相談の数より中身をそろえたいときは、紹介や提案に要る情報を、フォームで先に聞きます。足すのは、相談のテーマ、導入したい時期、予算、決める人、会社の規模、IT にどのくらい慣れているかの 6 つです。項目を足すと送る人の手間が増え、件数は減ることがあります。だから項目を足す前に、何を数えるかを決め直します。
当社は 2024 年 6 月から、中小企業の IT の相談を受けて会員の IT 企業に紹介している団体と、月に 1 回の打ち合わせを続けています。2026 年 6 月 18 日の打ち合わせで、担当の方から、相談は速いペースで入ってくると聞きました。一方で、紹介する案件と会員の企業が合っているかの判断に迷っている、とも話がありました。会員の企業から、よく分からない案件ばかり紹介されると思われるのがいちばん怖い、とも聞きました。この日に決めたことと、その場で作ったフォームの記録です。
件数を追うフォームと、中身をそろえるフォーム
団体が目標に置いていたのは、相談の数ではなく、会員の企業との商談の数でした。そこで、相談の数が減ってもよいから、商談につながる相談を入口でそろえる方へ切り替えることにしました。
件数を追うフォーム
- 項目は名前・連絡先・自由に書く欄だけ
- 誰でも気軽に送れる
- 中身は面談で一から聞き取る
- 聞き取る人によって、聞く中身がそろわない
中身をそろえるフォーム
- テーマ・時期・予算・決める人などを選んでもらう
- 送る手間は増える
- 面談の前に、紹介に要る情報がそろう
- 無理な日程の相談は、入口で分かる
聞き取る人によって聞く中身が違うと、会員の企業に渡す紹介の文書も人によって変わります。フォームで同じ項目を聞けば、少なくとも最初の材料はそろいます。
足した項目と、その項目を使う人
足す項目は、「その答えを誰が、何に使うか」を言えるものだけにしました。選び方の列は、この記事のための例です。
| 項目 | 選び方の例 | 誰が、何に使うか |
|---|---|---|
| 相談のテーマ | システムの導入 / ネットワーク / セキュリティ / その他 | 担当の方が、どの会員の企業に声をかけるかを決める |
| 導入したい時期 | すぐ / 3 か月以内 / 半年以内 / 未定 | 「明日入れたい」のような無理な日程を、面談の前に知る |
| 予算 | 金額の幅で選ぶ / 未定 | 会員の企業が、提案の形を決める |
| 決める人 | 社長 / 部門の責任者 / まだ決まっていない | 面談に誰が出るかを決める |
| 会社の規模 | 従業員の人数で選ぶ | 会員の企業が、合う製品の大きさを考える |
| IT にどのくらい慣れているか | 社内に IT の担当者がいる / いない | 導入のあとに、どこまで手伝うかを考える |
予算と決める人は、書きにくい項目です。必ず「未定」「まだ決まっていない」を選べるようにし、空欄で送れないようにはしません。書けない人を入口で帰してしまうと、中身をそろえる前に相談そのものがなくなります。
入口を 2 つに分けました
すべての項目を、サイトの問い合わせのフォームに並べることはしませんでした。誰でも送れる問い合わせはそのままにして、相談が決まった方にだけ、詳しい聞き取りのページを送ります。
- 問い合わせサイトの問い合わせのフォームから、誰でも送れる
- 短い返事担当の方が返事をし、聞き取りのページの URL を送る
- 聞き取り相談者が、テーマ・時期・予算などを選んで送る
- 面談そろった情報をもとに、担当の方が面談する
- 紹介会員の企業に、そろった形の紹介の文書を送る
聞き取りのページは、サイトのメニューからはたどれず、URL を知っている人だけが開けます。打ち合わせでは、それでも心配ならページにパスワードをかけ、相談者にだけ伝える方法も話しました。Web のフォームに慣れていない相談者のための方法も用意することにしました。Excel の聞き取りシートをダウンロードして書き、メールで送り返す方法です。
フォームは、その場で AI に手伝わせて作りました
この日は、打ち合わせの中で私が聞き取りのページを作って見せました。手順は次のとおりです。
- サイト(WordPress)の管理画面で、今ある問い合わせのフォームを複製する
- 新しい固定のページを作り、「IT 導入のお悩み相談ヒアリングシート」という題で、複製したフォームを貼る
- フォームの HTML を ChatGPT に貼り、サイトのほかのページに見た目を合わせてもらう
- 項目の一覧を ChatGPT に貼り、「これとこれは必須、これは削る」と指示して直す
- 送ったときに団体と相談者に届くメールの文面も、ChatGPT に下書きさせて人が直す
フォームの見た目や文面の下書きは、AI に任せても困りません。紹介の文書を AI に作らせる話も出ましたが、AI は聞いていないことまでもっともらしく書くことがあります。紹介の文書は、聞き取った中身と照らして人が確かめる前提にしました。
項目を足す前に確かめること
- 追う数字を、相談の数から商談や提案の数に決め直した
- 足す項目ごとに、答えを使う人と使い道を言える
- 選択式にできる項目は、選択式にした
- 書きにくい項目には「未定」「分からない」を用意した
- 必須にしたのは、返事や紹介に要る項目だけ
- 送ったあとのメールで、次に何が起きるかを伝えている
フォームの項目を見直すことを、用語集では EFO として説明しています。EFO は送りやすくするための見直しとして語られることが多いのですが、この団体のように、送る人を絞るために項目を足す見直しもあります。どちらにするかは、コンバージョンとして何を数えるかで決まります。同じことを 2 回入れさせる、返事に使わない項目を必須にする、といったフォームのよくある問題は、外から見える所だけでサイトを点検した記事に書きました。
フォームと、送られた中身を見込み客の記録として 1 か所に残す仕組みは、当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築で作っています。



