今月のお金の様子は、月次の試算表を待たなくても、予定と実績を分けて並べれば月の途中でつかめます。入金は支払いの期日で数えた見込みと、実際に入金された日で数えた実績の 2 本にし、人件費と経費を引いて差引を出します。
当社の社内システムでは、2026 年 6 月に、入金・人件費・経費・差引を月ごとに 1 画面で見られるようにしました。人件費は、シフトの予定と、その日に有効な時給から出しています。会社全体の金額が並ぶので、見られるのは管理者だけです。この記事は、その数字の出し方を決めた記録です。当社の金額は書いていません。
試算表が届くのは、翌月の半ばから下旬です
経営ダッシュボードの経理の要件を書いたとき、課題の 1 つ目に、月次の試算表は翌月の中旬から下旬にようやく手元に届く、と書きました。そのため、今月の売上がどのくらいか、資金繰りに余裕があるかを、社長がその場で答えられません。試算表は締めた数字なので確かですが、届くのを待っていると、手を打つ時期を逃します。
当社では、6 月に社内システムへシフト表を入れたときに、資金の出入りも同じ仕組みで見ることにしました。シフトから人件費の見込みを出し、入金と経費と並べる形です。
見込みは予定の日付で、実績は確定した日付で数えます
| 項目 | 見込み | 実績 |
|---|---|---|
| 入金 | 支払いの期日がその月にある案件の金額 | 入金した日がその月にある案件の金額 |
| 人件費 | シフトの予定の時間 × その日の時給 | 見込みと同じ値(シフトの予定から出す) |
| 経費 | 経費の日付がその月にあるもの | 見込みと同じ値 |
| 差引 | 入金の見込み − 人件費 − 経費 | 入金の実績 − 人件費 − 経費 |
同じ案件の入金でも、期日が今月で入金が来月なら、見込みは今月、実績は来月に数えます。月の途中では、見込みと実績の差引に開きが出ます。開きの多くは、期日が今月でまだ入っていない入金です。
- 予定を入れる案件の支払いの期日、社員のシフト、経費を入れておく
- 見込みが出る期日とシフトから、その月の入金と人件費の見込みを出す
- 入金を記録する入金があった日を案件に記録する
- 実績が出る入金した日で数え直し、実績の差引を出す
- 差を見る見込みと実績の差から、入っていない入金を探す
数か月分を並べた推移の表も出します。差引の見込みが先の月で落ち込んでいれば、入金の期日を早められないか、支払いを動かせないかを、その月が来る前に考えられます。資金の出入りを月ごとに見る考え方は、キャッシュフローや資金繰り表の用語の説明にまとめています。
人件費は、シフトの予定と、その日の時給から出します
人件費の見込みは、シフト表に入っている出勤の予定を 1 日ずつ見て積み上げます。
- 時給の方は、その日の予定の勤務時間(休憩を引いたもの)に、その日に有効な時給を掛けます
- 月の途中で時給が変わる方は、変わる前の日までは前の時給、変わった日からは新しい時給で数えます
- 月給の方は、月額をその月に 1 回だけ数えます
- 時給が登録されていない出勤日は 0 円として数え、登録が無い日数を別に出します
最後の決まりは、見込みが実際より少なく出るのを、そのまま見過ごさないためのものです。0 円の日があることが分かれば、時給の登録を直せます。
入金の額は、いまは見積もりの額を使っています
入金の見込みと実績は、案件の見積もりの額で数えています。請求する額が見積もりの額と同じ、という前提で始めた作りです。追加の作業や値引きで請求の額が変わった案件は、この画面の数字と実際の入金がずれます。請求書の額で数える形は、次の段階で考える項目にしました。
受注した仕事ごとに請求と入金の状態を持たせて、請求の漏れと入金の遅れを見つける考え方は、請求の状態の記事に書いています。
実績の差引でも、人件費は予定から出した値です
実績の差引に使う人件費も、シフトの予定から出した値です。勤怠の打刻から人件費を出す形にはまだしていません。そのため、画面には、人件費がシフトの予定から出した見込みであることを書いておくことにしました。
数字の出し方を画面に書いておかないと、実績の欄に並ぶ人件費を、実際に払った額だと読む人が出ます。何を何で数えた数字かを添えるのは、計算式を画面より先に決めた記事と同じ考え方です。
同じ月の画面に、商談の見込みと在籍の人数も並べました
6 月 27 日には、月ごとの経営の画面を 1 つ作り、入金・人件費・経費・差引に、商談の段階ごとの件数と見込みの額、在籍している人数を並べました。月を選ぶと、その月の数字に切り替わります。お金の出入りと、この先の受注の見込みと、人の数を、同じ画面で見比べるためです。
同じ日に、朝礼・夕礼の記録と作業の記録を、人ごとに 1 週間分束ねて見る画面も作りました。月の数字は経営の画面で、日々の仕事の中身は束ねた記録で見る、という分け方です。
会社全体の金額は、管理者だけが見る画面にしました
入金・人件費・経費の画面と、月ごとの経営の画面は、管理者だけが開けます。一般の社員が開こうとしても、画面は出ません。シフト表は一般の社員も開けますが、見えるのは自分のシフトだけで、人件費は出しません。
事務所の大きな画面に映す数字を、誰が見てもよい数字に絞った考え方は、大きな画面の記事に書きました。お金の数字は、映す画面と見る人を先に決めておきます。
並べる前に、項目ごとに何の日付と額で数えるかを決めます
- 入金を、期日で数える見込みと、入金日で数える実績に分けた
- 入金の額を、見積もり・請求書のどちらの額で数えるか決めた
- 人件費を、シフトの予定・打刻の実績のどちらから出すか決めた
- 月の途中で時給が変わる人の数え方を決めた
- 時給や単価が未登録のときに、0 円として隠さず件数を出す形にした
- 画面に、何を何で数えた数字かを書いた
- 会社全体の金額を見られる人を決めた
- 会計ソフトの締めた数字と、どこで突き合わせるかを決めた
締めた数字は、会計ソフトの側で確かめます。経営ダッシュボードの経理で、会計ソフトのデータを読むだけにした理由は、経理の画面の記事にあります。
当社の社内システムは、AI と作り、使いながら機能を足してきました。経緯は事例にまとめています。社内の数字を集める仕組みづくりを手伝う形はAI伴走支援、5 つの商品から選ぶクラウドサービスは経営ダッシュボードです。



