Instagram の投稿を外に頼む前に、店や会社で決めておくことは 5 つあります。Instagram で何を増やしたいか、写真を誰が撮るか、月に何本出すか、アカウントの持ち主と数字を見る権限、サイトとのつなぎ方です。このうち写真と数字の権限は、頼む相手には決められません。店や会社の側で決めることです。
2026 年の春に、Instagram について 2 つの会社の件を扱いました。3 月 27 日に、取引のある印刷会社の方から、7 つの店を持つテイクアウトの寿司の店が投稿を外に頼みたがっている、と相談がありました。5 月 14 日には、顧客管理の仕組みの相談を受けていた窓のリフォームの会社の Instagram を、私が頼んで社内で調べました。2 件で分かったことを、頼む前に決めることの順に書きます。
2 つの件で、最初に分かったこと
| テイクアウトの寿司の店(7 店) | 窓のリフォームの会社 | |
|---|---|---|
| 見たもの | サイトのトップに埋め込んだ Instagram の投稿の一覧 | 2025 年 7 月に開いた Instagram のアカウント |
| 調べて分かったこと | 最後の投稿は、新しい店の開店のお知らせで止まっていた | アカウントのページはログインしないと読めず、フォロワー数も投稿の中身も外から確かめられなかった |
| サイトとのつながり | サイトの見た目が Instagram の更新に左右されていた | リフォームの案内のサイトに、Instagram へのリンクが見当たらなかった |
寿司の店の相談の目的は、Instagram を伸ばすことより、サイトの見た目を整えることでした。トップに並ぶ投稿が古いと、店そのものが止まっているように見えるからです。紹介してくださった方への返事の文面に、私は、まず定期的に更新が回る状態を作るのが先だと書きました。
頼む前に決める 5 つのこと
- Instagram で何を増やしたいか(サイトの見た目、来店、問い合わせ、採用など)
- 写真を誰が撮り、どうやって頼む相手に渡すか
- 月に何本出すか。写真が届かない月はどうするか
- アカウントの持ち主は誰か。頼む相手にどこまでの権限を渡し、数字をどう共有するか
- サイトと Instagram の間のリンクを、どこに置くか
写真を誰が撮るかで、頼み方と本数が決まります
寿司の店への提案では、写真の撮り方で 2 つの形を出しました。
店のスタッフが撮る
- 月 8 本
- スタッフがスマートフォンで撮り、LINE や共有のドライブで送る
- 頼まれた側は、文章とハッシュタグを考え、写真を整えて投稿する
- 撮影には行かない
撮影も頼む
- 月 12 本
- 月 1 回、頼まれた側が店へ撮りに行く
- ストーリーズの投稿も入れる
- 新しい商品や季節の商品のときは、1 回だけの撮影も頼める
店が 7 つあれば、店ごとの写真を順に使うだけでも、投稿の材料には困りません。困るのは、写真が届かない月です。本数だけを約束すると、届いた少ない写真を使い回して、同じような投稿が続きます。頼む前に、誰がいつ写真を撮って送るかを、店の側で決めておきます。
文章とハッシュタグは、頼まれた側が考えられます。ただ、店の看板の商品や、季節ごとに売りたい物は、店の人しか知りません。月の初めに、その月に出したい商品を一言ずつ送ってもらうだけで、投稿の中身は変わります。
数字を見る権限は、外からは手に入りません
窓のリフォームの会社を調べたとき、アカウントのページはログインしないと読めませんでした。フォロワー数も、投稿の中身も、使っているハッシュタグも確かめられません。分かったのは、会社のお知らせのページにあった「Instagram の公式アカウントを開設しました」という 2025 年 7 月の記事と、サイトの中身だけです。分析の続きには、次のものを先方から見せてもらう必要がありました。
- アカウントの画面の写し(フォロワー数・投稿の数)
- インサイト(投稿ごとの表示の回数や、プロフィールを見た人の数)
- 今の投稿の頻度と、誰が投稿しているか
インサイトは、ビジネスアカウントかクリエイターアカウント(プロアカウント)でないと見られません。Meta の開発者向けの文書でも、Instagram の API でインサイトを扱えるのは、この 2 種類のアカウントです。外に頼むなら、頼む前にアカウントを切り替え、数字を毎月どう共有するかを決めておきます。アカウントのパスワードを渡すのか、持ち主が毎月画面の写しを送るのかで、頼む相手の作業も変わります。
サイトとのつなぎ方を、両方向で決めます
寿司の店のサイトのように、トップに Instagram の一覧を埋め込んでいると、投稿が止まったときにサイトまで古く見えます。一覧が古いままのときは、投稿が止まっているのか、表示している部品が止まっているのかを先に確かめます。Meta は、Instagram Basic Display API の提供を 2024 年 12 月 4 日に終えています。外部のアプリで投稿を表示するのに使われていた API です。この API を使っていた部品では、投稿を続けても一覧は新しくなりません。
窓のリフォームの会社は、逆に、サイトから Instagram へのリンクがありませんでした。サイトを見た人が Instagram の施工の写真までたどり着けません。リンクは両方向に置きます。
- サイトからトップかフッターに、Instagram へのリンクを置く
- プロフィールからInstagram のプロフィールのリンクに、サイトの URL を置く
- 印を付けるプロフィールのリンクに、Instagram から来たと分かる印を付ける
- 数えるサイトの側で、印の付いた訪問と、その後の問い合わせを数える
プロフィールのリンクに付ける印は、UTM パラメーターと呼ばれる URL の末尾の文字です。印を付けておけば、Instagram から何人がサイトに来て、何人が問い合わせたかを、サイトの側で数えられます。フォロワー数が増えても、サイトに来る人が増えていなければ、投稿の中身かリンクの置き方を見直します。サイトに来た人の記録と問い合わせを 1 か所に集める仕組みは、当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築で作っています。
頼んだあとに、毎月確かめること
頼んだあとは、次の 3 つを毎月確かめます。約束した本数が出ているか。写真が予定どおり届いているか。プロフィールのリンクからサイトに来た人の数がどう動いたか。フォロワー数だけを見ていると、店や会社の売り上げとのつながりが見えません。
寿司の店の件では、店の予算と、どこまで任せたいかを伺ってから形を決めたい、とも書きました。本数や撮影の形は、店や会社の答えを聞いてから決めるものです。



