残業の申請は、打刻と同じアプリの中で出せる形にすると、現場の方の手間が増えません。2026 年 3 月 25 日、プレス加工の会社様のために、残業を 30 分刻みで申請・承認・集計する流れを設計しました。
このお客様は、社内の業務アプリを入れ、朝礼や作業の報告などを順にアプリへ移している最中でした。残業の申請も、その計画に入っていました。この記事では、比べた 3 つの方式と、承認の流れの決め方を紹介します。
申請する人・承認する人・見る人を、先に分けました
| 役割 | 誰か | 主に使う端末 |
|---|---|---|
| 申請する人 | 現場の方(全従業員) | スマートフォン |
| 承認する人 | 社長。社長が不在のときは代理の管理者 | スマートフォンかパソコン |
| 集計を見る人 | 経営者と管理部門 | パソコン |
申請する人の多くは、パソコンを使わない現場の方です。設計の条件として、スマートフォンで、入れる項目をできるだけ少なくすることを置きました。
打刻と同じアプリで申請し、月次の集計だけを別にする方式を選びました
方式は次の 3 つを比べました。
| 比べたこと | 勤怠のアプリだけ | 申請のアプリだけ | 勤怠のアプリ+月次の集計の表(採用) |
|---|---|---|---|
| 打刻とのつながり | ある | ない | ある |
| 残業の時間の計算 | 自動 | 手で選ぶ | 自動 |
| 申請の手間 | 勤怠のアプリの中で出せる | 別のアプリを開く | 勤怠のアプリの中で出せる |
| 月次の集計 | 勤怠の報告で出る | 手で集計する | 勤怠の報告を、集計の表に取り込む |
| 入れる準備の手間 | 少ない | 少ない | 中くらい |
選んだのは、勤怠のアプリで打刻と申請をし、月に 1 回だけ勤怠の報告を集計の表に取り込む形です。打刻と残業が自動でつながるので、現場の方が足して入れるものが最も少なくなります。申請のアプリだけの方式は、作るのは簡単ですが、打刻とつながらず、残業の時間を手で選ぶことになります。
現場の方が入れるのは、種別・日付・時刻・理由の 4 つだけにしました
- 申請する現場の方が、勤怠のアプリから種別・日付・始めと終わりの時刻・理由を入れて出す
- 知らせが届く承認する人のスマートフォンに知らせが届く。期限は 24 時間
- 承認か却下承認するか、理由を書いて却下する。結果は申請した人に知らせる
- 勤怠に入る承認された残業の時間が、勤怠の記録に入る
- 月次で集計月初めに前の月の分を集計の表に取り込み、経営の会議で見る
2026 年 3 月 25 日の設計の報告から作成
申請の項目は、申請者・種別・残業の日・始めの時刻・終わりの時刻・残業の時間・理由です。このうち申請者は自動で入り、残業の時間は始めと終わりの時刻から計算されます。現場の方が入れるのは、次の 4 つです。
- 種別(営業日の残業・休日の残業・祝日の残業)
- 残業の日
- 始めと終わりの時刻
- 理由
理由は、自由に書ける欄ですが、書きやすいように例を説明に載せました。納期の対応、受注が増えた対応、設備の手入れ、段取り替え、品質の検査、その他です。例があると、理由の書き方がそろい、月末に理由ごとに数えやすくなります。
承認は 1 段にし、期限と代理の人を決めました
承認の決まりは次のとおりです。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 承認の段数 | 1 段。承認する人のうち 1 人が承認すれば終わる |
| 承認の期限 | 申請から 24 時間以内。手が付いていなければ知らせる |
| 却下するとき | 理由の入力を必ずにし、申請した人に知らせる |
| 承認する人が不在のとき | 代理の承認者に自動で回る |
段数を 1 段にしたのは、承認が何段も重なると、残業が確定するまでの時間が延びるからです。代理の承認者を決めたのも同じ理由です。承認する人が出張や休みのあいだ、申請が止まらないようにします。承認する人が不在のときに代わりに承認する人を、代理承認者と呼びます。
残業が一定の時間に近づいたときの知らせも決めました。月の残業が 40 時間を超えたら管理者に、45 時間に届いたら管理者と経営者に知らせます。
申請は残業の前が原則で、事後の申請には期限を付けました
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 申請する時期 | 残業を始める前が原則。やむを得ないときは、翌営業日の午前中までに事後の申請を出せる |
| 事後の申請の期限 | 残業した日から 3 営業日以内。過ぎたら管理者に直接相談する |
| 時間の刻み | 30 分刻み |
| 打刻 | 残業の始めと終わりも打刻する |
| 打刻を忘れたとき | 打刻忘れの知らせを出し、打刻の修正も申請と承認を通す |
事後の申請を一切認めないと、現場では申請そのものが出されにくくなります。認めるかわりに期限を付け、期限を過ぎたら人と話す形にしました。
月の初めに前の月の分をまとめ、経営の会議で見ます
月次の集計は、管理者が毎月 1〜3 日に前の月の勤怠の報告を書き出し、集計の表に取り込みます。社長は、毎月の経営の会議でその表を見ます。月に 1 回、45 時間を超えた人がいないかも確かめます。月の記録を確定させる作業の考え方は、用語集の月次締めにまとめています。
申請と承認の流れを、言葉と表で決めておくと、紙からアプリに移すときに迷いません。申請と承認の段数や期限を決めたものを、承認フローと呼びます。勤怠の数字全体の考え方は、用語集の勤怠管理にまとめています。
申請と承認の流れを決める前に確かめること
- 申請する人・承認する人・集計を見る人を分けた
- 申請する人が使う端末(スマートフォンかパソコンか)を確かめた
- 申請する人が入れる項目を、最小限にした
- 計算は仕組みに任せ、申請する人に計算させない
- 承認の段数と期限を決めた
- 承認する人が不在のときの代理を決めた
- 事後の申請を認めるか、その期限を決めた
- 月次の集計を、誰がいつするかを決めた
当社のAI伴走支援では、社内の申請や承認のような業務の流れを伺い、使っている道具の中でどう回すかを一緒に決めます。



