月の売上目標だけでは、毎日の営業の動きと結び付きません。今日 1 件訪問しても、売上の数字はすぐには動かないからです。経営ダッシュボードの営業は、営業の活動と案件を集める商品です。2026 年 4 月 16 日にまとめた要件では、目標を売上・商談の数・活動の数の 3 つに分けました。
この記事では、3 つに分けた理由と、行動を記録するたびに目標が近づく見せ方、記録から報告書を作る設計を紹介します。経営ダッシュボードは当社が開発したクラウドサービスで、社外の会社に導入した事例はまだありません。
目標を立てても、日々の行動とのつながりが弱いことが課題でした
要件を書く前に、中小企業の営業で起きていることを 5 つに分けました。
- 営業の活動が、報告を聞かないと分からない
- 入力の多い道具は、現場で使われなくなる
- 月の目標を立てても、日々の行動とのつながりが弱く、進み具合が分からない
- 提案書や見積書が個人のパソコンやメールに散らばっている
- 受注や達成が共有されず、チームの士気が続かない
3 つ目が、この記事の話です。月の目標は月末に答えが出ます。毎日の行動は、月末まで答えが出ません。そのあいだ、今日の行動が目標に近づいているのかが分からないまま、1 か月が過ぎます。
目標は、売上・商談の数・活動の数の 3 つにしました
3 月の前身(会社の目標)
- 売上
- 粗利
- 新しい顧客の数
- 新しい案件の数
4 月の営業の設計(営業の目標)
- 売上
- 商談の数
- 活動の数(訪問・電話など)
- 担当ごとと、チームごとに持つ
経営ダッシュボードの前身の要件(2026 年 3 月 29 日)と、営業の要件(4 月 16 日)から作成
3 つは、結果からの距離が違います。
| 目標 | 結果までの距離 | 毎日の行動との関係 |
|---|---|---|
| 売上 | 結果そのもの | 今日の行動では、すぐには動かない |
| 商談の数 | 売上の手前 | 週に何回か動く |
| 活動の数 | 商談のさらに手前 | 今日の行動で、すぐに動く |
活動の数は、担当者が今日の動きで増やせる数字です。商談の数は、活動が商談になったかを見る数字です。売上は、商談が受注になったかの結果です。3 つを並べると、どこで止まっているかが分かります。活動は多いのに商談が少なければ活動の中身を、商談は多いのに売上にならなければ提案の中身を見直します。
3 月の前身の設計では、目標は会社の単位で、売上・粗利・新しい顧客・新しい案件の 4 つでした。4 月の営業の設計では、担当者が自分の動きで動かせる数字を入れることを優先しました。営業の目標の立て方は、用語集の営業目標にまとめています。
行動を記録するたびに、目標への進み具合を見せます
担当者が訪問や電話を記録すると、そのたびに、目標の達成率がどれだけ進んだかを画面に出します。個人とチームの達成率は、横の棒で見せます。
目標の手前の数字(KPI)を、記録した直後に動かして見せるのは、今日の行動が目標にどう効いたかを、その場で分かるようにするためです。月末まで待たずに、自分の行動と目標のつながりが見えます。
記録を続けてもらうための楽しさの仕掛けも、要件に入れました。
- 行動を記録すると点(経験値)がたまり、たまるとレベルが上がる
- 続けて記録した日数を出す。途切れると 0 に戻る
- 受注が決まると、全員の画面と事務所の大きな画面に知らせを出す
- 知らせに「いいね」を付けられる。いいねで点が付くのは、1 日に 1 人から 3 までにした
上限を付けておくと、点を集めるためだけのいいねは増えにくくなります。こうした仕掛けをゲーミフィケーションと呼びます。
目標が無い人には、過去の実績から AI が目標の案を出します
月の目標を、全員が自分で立てられるとは限りません。目標が決まっていない人には、過去の実績をもとに AI が目標の案を出す設計にしました。行動の計画が無い人には、次の行動の案を出します。
案は案です。そのまま使うか、直して使うかは、人が決めます。目標そのものは、管理者が設定の画面で月ごとに登録します。
日・週・月の報告書は、記録から自動で作ります
| 報告書 | 中身 | 届ける相手 |
|---|---|---|
| 日次 | その日の行動の記録、商談の進み具合、目標の達成の状況 | 担当者 |
| 週次 | 1 週間の営業の活動のまとめ、商談の動き、目標の進み具合 | 担当者とマネージャー |
| 月次 | 月の営業の実績、目標の達成度、数字の動き、チームどうしの比べ | 全員 |
報告書を書くために、担当者が記録をまとめ直す必要はありません。毎日の記録から、AI が集計して作ります。週の営業会議の資料を Excel で貼り合わせる作業を、記録から届く報告書に置き換えるのが狙いです。法人向けのサービス会社で使う場合の想定は、モデルケースに載せています。
営業の目標を決める前に確かめること
- 結果の目標(売上)と、その手前の目標(商談・活動)を分けた
- 担当者が、今日の動きで増やせる数字を目標に入れた
- 記録した直後に、目標への進み具合が見える
- 目標を個人とチームの両方で持った
- 目標が無い人への案の出し方を決めた
- 報告書を、記録から作れる形にした
- 役割ごとに、見られる範囲を決めた
当社の経営ダッシュボードでは、営業の目標と記録を 1 画面に集める商品を用意しています。案件の段階ごとの分布の考え方は、用語集の営業パイプラインにまとめています。



