現場の方が毎日使う画面は、ログインで手間取ると、それだけで使われなくなります。経営ダッシュボードの進行管理は、案件と作業の進み具合を集める商品です。2026 年 5 月、この商品のログインを、数字 6 桁の社員番号と 4 桁の暗証番号にすると決めました。
考えの出発点は、工場の現場の使い方です。パソコンは何人かで共用し、キーボードを打つこと自体をできるだけ減らしたい。入力し終えたあとにログアウトし忘れることもあり、事務所の壁の大きな画面には進み具合を映しっぱなしにしたい。こうした使い方を前提に、社員番号の形、暗証番号の決め方、自動でログアウトするまでの時間を決めました。経営ダッシュボードは当社が開発したクラウドサービスで、ここに書くのは設計の段階で決めたことです。
社員番号は、英字入りや会社ごとの自由な形ではなく、数字 6 桁にしました
社員番号の形は、次の 3 つの案から選びました。
英字とハイフン入り(EMP-0001 など)
- 給与ソフトなどの社員番号と照らし合わせやすい
- ログインの画面で、英字と数字を打ち分ける
- スマートフォンでは、キーボードの切り替えが要る
- 打ち間違いが増える
数字 6 桁(採用)
- 事務所のパソコンでは、テンキーだけで打てる
- スマートフォンでは、数字のキーボードが自動で出る
- 入力の確かめ方が「数字 6 桁か」の 1 つで済む
- 今の社員番号とは別の番号になる
会社ごとに形を自由に決める
- 今の社員番号をそのまま使える
- 会社ごとに、入力の確かめ方と画面の案内が変わる
- 確かめる組み合わせが増え、最初の形に入りきらない
- 打ち間違いの起きやすさは、会社の番号の形しだい
2026 年 5 月の設計で比べた内容です。
数字 6 桁を選んだのは、打つ手間と打ち間違いを、いちばん少なくできるからです。スマートフォンのログイン画面では、数字のキーボードが最初から出ます。英字に切り替えるひと手間がありません。
弱いところは、今の社員番号と別の番号になることです。給与ソフトなどで使っている社員番号は、管理画面に対応表の欄を設け、6 桁の番号と並べて表示します。今の番号は表示するだけで、ログインには使いません。6 桁なら番号は 100 万通りあり、1 つの会社で足りなくなることはありません。
暗証番号は 4 桁にし、最初のログインで必ず変えてもらいます
暗証番号は 4 桁の数字です。最初は管理者が初期の番号を出し、本人が最初にログインしたときに、自分の番号に変えてもらいます。
- 初期の番号を出す管理者が、社員番号と初期の暗証番号を本人に渡す
- ログインする本人が、社員番号と初期の番号でログインする
- 変える画面だけが開く暗証番号を変える画面のほかには進めない
- 自分の番号を決める4 桁の新しい暗証番号を決める
- 使い始めるホームの画面に進み、入力を始める
暗証番号を変えるまでは、ほかの画面に進めない作りにしました。
変えるまでほかの画面に進めないようにしたのには、理由があります。管理者が知っている番号のまま使い続けられると、記録に残る名前が本当にその人の入力だと言えなくなるからです。現場の入力は、誰が・いつ入れたかが残ってはじめて、あとで確かめられる記録になります。
4 桁の暗証番号だけには頼らない作りにしました
4 桁の数字の組み合わせは、0000 から 9999 までの 1 万通りです。パスワードに比べれば、当てずっぽうで当たる見込みは高くなります。そこで、番号の桁数のほかに、次の 2 つを組み合わせています。
- 続けて何回か間違えると、しばらくログインできなくなる
- 暗証番号は、数字のままではなく、元の番号に戻せない形に変えてから保存する
暗証番号でのログインがどんな場面に向いているかは、用語集の暗証番号ログインにもまとめました。社長や管理者のように、多くの数字を見られる人のアカウントでは、二要素認証のように確かめ方を重ねる考え方もあります。
自動でログアウトするまでの時間は、60 分と 24 時間の 2 つで決めました
ログインしたまま放っておかれた画面を、いつ自動でログアウトさせるか。これは 2 つの時間で決めます。操作が無いまま何分たったらログアウトするかと、操作を続けていても何時間たったら入り直してもらうかです。
| 案 | 操作が無いとき | 長くても | 現場で起きること |
|---|---|---|---|
| 30 分・8 時間 | 30 分 | 8 時間 | 安全の面では厳しいが、作業の合間に何度も入り直すことになり、入力が止まりやすい |
| 60 分・24 時間(採用) | 60 分 | 24 時間 | 1 日 1 回のログインで仕事が回る。共用のパソコンで 60 分以内の離席なら、ほかの人が操作できてしまう |
| 8 時間・7 日 | 8 時間 | 7 日 | ほとんど入り直さずに済むが、ログインしたままの時間が長すぎる |
60 分と 24 時間を選んだのは、1 日 1 回のログインで仕事が回り、入り直しの手間で入力が止まらないからです。60 分以内の離席のあいだに、ほかの人が操作できてしまうおそれは残ります。これは使い方の案内に「共用のパソコンでは、席を離れるときにログアウトする」と書いて補うことにしました。
自動のログアウトは、自動ログアウトとも呼ばれます。時間は、短くすれば安全で、長くすれば楽になる、という引っ張り合いです。どちらに寄せるかは、端末を何人で共用するかで変わります。
壁の大きな画面に映す表示は、人のログインと分けました
事務所の壁の大きな画面に進み具合を映しっぱなしにしたい、という使い方があります。この表示を人のログインと同じ仕組みにすると、60 分で画面が消えてしまいます。そこで、大きな画面に映す表示は、人がログインする画面とは別の仕組みにしました。大きな画面は見るだけで、入力はできません。
人が入力する画面と、みんなで見る画面を分けておくと、自動ログアウトの時間を、入力する人の側の都合だけで決められます。
共用の端末で使い始める前に決めておくこと
- どの端末を、誰と誰で共用するかを書き出した
- 席を離れるときにログアウトすることを、使い方の案内に書いた
- 初期の暗証番号を誰が出し、どうやって本人に渡すかを決めた
- 暗証番号を忘れた人の受け付けを、誰がするか決めた
- 退職や異動のときに、アカウントを止める人と手順を決めた
- 壁の大きな画面に映す表示と、人が入力する画面を分けた
ログインの形は、入力の項目と同じくらい、現場で使われ続けるかどうかを左右します。画面に出す数字の決め方は、同じ時期に決めた稼働率と納期遵守率の計算式の記事に書きました。工場で使う場合の想定は金属加工の工場のモデルケースにあります。経営ダッシュボードの導入を考えるときは、端末を何人で共用するかを先に数えておくと、ログインの決め方で迷いません。



