手順書は、操作の説明だけでは足りません。例にするのは、プレス加工の会社様のために当社が書いた手順書です。会社の休日を勤怠アプリに登録する手順書で、操作の前後に何を書いたかを紹介します。
2026 年 4 月 6 日に書いた手順書です。このお客様は、勤怠にも社内の連絡にも Lark という業務アプリを使っています。年度が替わるたびに、新しい年度の休日を勤怠アプリに登録する必要がありました。休日の設定が会社のカレンダーと合っていないと、勤怠アプリの残業や欠勤の計算がずれます。
最初は、登録を自動にできないかを調べました。4 月の時点の公式の資料では、休日を登録する仕組みは見当たりませんでした。そこで、管理画面で 1 件ずつ登録する手順を書くことにしています。
手順書は、登録する一覧・操作・確かめ方・注意事項の 4 つの章に分けました
- 画面の開き方どの画面を開くか。開いたら何が表示されれば正しいか
- 1 件ずつの操作どのボタンを押し、どの欄に何を入れて保存するか
- 登録する一覧今年度に登録する休日を、名前・始まりの日・終わりの日で一覧にする
- 登録後の確かめ方管理画面・自動で入る祝日・従業員の画面の 3 か所で確かめる
- 注意事項いつ作業するか、何と照らし合わせるか、終わったら誰に知らせるか
2026 年 4 月 6 日に書いた手順書の章立てです。
操作の章だけを読むと、作業は 5 分で終わりそうに見えます。手順書の半分以上は、操作の前後に置いた一覧と確かめ方です。作業で間違えやすいのは、操作そのものより、何を登録するかと、登録が合っているかの方だからです。
開いた画面に何が表示されれば正しいかを、最初に書きました
最初の章では、開く画面と、開いたときに表示されるはずのものを書きました。会社のカレンダーの名前と「有効」の表示です。
画面には、前の年度の休日がすでに並んでいます。手順書には、「これは前の年度の分なので、そのままにしておく」と書きました。書いておかないと、作業する人が前の年度の分を消したり、上書きしたりするおそれがあるからです。
1 件ずつの操作は、押すボタンと入れる欄を順に書きました
操作の章は、番号付きの短い手順にしました。
- 画面の右上の「新規作成」のボタン(青)を押す
- 休日の名前・始まりの日・終わりの日を入れる。振替出勤がある日だけ、振替の日も入れる
- 「OK」を押して保存する
- 一覧に足されたことを確かめてから、次の休日に進む
4 つ目の「足されたことを確かめてから次に進む」は、操作の説明より大事な 1 行です。保存できなかったことに気づかず次に進むと、どの休日が抜けたかが最後まで分かりません。
夏季休暇のように続く休みは、始まりの日と終わりの日を入れれば 1 件で登録できます。手順書には、例として夏季休暇の 4 日間を 1 件で入れる書き方も載せました。
何を登録するかは、手順書の中に一覧で書きました
| 区分 | 件数 | 手順書での扱い |
|---|---|---|
| 土日 | 登録しない | 勤怠アプリの勤務の予定で、すでに休みになっている |
| 会社の休日(祝日の一部・連休・夏季・年末年始) | 8 件 | 名前・始まりの日・終わりの日・曜日を一覧にして載せた |
| 稼働日になっている祝日 | 登録しない | 自動で休日にならないかを、確かめ方の章で確かめる |
| 稼働日か休日かはっきりしない日 | 1 日 | 会社の紙のカレンダーで確かめてから決める、と書いた |
このお客様の 2026 年度は、所定休日が 113 日、稼働日が 252 日でした。そのうち勤怠アプリに 1 件ずつ登録するのは、土日以外の 8 件です。一覧には「会社のカレンダーの赤字の日と照らし合わせて、漏れがないかを最後に確かめる」と添えました。
年末の 1 日だけは、稼働日なのか休日なのかが、手元の資料では決めきれませんでした。手順書では、その日を一覧に入れずに「紙のカレンダーの現物を見てから登録するか決める」と書いています。決まっていないことを、決まったように書かないためです。
登録したあとの確かめ方を、3 か所に分けて書きました
確かめる場所は 3 つです。
- 管理画面の一覧: 年を切り替えながら、8 件すべてが「有効」で並んでいるか
- 自動で入る祝日: このお客様では、海の日や文化の日など多くの祝日が稼働日です。勤怠アプリが祝日を自動で休日にする設定になっていないかを確かめ、なっていれば外す
- 従業員の画面: 自分の勤怠アプリを開き、連休の日付が休日と表示されているか
3 つ目は、管理画面だけを見ていると見落とすところです。管理画面で登録できていても、従業員の画面で休日と出ていなければ、意味がありません。手順書には、確かめる日付も書き出しました。
注意事項には、いつ作業するか・何と照らし合わせるか・誰に知らせるかを書きました
注意事項は 3 つです。
- 登録は業務の時間外に行う。設定はすぐに反映されるので、業務中に変えると混乱する
- 会社の紙のカレンダーと必ず照らし合わせる。手順書の日付もカレンダーから写したもので、最後の判断は紙のカレンダーに従う
- 終わったら、社内のチャットで全員に「勤怠のカレンダーを新しい年度の分に更新した」と知らせる
手順書の最後には、分からないときの連絡先として当社を書きました。手順書だけで迷ったときに、誰に聞けばよいかが分かるようにするためです。
手順書を書き終えたら見直す 8 つの点
- 開いた画面に何が表示されれば正しいかを書いた
- 押すボタンの名前と、入れる欄を順に書いた
- 何を登録するか(何をするか)の一覧を、手順書の中に入れた
- しなくてよいもの(この件では土日)と、その理由を書いた
- 決まっていないことを決まったように書かず、確かめ方を書いた
- 終わったあとに確かめる場所と、確かめる日付を書いた
- いつ作業するか、終わったら誰に知らせるかを書いた
- 分からないときの連絡先を書いた
年に 1 回の作業は、前の年のやり方を誰も覚えていません。手順書があれば、担当が替わっても、日付の一覧を入れ替えるだけで同じ作業ができます。仕事のやり方が特定の人にしか分からない状態を属人化と呼び、それを減らすために手順を書き出すことをマニュアル化と呼びます。
当社のAI伴走支援では、毎月の打ち合わせで御社の作業を伺い、手順の書き出しや AI に任せる作業の設定を進めます。勤怠管理や会社カレンダーの言葉の意味は、用語集にまとめています。



