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コラム

メールの開封とクリックはどう数えるのか、数字をどこまで信じるか

この記事の要点

メールの開封は、本文に入れた小さな画像が読み込まれたときに数えます。クリックは、リンクを転送用の URL に置き換えて数えます。開封の数は、画像を表示しない設定では少なく、Apple のメールプライバシー保護では開いていないメールまで多めに出ます。判断には、クリックと返信・問い合わせの数を先に使います。

メールの「開封」は、本文に入れた小さな画像が読み込まれた回数です。「クリック」は、リンクを転送用の URL に置き換えて数えた回数です。どちらも、受け取った人が実際に読んだかどうかを直接数えているわけではありません。だから当社は、開封の数を目安にとどめ、クリックと、返信や問い合わせの数を先に見ます。

2026 年 4 月 18 日に、私は社内で「メールの一斉配信をする仕組みが欲しい」と頼みました。最初にできた要件の下書きでは、開封とクリックを数える機能は次の段階に回されていました。同じ日のうちに、私は「開封・未開封もわかり、クリックも取れるようにしたい」と頼み、最初から入れる形に変えてもらいました。この記事は、そのときに設計に入れた数え方と、数字をどう読むかの記録です。

開封とクリックは、こうやって数えます

開封とクリックの数え方

開封

  • 本文の終わりに、縦横 1 ピクセルの透明な画像を自動で入れる
  • 画像は送り手のサーバーに置き、受け取った人ごとに違う番号を付ける
  • 画像が読み込まれたら、その人の開封の日時と回数を記録する
  • 配信ごとに、開封した人の割合(開封率)を出す

クリック

  • 本文のリンクを、すべて送り手のサーバーを通る URL に置き換える
  • 押されたら、誰がどのリンクを押したかを記録する
  • 記録したあと、本来の行き先のページへすぐに転送する
  • 配信ごとに、クリックした人の割合と、リンクごとのクリック数を出す

開封を数える小さな画像を、用語集ではトラッキングピクセル、クリックの数え方をクリック計測としてまとめています。受け取った人から見ると、画像は見えず、リンクを押しても行き先のページがそのまま開きます。

開封の数が少なく出るとき、多く出るとき

開封の数は、受け取る側の設定で上にも下にもずれます。

ずれ方 起きること 理由
少なく出る 読んだのに開封と数えられない メールソフトで画像の表示を止めていると、小さな画像が読み込まれない
少なく出る 文字だけの形で読まれた 画像を表示しない形でメールを読むと、画像は読み込まれない
多く出る 開いていないのに開封と数えられる Apple のメールプライバシー保護を使う Mac では、メールを受け取った時点で画像などがまとめて読み込まれる
分からない 開いたかどうかを送り手が確かめられない Apple の説明では、メールプライバシー保護を使う iPhone の利用者について、送り手はメールが開かれたかどうかを確認できなくなる

Apple の説明では、メールプライバシー保護は、受け取った人の IP アドレスを送り手に隠します。Mac では、メッセージを表示したときではなく受け取ったときに、画像などをまとめて読み込みます。詳しくは用語集のメールプライバシー保護にまとめました。受け取る人に Apple のメールの利用者が多いと、開封率は実際より高く見えることがあります。

クリックの数は、開封の数より判断に使えます

Apple の説明では、メールプライバシー保護は、リンクやメールの添付ファイルには適用されません。リンクを押したことは、開封より確かな関心のしるしです。

ただし、クリックの数も、そのまま関心の強さではありません。同じ人が同じリンクを何度も押せば、回数はその分増えます。クリックの回数と、クリックした人の数を分けて見ます。どのリンクが押されたかを見ると、そのメールのどの話に関心が集まったかが分かります。

当社が数字を読む順番

メールの数字を読む順番
  1. 届いた数送った数から、届かなかった数と配信停止の数を引いて、実際に届いた数を見る
  2. 返信・問い合わせ返信、問い合わせ、相談の予約が何件あったか
  3. クリッククリックした人の数と、どのリンクが押されたか
  4. 開封同じ宛先の前の回と比べる目安として見る

最初の段の「届いた数」は、開封やクリックの割合を出すときの分母になります。宛先のアドレスが無いなどで届かなかったメールはバウンスメールと呼び、配信停止の数と一緒に、配信のたびに確かめます。届かないアドレスや配信停止の扱いをどう決めたかは、一斉メールの仕組みを設計した記事に書きました。

開封率は、同じ宛先に、同じ曜日・同じ時間帯に送った回どうしで比べるときに使います。宛先が変わった回や、受け取る人のメールソフトの事情が変わった回と比べても、数字の上下に意味はあまりありません。言葉の意味は、用語集の開封率にあります。

件名を比べるなら、同じ日に半分ずつ送ります

開封の数がいちばん役に立つのは、件名を比べるときです。開くかどうかは、件名と送り手の名前を見て決められるからです。同じ回の宛先を半分に分け、違う件名で同じ時刻に送れば、受け取る人のメールソフトの事情は両方に同じように混ざります。比べたい所を 1 つだけ変えて、2 つの案を同時に出す方法は、用語集の A/B テストにまとめています。

件名を比べたあとは、開封の多かった件名の回で、クリックや返信も多かったかを見ます。開かせるのがうまい件名でも、中身と合っていなければ、クリックにはつながりません。

記録することは、受け取る人に分かるように書きます

誰が開いたか、誰がどのリンクを押したかまで残すなら、それは受け取る人に関わる記録になります。記録すること、記録したものを何に使うかを、プライバシーポリシーなどに書いておきます。画像の表示を止めれば開封は記録されない、ということも書いておくと親切です。

開封とクリックを数え始める前に決めること
  • 誰が開いたかまで残すか、配信全体の割合だけを見るか
  • 記録することと使い道を、プライバシーポリシーに書いた
  • 開封率を比べる相手(同じ宛先の前の回)を決めた
  • クリックの回数と、クリックした人の数を分けて見る形にした
  • 返信と問い合わせの数を、開封やクリックと同じ表で見られるようにした

当社の営業外注化では、送信数・開封数・問い合わせ数を、毎月数字でご報告します。メールの配信と開封・クリックの記録を、見込み客の記録と同じ仕組みで扱う場合は、当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築のページに中身を載せています。

よくあるご質問

メールを開いたかどうかは、なぜ分かるのですか?
本文の中に、見えないほど小さな画像を入れておき、その画像が読み込まれたときに「開いた」と記録するからです。画像は送り手のサーバーに置いてあるので、読み込まれた日時が送り手の側に残ります。
開封率が急に上がりました。中身がよくなったのでしょうか?
そうとは限りません。Apple の「メールプライバシー保護」を使っている人には、Mac の場合、メールを受け取った時点で画像などがまとめて読み込まれます。開いていなくても開封と数えられることがあるので、開封率だけで中身の良し悪しを決めません。
クリックの数は信じてよいですか?
開封の数より、判断に使えます。Apple のメールプライバシー保護も、リンクには適用されないと説明されています。ただし、同じ人が何度も押せば回数は増えるので、クリックした人の数と回数を分けて見ます。
開封やクリックを記録することは、相手に伝える必要がありますか?
記録して何に使うかを、プライバシーポリシーなどで分かるように書いておきます。開封の日時やクリックしたリンクを、誰が何をしたかの記録として使うなら、なおさらです。

出典・参考にした資料

  1. Apple サポート「iPhoneでメールプライバシー保護を使用する」
  2. Apple サポート「Macのメールでメールプライバシー保護を使用する」

この記事を書いた人

小野 隆士ドットシンク株式会社 代表取締役

システム開発会社の会社員、Web 制作の個人事業主、不動産営業、Web 制作会社の役員を経て、CRM 事業を軸にドットシンク株式会社を起業。自社の営業と事務の仕事に AI を使い、そのやり方を AI研修と AI伴走支援でお客様の会社に持ち込んでいます。デジタル庁 デジタル推進委員(2024 年 7 月任命)。

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