 3 つ書き、1 つを本番に、1 つを比べる候補に、1 つをコラムの終わりに置く案にしました。2 つの案を比べる方法は、用語集の A/B テストにまとめています。
案内の 4 つの部品に書くこと
- 見出し資料の中身を表す言葉。資料の表紙や最初のページの言葉を使う
- 説明誰に向けた資料か、読むと何が分かるか
- ボタン押すと何が手に入るか。ページ数を添えてもよい
- 補足ページ数、事例の数、営業の案内の位置など、資料を開けば確かめられること
ボタンの近くの小さな文字をマイクロコピーと呼びます。読む人が押すかどうか迷う所に置くので、ここには資料で確かめられることだけを書きます。資料と引き換えにメールアドレスなどを入れてもらうなら、そのあとにご案内のメールが届くことも、ここに書きます。
書く前に、資料のここを確かめます
- 全部で何ページあるか
- 表紙と最初の 3 ページで、書き手がいちばん伝えたいこと
- 中身の呼び方(原因・型・手順など)
- 事例が何件あり、業種と規模は書いてあるか
- 営業の案内が、どのページに何枚あるか
- 読み終えた人に、次に何をしてほしいと書いてあるか
資料と引き換えに残してもらう連絡先は、見込み客の記録になります。資料そのものを特典として渡す考え方は、用語集のリードマグネットに書きました。案内の画像の作り方はバナーの項目にあります。資料ダウンロードのフォームと見込み客の記録を 1 つの仕組みで作る場合は、当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築のページに中身を載せています。



