記録の抜けを月末にまとめて探す形だと、締めの日に残る作業が増えます。記録を促す知らせを、1 日の中と 1 か月の中に前倒しで置いておけば、抜けに月末より前に気づけます。
経営ダッシュボードの設計では、記録を促す知らせを置く時刻を決めました。1 日の中では朝・昼・晩と予定の時刻が過ぎたあと、1 か月の中では月の半ば・月末の 3 日前・月の初めです。2026 年 4 月に、営業・経理・マーケティング・人事労務の 4 つの商品の要件を書いたときに決めたことを、時刻の順に並べ直しました。経営ダッシュボードは当社が開発したクラウドサービスで、社外の会社に導入した事例はまだありません。
記録の抜けに月末で気づくと、締めがその分だけ遅れます
マーケティングの要件を書いたとき、課題の 1 つに「スプレッドシートやフォームへの記録が面倒で更新が止まる」を挙げました。営業の要件でも、入力の負担が大きい仕組みは現場で使われなくなる、と書いています。
記録が止まっていても、ふだんは誰も困りません。困るのは、月の数字をまとめる日です。請求書の処理の漏れや、記録していないイベントがそこで見つかり、担当に聞いて回るところから締めの作業が始まります。
そこで、知らせの中身を 2 種類に分けました。1 つは、その日のうちに入れてほしい記録を促す知らせです。もう 1 つは、月の締めの前に、まだ入っていない記録を数えて見せる知らせです。
1 日の中では、朝・昼・晩で知らせる中身を変えました
| 時刻 | 営業 | 経理 | マーケティング |
|---|---|---|---|
| 朝 | 今日の予定 | 経営の数字のまとめ | 広告費の残りと、主な数字 |
| 昼 | 進み具合の報告を促す | なし | なし |
| 晩 | 日報の入力と、まだ入れていない人への催促 | なし | なし |
| 予定の時刻のあと | 「〇〇の電話、どうでしたか」と聞く | なし | なし |
朝の知らせは、記録を促すものではありません。その日に見ておく数字や予定を、画面を開く前に届けます。記録を促すのは昼と晩です。営業では、昼に進み具合の報告を促し、晩に日報の入力を促します。まだ入れていない人には、晩に催促を送ります。
人事労務では、知らせに加えて、毎日の画面に並べる形にしました。打刻の漏れ、修正の申請の待ち、承認の待ちを、朝に見る「今日の労務」の画面に一覧で出し、放っておかれないようにします。
予定の時刻が過ぎたら、その予定について聞きます
営業の設計では、予定に入っている電話や訪問の時刻が過ぎると、チャットが「〇〇の電話、どうでしたか」と聞く形にしました。答えは選択肢から選んでもらい、そのまま営業活動の記録になります。
記録を 1 日の終わりにまとめて書く形だと、朝の電話の中身を夕方に思い出すことになります。予定が終わった直後なら、話した中身を思い出す手間が少なくて済みます。晩に日報を書く代わりに、その日の記録を並べて日報にする考え方は、記録を 1 つにまとめた記事に書きました。
1 か月の中では、半ば・月末の 3 日前・月の初めに知らせます
- 月の初め前の月の締めの作業を、担当へ依頼する(人事労務)
- 毎日朝・昼・晩と予定のあとに、その日の記録を促す
- 月の半ば見込み客の数が月の目標の半分に届いていなければ知らせる(マーケティング)
- 予算の 80%広告費が月の予算の 80% に達したら知らせ、超えたらもう一度知らせる(マーケティング)
- 月末の 3 日前まだ入っていない記録の件数を知らせる(経理・マーケティング)
2026 年 4 月の経営ダッシュボードの要件定義から
月の半ばの知らせは、締めのためというより、残りの半月でできることがあるうちに知らせるためのものです。マーケティングでは、月の半ばに見込み客の数が目標の 50% に届いていなければ知らせます。目標に対して今どのくらいの速さで進んでいるかは、目標達成ペースの考え方で見ます。
月末の 3 日前に、まだ入っていない記録の件数を知らせます
締めの日に抜けが見つかっても、直す時間がありません。経営ダッシュボードでは、月末の 3 日前に、まだ入っていない記録の件数をまとめて知らせる設計にしました。
| 商品 | 月末の 3 日前に数えて知らせるもの |
|---|---|
| 経理 | まだ処理していない請求書・経費・入金の確認の件数 |
| マーケティング | まだ記録していないイベント・コンテンツ(記事や動画など)・見込み客の件数 |
知らせるのは件数です。件数が分かれば、残りの 3 日で誰が何を片付けるかを決められます。請求と入金の漏れを状態で見つける考え方は、請求の漏れと入金の遅れを見つける記事にあります。
月の初めには、人事労務で、前の月の締めの作業を総務の担当へ依頼する知らせを送ります。勤怠の締めの前には、打刻の漏れや承認待ちを片付けておく必要があります。月次締めの段取りを、知らせの側から始める形です。
知らせる基準の数字と宛先は、設定で変えられるようにしました
マーケティングの設計では、広告費の予算の何 % で知らせるか、見込み客の目標は何件か、といった基準の数字を、管理者が設定の画面で変えられるようにしました。どの役割の人に知らせを届けるかも、同じ画面で決めます。
記録を促す知らせは、朝・昼・晩のように決まった時刻に送ります。予算のような知らせは、基準の数字に達したときに送ります。使い始めるときは宛先を絞っておき、知らせのあとに記録が入っているかを見ながら、宛先や時刻を足していく進め方をおすすめします。
知らせを置く前に、締めで毎月見つかる抜けを書き出します
どの記録が毎月の締めで抜けているかが分かれば、知らせる時刻と中身はそこから決まります。
- 月末の締めで、毎月どの記録の抜けが見つかっているかを書き出した
- その日のうちに入れてほしい記録と、月の締めの前に数える記録を分けた
- 1 日の中で、朝・昼・晩のどこで何を知らせるかを決めた
- 予定の時刻のあとに聞く記録を決めた
- 月末の何日前に、何の件数を知らせるかを決めた
- 知らせる基準の数字(予算の何 % など)と、変えられる人を決めた
- 知らせの宛先を、役割ごとに決めた
- 知らせを止める・減らすときの手順を決めた
知らせの時刻を決めると、画面に何を並べるかも決まってきます。見て終わりにせず、その日にすることが分かる画面の作り方は、ダッシュボードに足した 5 つのことの記事にまとめました。営業の目標を毎日の記録とつなぐ考え方は、営業の目標の記事にあります。
経営ダッシュボードは、営業・進行管理・マーケティング・経理・人事労務の 5 つの商品から選んで使えます。法人向けのサービス会社で営業から使う場合の想定は、モデルケースに載せています。



