フォームから送られた問い合わせは、まずサイトの中に保存し、そのあとで担当者へのメールや社内の仕組みに送ります。送れなかったときは担当者に知らせ、送った方には受け付けたことを伝えます。こうしておけば、メールの不具合や連携先の停止があっても、問い合わせは消えません。止まったときにも大事なものを失わない側に倒す、フェイルセーフの考え方です。
当社は 2026 年 6 月 29 日、作っていたサイトのフォームについて、3 つの案を比べてこの形を選びました。この記事では、そのときの比べ方と、自社のフォームが取りこぼしていないかを確かめる手順を書きます。
フォームの問い合わせは、届かなくても誰も気づきません
よくあるフォームは、送られた内容を担当者にメールで知らせるだけの作りです。この作りでは、メールが届かないと、問い合わせはどこにも残りません。送った方の画面には「送信しました」と表示されます。会社の側には何も届きません。どちらも、届いていないことに気づけません。
メールが届かない理由は、いくつもあります。
- 通知の宛先が、辞めた人のアドレスや使っていないアドレスのまま
- 通知のメールが、迷惑メールのフォルダに入っている
- サイトのメールを送る設定が、サーバーの引っ越しや更新のあとに変わった
- 受け取る担当者が 1 人だけで、休みの間は誰も見ていない
WordPress でよく使われる問い合わせフォームのプラグイン Contact Form 7 は、それだけでは送られたメッセージを保存しません。もともと Contact Form 7 のために作られた Flamingo というプラグインを入れると、送られたメッセージが管理画面に一覧で残ります。Flamingo の説明には、メールサーバーのトラブルやメールの設定の誤りで大事なメッセージを失う心配がなくなる、と書かれています。
2026 年 6 月、当社は 3 つの案を比べて、先に保存する形を選びました
作っていたサイトでは、お問い合わせと資料請求のフォームの内容を、社内で使っている問い合わせの管理の仕組みに送る予定でした。送り先が止まっていたり、まだ動いていなかったりするときに、問い合わせが消えるのを防ぐ必要がありました。比べた案は次の 3 つです。
A 社内の仕組みに直接送るだけ
- 作りがいちばん簡単
- 送り先が止まっていると、問い合わせが消える
- 送り先の返事を待つ間、送った方を待たせる
B 保存して、あとでまとめて送る
- 問い合わせは消えない
- 送った方を待たせない
- 常に動き続ける処理が要り、共有のレンタルサーバーでは置きにくい
C 保存してからすぐ送り、送れなければ担当者に知らせる(選んだ案)
- 問い合わせは、保存した控えに残る
- 常に動き続ける処理が要らない
- 送れなかったことに、担当者がすぐ気づける
- 長いと 8 秒ほど、送った方を待たせることがある
C を選んだ理由は 3 つありました。1 つ目は、サイトを置く予定だった共有のレンタルサーバーで、常に動き続ける処理を置くのは費用と手間に合わないことです。2 つ目は、先に保存しておけば、送り先の仕組みがまだ動いていない間もフォームを使い続けられることです。3 つ目は、送れなかったときに担当者へメールで知らせれば、人がすぐに気づけることです。
C にも弱い所はあります。送り先が長く止まると、担当者に届く知らせのメールが続きます。そのときは、送り先が戻るまで、保存した控えから手で対応すると決めておく必要があります。
送った方に見せる画面と、担当者に届く知らせは分けて考えます
送った方には、送れなかったことをエラーとして見せません。問い合わせは控えに残っているからです。送った方に見せるのは、受け付けたことと、次に何が起きるかです。担当者に届く知らせは、送った方の画面とは別に作ります。
- 送信送った方がフォームのボタンを押す
- 保存サイトの中に、送られた内容の控えを残す
- 転送社内の仕組みや担当者のメールへ送る
- 完了の画面送った方に、受け付けたことと次に起きることを表示する
- 送れなかったとき担当者にメールで知らせ、控えから手で対応する
完了の画面(サンクスページ)には、いつまでに誰から連絡するかを書きます。送った方のメールアドレスには、受け付けたことを伝える自動返信メールを送ります。自動返信メールが届かなかった方は、入力したアドレスの誤りに気づけます。
担当者に届く知らせ(通知メール)は、知らせるためのものです。対応の記録は、知らせとは別の一覧に残します。一覧の作り方は、問い合わせを 1 件 1 行で記録する記事に書いています。
迷惑な送信を減らす仕組みも、保存と一緒に入れます。控えを残す作りにすると、機械が送ってくる迷惑な送信まで控えにたまるからです。
自社のフォームが取りこぼしていないかを、月に 1 回確かめます
フォームの事故は、作ったときではなく、作ったあとに起きます。担当者が替わる、サーバーを移す、プラグインを更新する、といったときです。だから、確かめるのは公開の日だけでなく、月に 1 回にします。
- スマートフォンとパソコンから、自分で 1 件ずつ送ってみた
- 通知のメールが、担当者の受信箱に届いた(迷惑メールのフォルダも見た)
- 通知の宛先に、辞めた人や使っていないアドレスが残っていない
- 送った内容が、サイトの中の控えに残っている
- 送った側のアドレスに、受付のメールが届いた
- 担当者が休みの日に、通知を見る人が決まっている
- 試しに送った分を、控えと一覧から消した
送られた内容を保存するなら、個人の情報としての扱いも決めます
控えには、送った方の名前、メールアドレス、電話番号が残ります。Flamingo の説明にも、保存されるデータには送った方の個人情報が含まれる可能性があると書かれています。保存を始める前に、控えを見られる人、控えを残す期間、消し方を決めます。プライバシーポリシーに、預かる情報と使い道を書くことも忘れないようにします。
フォームの控えと、問い合わせのあとの記録を 1 つのサイトの中にまとめる仕組みは、当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築でも作っています。



