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コラム

取引の相談が来ない会社のサイトを、外から見える所だけで点検する

この記事の要点

アクセスの数字を見せてもらう前でも、確かめられることは多くあります。最初の画面、ボタンの言葉、取引の検討に要る情報、フォームの項目、計測のタグ、ページの題は、公開されているページだけで見られます。問い合わせの数や、どのページで読むのをやめたかは、先方の計測の画面を見るまで分かりません。

アクセス解析の数字を見せてもらう前でも、サイトの直す所の多くは、公開されているページに出ています。最初の画面の言葉、ボタンの言葉、製品の情報、フォームの項目、計測のタグ、ページの題です。問い合わせの数や、どのページで読むのをやめたかは、先方の計測の画面を見るまで分かりません。

2026 年 3 月に、同じグループの 2 社から、サイトを作り直したいと相談がありました。3 月 24 日に、提案の前の準備として、両社のサイトを公開されているページだけで点検しました。1 社は繊維製品を扱う商社、もう 1 社はカーペットやラグなどのインテリア製品を作って売る会社です。どちらも、取引先の会社に売る B2B の会社です。この記事は、そのときの点検の記録から、ほかの会社のサイトにも使える項目と順番を抜き出したものです。

外から確かめられることと、先方に聞かないと分からないこと

点検の前に、外から分かることと分からないことを分けておきます。分からないことを推測で埋めると、提案の数字が根拠の無いものになります。

公開ページの点検で分かること、分からないこと

公開ページだけで確かめられる

  • 最初の画面の言葉で、何を誰に売る会社か分かるか
  • ボタンの言葉と、押した先のページ
  • 製品ごとの仕様やカタログが置いてあるか
  • フォームの項目と、どれが必須か
  • 計測のタグの種類
  • ページの題、サイトマップの更新日、構造化データの有無

先方に見せてもらわないと分からない

  • 月の訪問の数と、問い合わせの数
  • どのページで読むのをやめた人が多いか
  • 問い合わせの中身と、取引につながった数
  • 問い合わせに誰が、何日で返事しているか

2 社とも、点検した時点では、問い合わせの数を私は知りませんでした。外から見ただけでは、問い合わせの率も分かりません。

点検する 8 項目

点検は、訪れた人がページを読む順に進めます。最初の画面から始めて、製品のページ、フォーム、最後にページの裏側の計測と検索の設定を見ます。

B2B の会社のサイトを公開ページで点検する 8 項目
  • 最初の画面の言葉で、何を誰に売る会社かが分かる
  • ボタンの言葉で、押すと何ができるかが分かる
  • 製品ごとに、仕様・用途・注文の条件の目安が書いてある
  • 問い合わせのほかに、資料・サンプル・見積もりなどの入口がある
  • フォームで、返事に使わない項目や二重の入力をさせていない
  • 計測のタグが、今も動いている種類である
  • ページの題に、会社名だけでなく業種や製品の名前が入っている
  • サイトマップの更新日とページの数が、今の中身と合っている

2 社とも、最初の画面とボタンだけでは何の会社か分かりませんでした

商社の最初の画面には、会社の考え方を表すスローガンだけが大きく載っていました。製品を探しに来た人には、どんな製品を扱う会社なのかが分かりません。ボタンの言葉は「詳しく見る」「一覧を見る」でした。

インテリアの会社の最初の画面は「安心・快適な住空間の提案に」という言葉と、英語の短い文でした。どの住まいの会社にも当てはまる言葉です。ボタンは、すべて「READ MORE」でした。

ファーストビュー(最初の画面)に要るのは、何を、誰に売っている会社かです。ボタンの言葉は、押した先で何ができるかを書きます。「詳しく見る」は、どのボタンにも付けられる言葉なので、押す理由になりません。提案では、「製品の一覧を見る」「取引について相談する」のように、押した先が分かる言葉に替える案を書きました。

取引を考えている人が探す、製品の仕様とカタログがありませんでした

取引先を探している会社の担当者は、社内で比べて、上の人に説明するための材料を探します。点検した 2 社のサイトには、その材料が足りませんでした。

項目 繊維製品の商社 インテリア製品の会社
製品のページ 事業の説明だけで、製品ごとのページが無い 7 つの分類の名前と写真だけ。仕様や説明は無い
カタログ・仕様の資料 無い 無い
問い合わせ以外の入口 無い 無い(電話番号と問い合わせのページだけ)
強みとして書けること 事業の説明のページには書いてあるが、最初の画面には出ていない 国内で作っていること、創業からの年数が目立たない場所にある

問い合わせのフォームは、聞きたいことが固まった人の入口です。まだ比べている段階の人には、カタログの PDF を開くとか、サンプルを頼むといった、小さな入口が要ります。提案では、会社名・メールアドレス・電話番号の 3 つを入れるとカタログを開ける入口を置く案を書きました。資料と引き換えに残してもらう連絡先は、見込み客の記録になります。

フォームでは、メールアドレスを 2 回入れさせ、会社名は任意でした

商社の問い合わせのフォームには、気になる所が 3 つありました。

項目 点検したときの形 提案した形
メールアドレス 確認のため 2 回入れる 1 回だけにする。ブラウザの自動入力で入れる人も多い
会社名 任意 必須にする。会社名が無いと、取引の相談としての返事を用意できない
都道府県 必須 任意にするか、なくす。返事に使わない

フォームの項目を見直すことを EFO と呼びます。点検のときは、項目ごとに「この項目を、返事をする人が使うか」を確かめます。使わない項目が必須になっていると、入れる人の手間だけが増えます。取引の相談と、一般の方からの商品についての問い合わせが同じフォームに入っていたことも、返事の順番を決めにくくしていました。

古い計測のタグと、業種の入っていないページの題が残っていました

最後に、ページの裏側を見ます。ブラウザでページのソースを表示すると、計測のタグの種類やページの題が分かります。

商社のサイトには、「UA-」で始まる番号の計測のタグが入っていました。ユニバーサル アナリティクスという古い Google アナリティクスのタグです。標準のプロパティでは、2023 年 7 月 1 日にデータの処理が止まっています。タグが残っていても、新しいデータはたまりません。今の Google アナリティクス 4 は、「G-」で始まる測定 ID を使います。一方で、このサイトには数百本の記事と、構造化データがすでにありました。作り直すときは、この記事の URL を変えるなら、古い URL から新しい URL へ転送する設定が要ります。

インテリアの会社のサイトは、ページの題が「社名|ブランド名」だけでした。検索の結果にはページの題が出るので、何を作っている会社かが分かりません。Google の文書も、ページの題はそのページの中身を表すように書くよう求めています。XML サイトマップに載っていたのは 8 ページで、更新日は 2022 年のままでした。

ページの裏側を確かめる順番
  1. ソースを表示ブラウザでページのソースを開く
  2. 計測のタグ「UA-」と「G-」で探し、どちらが入っているかを見る
  3. ページの題title の中に、業種や製品の名前があるかを見る
  4. サイトマップ/sitemap.xml を開き、ページの数と更新日を見る

ページの題(タイトルタグ)は、作り直しを待たずに直せることが多い項目です。計測のタグも同じです。作り直しの提案と分けて、先に直せる所として伝えます。

点検のあとに、先方に見せてもらうもの

外からの点検で分かるのは、ここまでです。提案の数字を決める前に、先方に次のものを見せてもらいます。

  • 計測の画面を見る権限(Google アナリティクス 4 と Search Console)。見るだけの権限で足ります
  • この 1 年の問い合わせの件数と、どんな問い合わせだったか
  • 問い合わせに誰が返事をしていて、何日かかっているか
  • カタログや仕様書の元のデータ(作り直しのときに、サイトに載せる材料になる)

古いタグのままのサイトでは、2023 年 7 月より後の数字がたまっていません。その場合は、新しいタグを入れて数字をため始めるところから始めます。フォームと問い合わせの記録をサイトの中にまとめて残す仕組みは、当社のAI顧客管理マーケティングシステム構築でも作っています。

よくあるご質問

アクセス解析の数字を見なくても、サイトの直す所は分かりますか?
一部は分かります。最初の画面の言葉、ボタンの言葉、製品の情報、フォームの項目、計測のタグ、ページの題は、公開されているページを開けば確かめられます。問い合わせの数や、どのページで読むのをやめたかは、計測の画面を見せていただくまで分かりません。
古い計測のタグが残っているかどうかは、どう確かめますか?
ブラウザでページのソースを表示し、「UA-」で始まる番号を探します。ユニバーサル アナリティクスのタグで、標準のプロパティは 2023 年 7 月 1 日にデータの処理が止まっています。今の Google アナリティクス 4 は、「G-」で始まる測定 ID を使います。
取引先の会社に売る B2B のサイトで、問い合わせのほかにどんな入口を置けばよいですか?
製品のカタログや仕様の資料を開ける入口、サンプルの依頼、見積もりの依頼などです。問い合わせのフォームは、聞きたいことが固まった人の入口です。まだ比べている段階の人が使える入口があると、その人の会社名と連絡先を記録できます。
フォームで会社名を必須にすると、問い合わせは減りませんか?
当社では、会社名を必須にしたときの件数の違いを測っていません。取引先の会社に売るサイトでは、会社名が無いと返事の準備ができないため、点検した 2 社には必須にする案を出しました。代わりに、都道府県のように返事に使わない項目を任意にするか、なくします。

出典・参考にした資料

  1. Google アナリティクス ヘルプ「ユニバーサル アナリティクスのサポートは終了しました」
  2. Google アナリティクス ヘルプ「[GA4] 測定 ID」
  3. Google 検索セントラル「Google 検索結果のタイトルリンクに影響を与える」

この記事を書いた人

小野 隆士ドットシンク株式会社 代表取締役

システム開発会社の会社員、Web 制作の個人事業主、不動産営業、Web 制作会社の役員を経て、CRM 事業を軸にドットシンク株式会社を起業。自社の営業と事務の仕事に AI を使い、そのやり方を AI研修と AI伴走支援でお客様の会社に持ち込んでいます。デジタル庁 デジタル推進委員(2024 年 7 月任命)。

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