検索広告は、アカウントを作って支払いの方法を登録すれば、印刷物のような準備の期間をかけずに出し始められます。出す前に社内で決めておくことは 7 つです。成果として数える行動、広告から開くページ、出す言葉と出さない言葉、広告を出す地域、1 日の予算、見直す日、広告に書かない言い方です。この 7 つが決まらないまま出すと、お金は出ていくのに、効いたのかどうかを誰も言えなくなります。
当社でも、2024 年 8 月に入った社内スタッフが、2 か月ほどで広告の運用を受け持つようになりました。マーケティングや Web の知識が少ないところから始めています。広告の画面の操作は、使いながら覚えられます。この記事では、画面を開く前に決めておくことを並べます。
- 成果として数える行動を 1 つ決めた(問い合わせ、電話、資料のダウンロードなど)
- 広告から開くページを、言葉ごとに決めた
- 出す言葉と、出さない言葉を書き出した
- 広告を出す地域を、そこにいる人だけにするか決めた
- 1 日の平均予算と、1 か月の上限の金額を計算した
- 最初に見直す日と、そのとき見る数字を決めた
- 広告に書かない言い方を決めた
1. 成果として数える行動を、1 つに決めます
広告の成果は、クリックの数ではなく、その先の行動で数えます。問い合わせのフォームの送信、電話、資料のダウンロード、見積もりの依頼のうち、いちばん商談に近いものを 1 つ選びます。Google 広告では、この行動をコンバージョンとして測る設定(コンバージョン測定)ができます。設定すると、どの広告とどの言葉から成果が出たかを広告の画面で数えられます。
測る設定をしないまま広告を出すと、見えるのはクリックの数と費用だけです。成果が出ているかは、問い合わせを受けた人の記憶に頼ることになります。
2. 広告から開くページを、言葉ごとに決めます
広告を押した人は、広告の文に書いてあったことの続きを読みに来ます。会社のトップページに着くと、その続きを自分で探さなければなりません。だから、広告から開くページは、言葉ごとに決めます。「事務所 LAN 配線 工事」で出した広告なら、配線の工事のページに着くようにします。
着いたページに、料金の目安と相談の方法が書いてあるかも確かめます。ページの組み立てはLP の 10 の節の記事に、料金の書き方は料金のページの記事にあります。
3. 出す言葉と、出さない言葉を書き出します
検索広告は、決めた言葉(キーワード)が検索されたときに出ます。どこまで近い検索にも出すかは、マッチタイプという設定で決まります。広く出す設定にすると、決めた言葉と意味の近い検索にも広告が出ます。最初から入っている設定は、いちばん広く出すものです。
広く出すほど、関係のない検索にも出ます。そのため、出さない言葉(除外キーワード)も同時に決めます。Google のヘルプでは、目の検査をして眼鏡を売る店が「水中眼鏡」や「双眼鏡」を除外する例が挙がっています。広告を出したあとは、実際にどんな検索で広告が出たかを、検索語句のレポートで確かめ、出さない言葉を足していきます。
次の表は、名古屋で事務所の LAN 配線の工事を受ける会社を例にした書き出しです。
| 区分 | 言葉の例 | 理由 |
|---|---|---|
| 出す言葉 | LAN 配線 工事 名古屋 / 事務所 ネットワーク 工事 / 事務所 移転 LAN | 工事を頼みたい人が使う言葉 |
| 出さない言葉 | 自分で / やり方 / 資格 / 求人 / 中古 | 自分で作業したい人や、働きたい人の検索 |
| 様子を見る言葉 | Wi-Fi つながらない | 工事が要らない困りごとも混ざる |
4. 広告を出す地域は、そこにいる人だけにするかを選びます
Google 広告では、広告を出す地域(地域ターゲティング)を、その地域にいる人だけにするか、その地域に関心を示した人にも広げるかを選べます。検索の広告では、広い方が勧められています。ただ、店や事務所に来てもらう商売や、出向ける範囲が決まっている工事なら、その地域にいる人だけに絞る方が合う場面もあります。Google のヘルプも、特定の地域にいる人だけを対象にしたい場合は、絞る設定を検討するよう書いています。
5. 1 日の平均予算と、1 か月の上限の金額を計算しておきます
Google 広告の予算は、キャンペーンごとに1 日の平均予算として決めます。広告が出やすい日には多めに、出にくい日には少なめに使われます。ほとんどのキャンペーンでは、ある日の費用は 1 日の平均予算の 2 倍まで、1 か月の費用は 30.4 倍までが上限です。30.4 は、1 年の日数を 12 か月で割った 1 か月の平均の日数です。
- 1 日の平均予算
- 1,000円 30,400 円 ÷ 30.4
- ある 1 日に使われうる上限
- 2,000円 1 日の平均予算の 2 倍
- 1 か月の費用の上限
- 30,400円 1 日の平均予算の 30.4 倍
金額は計算の例。上限の決まりは Google 広告のヘルプ「1 日の平均予算について」によるもので、ほとんどのキャンペーンに当てはまる
社長が決めるのは、1 日の金額より、1 か月にいくらまでなら様子を見られるかです。その金額を 30.4 で割って、1 日の平均予算にします。
6. 最初に見直す日と、そのとき見る数字を決めます
広告は、出したまま放っておくと、関係のない検索に出続けます。始める日に、最初に見直す日を決めておきます。見る数字は 4 つです。実際に広告が出た検索の言葉、クリックの数、成果の数、成果 1 件あたりの費用です。
成果の数が少ない会社は、割合より件数で見ます。毎月見るサイトの数字の選び方は、毎月見る 5 つの数字の記事に書いています。広告から来た訪問と、検索の結果から自然に来た訪問を分けて見るには、リンクに入口ごとの印を付けておきます。印の決め方は計測の印を表で決める記事にあります。
7. 広告に書かない言い方を決めます
広告の文は短いので、強い言葉を使いたくなります。「地域で No.1」「最安」「必ず改善」のように、根拠を示せない言い方は使いません。一般の消費者に向けた広告なら、景品表示法の決まりもあります。消費者庁は、品質を実際よりも優れていると偽って宣伝することや、他社より特に優れているわけではないのに優れているかのように宣伝することを、優良誤認の表示として禁じています。
書かない言い方は、広告の文を書く人が替わっても守れるよう、一覧にして社内で持っておきます。広告から来た方の問い合わせを、ほかの入口からの問い合わせと同じ一覧にまとめて残す仕組みは、当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築でも作っています。



