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コラム

受注確度を数字で入れるのをやめ、7 段階のランクから選ぶ形にした

この記事の要点

受注確度を 0〜100 の数字で自由に入れる形だと、何をもって 60 とし、何をもって 70 とするかが人に任されます。当社の社内システムでは 2026 年 6 月 30 日、確度の入力を、受注・A・B・C・D・E・失注の 7 段階から選ぶ形に変えました。ランクごとに値は固定で、見込み額は進行中の商談の「金額 × 確度」の合計で出します。

商談の見込み額は、金額に受注確度を掛けて足した数字です。確度を 0〜100 の数字で自由に入れてもらう形だと、確度の付け方が人によって違い、見込み額もそのぶん振れます。ランクを選んでもらい、ランクごとの値を固定しておけば、少なくとも同じランクの商談は同じ重さで数えられます。

当社の社内システムでは、2026 年 6 月 30 日に、商談の受注確度の入れ方を変えました。0〜100 の数字を入れる形から、受注・A・B・C・D・E・失注の 7 段階から選ぶ形です。選んだランクの値が、そのまま確度として記録されます。この記事は、その変更と、見込み額の出し方の記録です。

確度の入れ方は、仕組みごとに違っていました

確度を何で表すかは、当社の中でも一度にそろったわけではありません。

時期 仕組み 確度の入れ方
2026 年 4 月 13 日 経営ダッシュボードの営業の試作 横に動かすつまみ(スライダー)で数字を入れる
4 月 16 日 経営ダッシュボードの案件の設計 案件の状態に、確度 A(80% 以上)・B(50%)・C(20%)を入れる案
6 月 当社の社内システムの商談 0〜100 の数字を入れる
6 月 30 日 当社の社内システムの商談 受注・A・B・C・D・E・失注の 7 段階から選ぶ

4 月の設計では、確度を状態の名前に入れ、確度ごとに見込みを集計する考え方でした。6 月に社内システムで商談を記録し始めたときは、数字をそのまま入れる形でした。社内システムには、使っている社員が意見を送れる窓口があり、そこに届いた 1 件をきっかけに、ランクから選ぶ形に変えています。

ランクごとの値は、受注 100% から失注 0% まで固定です

ランク 確度として記録する値
受注 100%
A 95%
B 75%
C 50%
D 20%
E 1%
失注 0%

商談の画面で確度を入れる欄を、数字の欄からランクを選ぶ欄に替えました。選んだランクの値が、確度として記録されます。前に数字で入れていた商談は、いちばん近いランクの名前で表示します。記録の表は作り替えず、確度を入れる欄の使い方だけを変えたので、前の記録はそのまま残っています。

E の値は 0% ではなく 1% です。段階が進行中の E の商談は、見込み額にわずかに入ります。段階を失注にした商談は閉じたものとして扱い、見込み額には入りません。

ランクを選ばないときは、商談の段階の値を使います

ランクを選ばずに商談を登録したときは、商談の段階ごとに決めた値を確度として使います。

商談の確度が決まる順番
  1. 段階を決める引き合い・ヒアリング・提案・見積・受注・失注から、今の段階を選ぶ
  2. 段階の値が入る引き合い 10%、ヒアリング 25%、提案 50%、見積 70% が既定の確度になる
  3. ランクで上書きする担当者がランクを選べば、その値が確度になる
  4. 見込み額に入る進行中の段階の商談だけ、金額 × 確度を見込み額に足す

2026 年 6 月の当社の社内システムの設計から

段階の値は、ランクを付けていない商談にも見込み額を出すためのものです。段階とランクは別々に持つので、「見積の段階だが、決める方の反応から A」のように、段階の値より高いランクも付けられます。商談の段階の名前と、段階を進めるときに入れる項目の決め方は、商談の段階の記事にあります。

見込み額は、進行中の商談の「金額 × 確度」を足して出します

見込み額は、引き合い・ヒアリング・提案・見積の段階にある商談の、金額に確度を掛けた値の合計です。受注と失注の段階の商談は入れません。受注した商談は受注の数字として、失注した商談は見込みの無いものとして扱います。

例の商談 金額 ランク 確度 見込み額に入る額
例 1 300 万円 B 75% 225 万円
例 2 100 万円 D 20% 20 万円
例 3 50 万円 A 95% 47.5 万円
合計 450 万円 292.5 万円

表の数字は、計算の仕方を示すための例です。金額を全部足すと 450 万円ですが、確度を掛けた見込み額は 292.5 万円になります。金額の合計だけを見ていると、取れそうにない大きな商談で見通しが膨らみます。売上見込みを確度で重み付けするのは、そのためです。

あわせて、受注率も出します。受注した商談の数を、受注と失注を足した数で割った値です。まだ結果の出ていない商談は数えません。受注も失注も 1 件も無いときは、0% と出します。

見込み額は、月ごとの経営の画面にも並べました

商談の段階ごとの件数と見込みの額は、月ごとの経営の画面にも並べています。入金・人件費・経費・差引と同じ画面です。お金の出入りの見込みと、この先の受注の見込みを並べて見られます。月ごとの数字の出し方は、入金・人件費・経費の記事に書きました。

見込み額と受注率は、営業の機密として、管理者だけが見る画面にしています。担当者ごとの目標と毎日の行動のつなぎ方は、営業の目標の記事にあります。

ランクごとの目安は、お客様の側で起きたことで書きます

ランクを使うなら、「決める方が見積もりを読んだ」「始める時期の話が出た」のような、お客様の側で起きたことを目安に 1 行ずつ書いておきます。担当者の手ごたえで選ぶと、数字で入れていたときと同じ揺れが戻ります。

受注確度の付け方を決めるときに確かめること
  • 確度を、決まった段階(ランク)から選ぶ形にした
  • ランクごとに、記録する値を固定した
  • ランクごとの目安を、お客様の側で起きたことで 1 行ずつ書いた
  • ランクを選ばないときに使う値(商談の段階の値)を決めた
  • 見込みが薄くても追う商談と、閉じた商談(失注)を分けた
  • 見込み額に入れる段階と、入れない段階を決めた
  • 前の記録を、新しいランクでどう表示するかを決めた
  • 見込み額と受注率を見られる人を決めた

ランクを選ぶ形にするのは、受注確度の入力から人による揺れを減らすためです。入力の揺れを選択肢で減らす考え方は、入力の選択肢の記事にもまとめました。段階ごとに商談を並べた一覧は営業パイプラインと呼ばれます。

当社の社内システムは、AI と作り、社員の意見を受けて直しながら使っています。経緯は事例に、機能の並べ方を組み直した記録は社内システムの記事にあります。営業の数字を集める仕組みは、経営ダッシュボードの営業でも扱っています。

よくあるご質問

A と B の分かれ目は、何で決めればよいですか?
商談の段階と組み合わせて書くと迷いが減ります。例えば「見積の段階で、決める方と始める時期の話まで出ているものは A」のように、段階とお客様の側の出来事を 1 行にします。受注や失注の結果が出たら、付けたランクが合っていたかを振り返り、目安を直します。
確度が 1% の E は、失注と何が違うのですか?
E を付けた商談は、段階が進行中なら見込み額に 1% だけ入ります。段階を失注にした商談は閉じたものとして扱い、見込み額には入りません。望みは薄くても、まだ追うと決めた商談を、閉じた商談と分けて残せます。
見込み額は、どのくらい当たるものですか?
当社では、見込み額と実際の受注を比べた記録はまだありません。見込み額は、確度の付け方がそろって初めて月ごとに比べられる数字です。まずは付け方をそろえ、数か月分を並べてから、ずれ方を見ます。

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この記事を書いた人

小野 隆士ドットシンク株式会社 代表取締役

システム開発会社の会社員、Web 制作の個人事業主、不動産営業、Web 制作会社の役員を経て、CRM 事業を軸にドットシンク株式会社を起業。自社の営業と事務の仕事に AI を使い、そのやり方を AI研修と AI伴走支援でお客様の会社に持ち込んでいます。デジタル庁 デジタル推進委員(2024 年 7 月任命)。

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