導入事例の取材では、会社の紹介、頼んだ理由、使い方、変わったこと、まだできていないこと、これからの順に聞きます。書き終えたら、原稿の 1 文ずつを、聞いた話と記録に照らします。どちらにも無い文は消します。そのうえで、お客様に原稿を見ていただいてから載せます。
この順番は、当社が取材を受けた側として読んだ記事と、作りかけのサイトで事例の下書きを直した記録から書いています。
当社が取材を受けた導入事例の記事は、8 つの質問でできていました
当社は、創業のころから使っている顧客管理のサービス Zoho CRM Plus の導入事例として、取材を受けました。記事は Zoho のサイトに載り、2025 年 3 月には当社の以前のサイトでも紹介しています。記事は、聞き手の質問と私の答えが交互に並ぶ形です。質問を順に並べると、次のようになります。
| 順 | 聞かれたこと | 読む方が知りたいこと |
|---|---|---|
| 1 | どんな会社か | 自分の会社と似ているか |
| 2 | ほかの道具と比べて選んだ決め手 | 比べた相手と、選んだ理由 |
| 3 | 特によく使っている機能 | 入れたあと、実際に何を使うのか |
| 4 | 入れて仕事の進め方がどう変わったか | 変わったことの中身 |
| 5 | 顧客の情報を、どの画面で扱っているか | 使い方の具体 |
| 6 | 入れて 1 年余りで、どう効いているか | 続けて使えているか |
| 7 | これからの使い方 | この先も付き合える相手か |
| 8 | 検討している方への言葉 | 迷っている自分への助言 |
記事の冒頭には、所在地、業種、従業員の数、取引の形、創業の年をまとめた枠がありました。読む方が、最初に自分の会社と比べるための枠です。
答えの中には、まだ使い切れていない機能の話もそのまま載りました。電話やタスクの履歴を残す機能は、データをためる段階だと話しています。取材で話した中身と、測った記録の有無については、名刺の管理を CRM に移した記事に書きました。
中小企業の事例なら、質問は 8 つあれば足ります
お客様を取材するときも、この順番が使えます。中小企業同士の取引の事例なら、私は次の 8 つにまとめます。
- 会社と仕事業種、従業員の規模、だれが何をしている会社か
- 困っていたこと頼む前の、具体的な場面と、そのとき困っていた人
- 頼んだ理由ほかに比べたもの、決めた人、決めた理由
- 一緒にしたこと期間、回数、御社と当社のそれぞれがしたこと
- 変わったこと測った記録があれば数字、なければ変わった場面
- まだできていないこと残っている課題と、その理由
- これから次にしたいこと
- 同じ悩みの会社へ迷っている会社に伝えたいこと
「変わったこと」を聞くときは、「測った記録はありますか」と一緒に聞きます。記録があれば数字を書けます。無ければ、誰が、いつ、何をするようになったかという場面を聞きます。取材の場で記録の有無を確かめておかないと、書く段階で数字を足したくなります。
「まだできていないこと」は、聞きにくい質問です。それでも、できたことだけが並んだ事例は、読む方が自分の会社に置き換えにくくなります。当社が取材を受けた記事にも、使い切れていない機能の話が残っています。
原稿は、聞いた話と記録だけで書きます
2026 年 6 月、作りかけていたサイトのために、顧客管理とメールの仕組みを入れたお客様の事例の下書きを用意していました。読み直すと、2 つの節に、そのお客様のところでは作っていない機能の説明が入っていました。顧客の状態を 1 画面にまとめる設計と、チャットで入力する仕組みです。どちらも、当社ができることの説明が、そのお客様のところでしたことのように並んでいました。6 月 28 日、そのお客様のところでの記録が無いことを私が確かめ、2 つの節を下書きから消しました。
下書きを書くのが人でも AI でも、聞いていない所を埋めようとすると、サービスの説明から言葉を借りてきます。サービスのページには「できること」が書いてあるので、事例の文に混ざっても不自然に見えません。だから、原稿は 1 文ずつ、取材のメモと案件の記録(一次情報)に照らします。短い感想だけを載せるお客様の声でも、同じ照らし方をします。
- 1 文ずつ、取材のメモか案件の記録のどちらかに出どころがある
- 数字には、測った記録がある(無ければ場面で書いている)
- 当社ができることの説明が、そのお客様のところでしたことになっていない
- お客様の言葉として載せる文は、取材で実際に話された言葉
- 社名・お名前・写真・数字を、載せてよいと了解をいただいた範囲だけにしている
- 題と最初の要約が、本文と食い違っていない
載せる許可は、社名・写真・数字ごとにいただきます
事例の取材の手引きを公開している才流は、受注の前の段階から事例への協力をお願いできるかを確かめておく手順を勧めています。取材の質問は前もって共有し、社内で編集を終えたら、必ずお客様に確認していただくとしています。
掲載の許可は、まとめて 1 回ではなく、項目ごとにいただきます。
- 社名を出すか、業種と規模だけにするか
- お名前と役職を出すか
- 写真(人・建物・ロゴ)を載せるか
- 数字を載せるか、どこまで載せるか
- 載せる場所(サイト、紹介資料、メールマガジン)
- 取り下げたくなったときの連絡先
社名を出せないときは、業種と従業員の規模で書きます。自分の会社に近いかを読む方が判断する手がかりは、社名より業種と規模です。原稿は、題と写真を入れて、公開と同じ形で見ていただきます。文章だけで確かめていただくと、題や写真の説明文の言い回しが確かめから漏れるからです。
事例のページと、事例を読んだ方からの相談の記録をサイトの中にまとめて残す仕組みは、当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築でも作っています。



