受注した仕事ごとに、作業中・未請求・請求済・入金済の 4 つの状態を持たせると、請求の漏れと入金の遅れが月末を待たずに見つかります。請求の漏れは「未請求」の件数で、入金の遅れは「請求済のまま 30 日」で分かります。
2026 年 3 月、経営ダッシュボードの前身の設計で、この形に決めました。この記事では、4 つの状態の分け方、案件と受注のつなぎ方、遅れの判定、入金と支払いの予定の並べ方を紹介します。
解決したかったのは、請求と入金の管理が分かれていることでした
設計のときに挙げた中小企業の課題のうち、お金にかかわるものは 2 つです。
- 請求と入金の管理が分かれていて、資金繰りをつかめない
- 月次の集計を待たないと数字が分からず、経営の判断が遅れる
請求書は請求書のソフト、入金は通帳、案件は営業の Excel、と分かれている会社があります。この形では、終わった仕事を全部請求したか、請求したお金が全部入ったかを確かめるのに、3 つを突き合わせるしかありません。突き合わせるのが月に 1 回なら、漏れや遅れに気づくのも月に 1 回です。
受注ごとに、作業中・未請求・請求済・入金済の 4 つの状態を持たせました
- 作業中受注して、仕事を進めている。まだ請求できる段階にない
- 未請求仕事は終わり、請求できる。まだ請求書を出していない
- 請求済請求書を出した。入金を待っている
- 入金済入金を確かめた
経営ダッシュボードの前身の業務の決まり(2026 年 3 月 29 日)から作成
4 つのうち、いちばん大事なのは「未請求」です。仕事が終わってから請求書を出すまでのあいだを、状態として分けて持ちます。この状態が無いと、作業中と請求済のあいだに落ちた仕事が見えません。請求の出し忘れは、ここに落ちた仕事から起きます。
受注の記録には、次のことを持たせました。
| 項目 | 使い道 |
|---|---|
| 請求の状態 | 4 つのどこにいるか |
| 売上の金額 | 請求する金額 |
| 納品の予定日 | 作業中から未請求に移る目安 |
| 請求日 | 入金の遅れを数える起点 |
| 入金の予定日・入金日 | 入金を待っているか、入ったか |
| 契約の情報 | 支払いの条件などを確かめる |
状態の言葉を決めておくことの考え方は、用語集の請求ステータスにもまとめています。
案件を「受注」に変えたら、受注の記録が自動でできる形にしました
営業の案件は、ヒアリング・提案中・商談中・受注・失注の段階で動きます。案件の状態を「受注」に変えたら、受注の記録を仕組みが自動で作り、請求と入金の追いかけはそちらに引き継ぎます。
営業の担当が、受注したあとに別の画面へ入れ直す形にすると、入れ忘れが起きます。入れ忘れた受注は、請求の一覧にそもそも載りません。案件と受注を 1 つの流れでつなげば、受注した仕事は必ず請求の一覧に現れます。
請求したまま 30 日入金が無いものを、遅れとして赤で示します
- 請求済のまま入金を確かめられない日数
- 30日 これを過ぎたら遅れとして扱う。初めの値で、会社ごとに変えられる
- 請求と入金の状態の数
- 4つ
出所: 経営ダッシュボードの前身の要件(2026 年 3 月 29 日と 31 日)
請求済のまま 30 日を過ぎて入金を確かめられないものは、遅れとして自動で拾い、赤で示します。ダッシュボードには、請求の状態ごとの件数の分布と、回収できていないもののアラートを並べます。通知の一覧にも、入金の遅れを入れます。
30 日は初めの値です。取引先との支払いの条件はさまざまで、請求から 30 日で遅れとは言えない取引もあります。会社ごとに、ふだんの支払いの条件に合わせて変えられるようにしました。入金されていない売上の考え方は、用語集の売掛金と入金遅延にまとめています。
入金の予定と支払いの予定を、同じ一覧に並べました
請求と入金の状態に加えて、これから先の入金と支払いの予定も記録します。種別(入金か支払いか)・担当・対象の受注・相手先・予定日・金額・状態を持たせ、一定の期間先までの予定を一覧で見られるようにしました。経理の画面と、事務所の大きな画面にも出します。
入金の予定だけを見ていると、支払いの日に手元のお金が足りるかは分かりません。入ってくるお金と出ていくお金を同じ一覧に並べて、はじめて先の見通しが立ちます。この表の考え方は、用語集の資金繰り表にまとめています。
請求と入金の状態を決める前に確かめること
- 仕事が終わってから請求書を出すまでを、「未請求」として分けた
- 受注した仕事が、必ず請求の一覧に載る流れにした
- 請求日を記録し、遅れを数える起点にした
- 遅れとみなす日数を、支払いの条件に合わせて決めた
- 入金の予定と支払いの予定を、同じ一覧で見られる
- 状態ごとの件数を、月の途中でも見られる
月末にまとめて請求と入金を突き合わせる運用は、漏れに気づくのが月に 1 回になります。状態を受注ごとに持たせれば、確かめる作業そのものが毎日の画面に移ります。当社の経営ダッシュボードでは、経理の数字を 1 画面に集める商品を用意しています。



